エジプト・トルコの関係改善、ギリシャを慌てさせる
2021年03月07日付 Hurriyet 紙

エジプト政府が炭化水素の採掘に関してトルコの大陸棚の境界線を認めてパイプライン計画のルートからギリシャを外すよう提言したことが、ギリシャ政府に緊張を与えた。ギリシャ外相はエジプトを訪れる予定だ。

東地中海におけるエジプトの近頃の動きと、メヴリュト・チャヴシュオール外相のアンカラ-カイロ関係に関する声明は、ギリシャ政府にパニックを引き起こした。まずギリシャのニコス・デンディアス外相は、エジプトのサーハメ・シュクリ外相に電話をした。先週水曜日(3日)の晩にはギリシャのキリアコス・ミツォタキス首相がエジプトのアブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領に電話をし、エジプト政府の意図を探り、彼らの覚えた不安を伝えた。

■会談は内密にできず

ミツォタキス首相とシーシー大統領の電話会談をギリシャ政府は非公表にしていた。しかし、エジプト政府が声明を出したことで、ギリシャ政府のアリストテリア・ペローニ報道官が、「2人は頻繁に連絡している。そのため、すべての会談を説明する必要はない」と言わざるを得なかった。カイロがアテナを揺さぶることになった動きとは次のようなものだ。
・トルコに有利な入札
エジプトは2月18日に東地中海で炭化水素探査及び掘削作業のために24区画の入札を開始した。入札に際して公開された地図の18番区画の境界線は、トルコが2019年11月13日に国連へ伝えた大陸棚の境界線を踏まえて決定された。トルコの大陸棚を承認していないギリシャは地図の訂正を求めた。

■新しいルートの提案

シーシー大統領は11月のアテネ訪問の際、ギリシャ-イスラエル-キプロス共和国政府の間で昨年1月、アメリカとEUも承認の上で署名した「EastMed(東地中海)」パイプライン建設協定上のルートが、ギリシャ領土を通らないように変更することを進言した。これにはルートをイスラエル-キプロス-クレタ島に代わり、イスラエル-エジプト-クレタ島にすることも含まれている。ミツォタキス首相は、提案についてキプロス共和国のニコス・アナスタシアディス大統領と話し合い、大統領は東地中海におけるキプロスの狙いを無に帰すようなこの提案に反対した。

■チャヴシュオール外相のメッセージ

トルコのチャヴシュオール外相は3月3日、「エジプトは我々の大陸棚を尊重しており、我々はこれを好意的に受け止めている。関係の推移次第で、エジプトと排他的経済水域について交渉し、合意を結ぶこともあるだろう」と述べた。2013年当時国防相であったシーシーがムハンマド・ムルシー前大統領を退陣させた後、トルコ政府-エジプト政府の関係は大使が帰国するまでに落ち込んだ。ここ最近は、トルコのエジプトの諜報機関間交渉が行われ、政治会談も始まるだろうとみられている。

■ギリシャ外相のエジプト訪問

ギリシャのデンディアス外相が月曜日にカイロを訪問し、エジプトのサーハメ・シュクリ外相と会談を行う旨が説明された。またカイロからの帰路、キプロス共和国政府を訪れ、同国のニコス・フリストドゥリディス外相と会談する予定だ。ギリシャのニュースサイトTo Vimaは「デンディアスは好意的に振る舞い、カイロに入札の地図を変えることを求めるだろう」と記した。

■トルコ政府からアラブ連盟の決定に対する反応

トルコ外務省は、アラブ連盟の会議で、「トルコが一部のアラブ諸国の内政に干渉している」との主張が取り上げられたことに抗議して、「トルコへ対する根拠に乏しい決定は断固として拒絶する」と声明を出した。外務省の文書声明では、トルコの当該地域に対する最優先事項はアラブ諸国の主権ならびに領土の保全と、政治的統一の構築であることが強調された。また、「アラブ連盟に対しては、根拠のない主張で我が国を非難するのではなく、アラブ人民の安寧と繁栄、福祉を第一として、地域に安全と安定を構築するために建設的貢献をされるよう、改めて呼びかける」と述べた。エジプトのサミーフ・シュクリ外相は、アラブ連盟の会議のほか、「トルコによるアラブ諸国への内政干渉」に関する会議で議長を務めていた。

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( 翻訳者:小林佑輔 )
( 記事ID:50756 )