欧州在住トルコ人に凶報ートルコ銀行口座を欧州側に通知制度はじまる
2021年06月03日付 Hurriyet 紙

トルコが146か国と結んだ「金融口座情報の自動送信に関する多国間協定」が、大統領府の決定を受けて運用に入った。通知文では施行日が2020年2月3日とされている。

トルコが2017年に批准した「金融口座情報の自動送信に関する多国間協定」が、公正発展党(AKP)のレジェプ・タイイプ・エルドアン大統領の決定によって施行された。これにより、トルコの銀行口座所有者の情報が協定国と共有されることになる。この協定はゲストワーカーとしてドイツ、オランダ、フランス、イタリア、ベルギー、スウェーデンなどの国に居住するトルコ人に強く影響するものだ。

エルドアン大統領の署名入り官報に記載された決定によると、銀行口座及び金融情報の共有は2021年の6月から始まった。批准した協定の施行日は2020年2月3日時点であることにも触れられた。

■情報自動転送協定とは何か?

金融口座情報の自動送信に関する多国間協定によると、締結国は互恵的な関係のもと、金融機関から入手した、関係国住民が所有する口座情報は、要請を必要とすることなく(自動的に)毎年関係国と共有される。トルコで情報自動送信のための情報収集、共有を担当するのは財務省に属する国税庁だ。

■情報自動転送はどのように行われるのか?

トルコにある金融機関と銀行は、特定した口座に関する情報を国税庁に報告する。

国税庁はこの情報を安全なネットワークを介して関係国に送る。似たような形で、協定国も特定した口座情報をトルコに送る。二国間での情報送信は口座の12月31日における状況と収集された情報に即したもので、翌年の9月末までに行われる。

■どの機関が通知するのか
1. 金融機関(銀行)
2. 有価証券管理金融機関(信託銀行等)
3. 投資機関(投資銀行、ファンド等)
4. 一部の保険会社

■土地所有権や資産は通知されるのか

この協定には、住宅や土地の所有権等の情報は含まれない。

■ゲストワーカーを待ち受ける危険とは何か

ヨーロッパで在住する国で公的扶助を受けていながら、トルコでは資産を持つゲストワーカーたちは10年に遡って罰が科される可能性がある。トルコにある資産について報告せずに支援を受けた人の資産は没収され、売られることもある。

■個人情報保護法(KVKK)により情報を隠すことができる

ゲストワーカーが困難に陥らないために、トルコは個人情報保護法を持ちだした。この法律には資産の秘匿が含まれ、ゲストワーカーは資産を隠蔽することが出来る。ゲストワーカーは社会保障機関(SGK)に申請してから28日以内に、所有するすべての資産もSGKから受け取った年金も隠蔽することができる。これらの情報は申請者以外のいかなる他者にも提供されない。そのため欧州在住のトルコ人は、資産をトルコで隠し持つことが出来る。

■自動情報送信から逃れるにはどうすれば良いのか

情報の自動送信からどう逃れられるのか。トルコの銀行に口座を持つ者は、登録住所を滞在国の住所にせずに、トルコにおける住所に変更する必要がある。住所に基づく協定であるため、住所変更をしない限り、自動送信に引っかかるのは不可避だろう。

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( 翻訳者:山下鈴奈 )
( 記事ID:51146 )