フォークロア研究者イルハン・バシュギョズに関わる二作品
2021年03月22日付 Cumhuriyet紙

最近私が読んだ2冊の興味深い電子書籍について述べたい。『トルコで最初のフォークロア・サマースクール:イルハン・バシュギョズのギュレでの夏季講習』、『イルハン・バシュギョズとギュレ・フォークロア・サマースクール参加者の会合:2020年7月18日』のことである。この2冊の本は、かつてアメリカからトルコに戻った有名なフォークロア研究者イルハン・バシュギョズと彼の研究を直接取り上げていないが、彼の周囲、特に彼の試みを扱っている。2冊とも作成したのは、セルピル・アイギュン・ジェンギズ教授である。

イルハン・バシュギョズ教授は、1990年代後半にアメリカで何年間も教鞭をとったインディアナ大学を退職してトルコに戻った。2010年代中盤までトルコの様々な大学で教鞭をとった。アンカラ大学言語歴史地理学部フォークロア学科エスノグラフィー専攻主任セルピル・アイギュン・ジェンギズ教授が出版した『トルコで初めてのフォークロア・サマースクール:イルハン・バシュギョズのギュレでの夏季講習』という名の本は、バルッケスィールのギュレ村で1997年に創設されて授業を行い、2003年まで続いたサマースクールに参加した人々の証言からなる。

同書は、学校の企画と構築を行い、また学校で授業を行い3月20日に亡くなった建築家にして詩人のジェンギズ・ベクタシュ氏に捧げられた。

■トルコのフォークロア島

最初に目に飛び込むのは、本を美的な構造に至らせ、まさに視覚的な祝宴を提供する、その多くが今日では資料のような性格をもつ写真群である。

ジェンギズ教授は、ハリル・イナルジュクからヘンリー・グラッシまで多くの国際的に知られた学者が授業を行った学校を「トルコのフォークロア島」と呼んだ。本書に書かれた証言はこの点から非常に価値が高い。単にフォークロアの分野にとどまらず、トルコ社会に関わると同様に、国際的なフォークロア研究の点から興味深く、独特で、初めて出版された多くの証言が書かれている。

この分野に興味を抱く人々にとっては、書籍の中にバシュギョズ自身の自叙伝や彼と行われた対談、彼を敬って編まれた記念書籍にあるようなことは全く語られていない。このため、この作品は参照本と成りうるものである。

■共助とアナトリア愛

証言の中で綴られ続ける一体感、共助の精神が感じられる。さらに単にカズダー、バルッケスィール、ギュレのことのみが語られているようにみえるが、信じられない程のアナトリアへの愛が感じられる、作品全体にわって。

しかし、全体的に見るならば、この本の真の重要性は、バシュギョズ氏自身が直接運営し、そのままの状態で終わりを迎えたサマースクールが歴史に刻まれることである。残念ながら終わりを迎えた労力、努力が忘れ去られるのを妨げることである。

学校の運命について、ジェンギズ教授の著述の中で「学術の状況にとって、まさに典型的」と述べている。最近起こった事件、関係者が生存中、まだ記憶に新しいうちに書き記されることは、忘れっぽい社会に生きる私たちにとって妥当な試みである。この点で語られていることはフォークロア研究を越えている。この本の最も記すに値し、注目すべきはこの点である。

■多くの関心を集めるに値する

ジェンギズ教授は、この本の紹介を2020年7月18日にズームを通じて行った。「フォークロア街頭アトリエ」のメンバーであるプナル・ジャン・チャラ、シェネル・ヴラル、セダ・ギュゼル、ジュレイハ・ドゥラク・オゼン氏達が参加して作られた作品が映し出す画面上の会合は四時間を越えて続いた。

最も感動的な瞬間は、バシュギョズ氏がインディアナの家で携帯のカメラを通じて、長年会っていない元学生達に語りかけたことである。

バシュギョズ氏とサマースクール参加者の再会は、まさに様々な参加者が発言して語ったことの他に、大西洋を越えて再会した様も映した。特別な付帯知識を得ることが出来るためにフォークロア関係者が必ずや関心を抱く本である。多くの関心を集めるに値する本である。

(注)
イルハン・バシュギョズ氏は、アメリカで癌治療を続ける中、トルコへの帰国を訴えていた。ソズジュ紙の2021年1月5日の掲載記事によると、希望が適いトルコがアメリカに派遣した医療設備を備えた飛行機に乗ってアンカラに降り立った。
『フォークロア-文学誌』の100号は同氏に宛てられ、サマースクールのことが語られている。

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(翻訳者:新井慧)
(記事ID:50818)