トルコ、女性の権利擁護のイスタンブル条約から離脱
2021年03月20日付 Hurriyet 紙

トルコは、官報での大統領令の公示をもってイスタンブル条約から離脱した。

レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領が署名した大統領令の内容は、次のとおり。

「トルコ共和国の名において2011年5月11日に署名され、2012年2月10日に2012/2816号閣議決定において承認された、『女性に対する暴力及びドメスティック・バイオレンスの防止に関する欧州評議会条約』からのトルコ共和国の離脱を、大統領令第9号第3項に基づき、決定した。」

■副大統領「よそを真似する必要はない」

フアト・オクタイ副大統領はツイッターに、トルコがイスタンブル条約から離脱することに関して、

「トルコ人女性の社会における尊厳と名誉をふさわしい水準へと引き上げるためにわれわれが心血を注いだ戦いを、伝統的な社会構造を守りながらも、今後も続けていく覚悟だ。この崇高な目標のために、解決策をよそから探したり、よそを真似する必要はない。解決策はわれわれの伝統と文化に、われわれの中にある」と投稿した。

情報相「戦いをわれわれは固い決意をもって続けている」
ファフレッティン・アルトゥン情報相もトルコのイスタンブル条約からの離脱に関するコメントを出した。アルトゥン情報相はツイッターに、「エルドアン政権下のわずかな期間に、女性が社会的、経済的、政治的、文化的生活により参加できるように行ってきた戦いを、われわれは固い決意をもって続けている。女性は人生の客体ではなく主体だ!いつも『強い女性強いトルコ(Güçlü Kadın Güçlü Türkiye)』と声に出そう」と投稿した。

■家族労働社会保障相「基本的な原理原則だ」

ゼフラ・ズムリュト・セルチュク家族労働社会保障相は、女性の権利は憲法をはじめとした国内司法制度において保障されているとし、[ツイッターに]「女性に対する暴力は何よりも人道に対する罪だ。そして、この罪との戦いは人権問題であり、基本的な原理原則だ。この前提に立ち、暴力に対するわれわれの戦いをこれまでと同様、これからもゼロ・トレランス原則と固い決意をもって進めていく」と投稿した。

セルチュク氏はツイッターで、トルコのイスタンブル条約からの離脱に関する投稿を行った。

セルチュク氏は、ハッシュタグ「強い女性強いトルコ(#GüçlüKadınGüçlüTürkiye)」をつけた投稿で、エルドアン現大統領が政権を握った2002年以降*、トルコのすべての女性の政治的、経済的、社会的生活への参加を支援するために重要な政策を[政権が]実行してきたことを強調し、

「女性の権利は、憲法をはじめ国内司法で保障されている。わが国の司法制度は、必要に応じて新たな整備が可能な、ダイナミックで強力なものだ。

女性に対する暴力は何よりも人道に対する罪だ。そして、この罪との戦いは人権問題であり、基本的な原理原則だ。この前提に立ち、暴力に対するわれわれの戦いをこれまでと同様、これからもゼロ・トレランス原則と固い決意をもって進めていく」と述べた。


訳者注
* 2002年11月に現在の与党公正発展党が政権の座に就いたが、実際にエルドアン現大統領が首相に就任したのは2003年3月。

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( 翻訳者:麻生充仁 )
( 記事ID:50811 )