15世紀イタリアでメフメト2世に捧げられた5千行の詩写本発見
2021年07月22日付 Milliyet紙


イタリアにある図書館の書庫で、メフメト2世のためにイタリア詩人が書いたおよそ5千行ものラテン語の叙事詩が発見された。

アンカラ社会科学大学のフィリズ・バルン・アクマン講師と研究者のバヤズィト・アクマン氏は、メフメト2世紀を讃えるルネサンス期のイタリア詩人によって書かれた、およそ5千行ものラテン語叙事詩を発見した。作品名は「アミール:トルコの皇帝メフメト2世の生涯と征服(Amyris, de vita et gestis Mahometi Turcorum imperatoris)」で、詩人で歴史家のジアン・マリオ・フィレルフォが1475年に筆を執ったようだ。

■理由はオリエンタリズム

ベヤズィト・アクマン氏は妻であるフィリズ・バルン・アクマン氏と共同で、西洋におけるトルコとイスラーム認識について研究を行っている。彼によると、彼らの手元にあるのは1978年にイタリアで出版された翻刻版であり、ラテン語の手稿本にはジェノヴァ図書館より辿り着こうと努めたと話した。アクマン氏は以下のように語った。

「この作品は、今に至るまで、トルコ語だけでなく、非常に多くの言語に翻訳されて、多くの研究の対象になるべきものだ。あるイタリア人が15世紀にメフメト2世に向けて5千行もの詩を書いたのだが、どの言語にも翻訳されなかった。まるで秘密であるかのように隠されていたと見受けられる。この作品がムスリムのトルコ人支配者について書かれたものでなくて、キリスト教徒の皇帝について書かれたものなら、ホメロスのイーリアスやウェルギリウスのアエネーイスのような古典叙事詩と並ぶものだったろう。この作品を人々は図書館の蔵書庫にしまい込んだのだ。」

アクマン氏は、この作品が今日まで話題とならなかったのには、オリエンタリスト的歴史著述の影響があったと言い、次のように話した。

「なぜ5世紀もの間、誰にも興味を持たれず、秘匿されていたのかはわからない。間違いなく、この作品はベッリーニの描いたメフメト2世の肖像画となんら変わらない価値を持つ。片や絵画芸術で表現し、片や文学で表現したのだ。この作品が現代語に翻訳されて、イタリアの人々や他の文化圏の人々も読めるようになるのは、大きな意味を持つ。我々はこの研究を通して、不足を埋めることを目標としている。」

妻のフィリズ・バルン・アクマン氏は作品の書かれた背景を次のように説明した。

「メフメト2世はイスタンブル征服後、捕虜の中に、チャナッカレに住むヴァネツィア出身の商人であったオスマン・リッロ・フェルドゥッチ・オブ・アンコーナという人物の義理の兄弟もいた。この商人はメフメト2世に宛てて手紙を送り、親族の解放を求めた。スルタンは何ら身代金を求めることなく、すぐさま捕虜を解放した。イタリア人商人はスルタンのこの紳士的な振る舞いに感銘を受け、この意を示すために国の創建者オスマンの名を自身の名前に加えた。彼は、友人であるルネッサンス詩人、1426年イスタンブルのペラ生まれのジアン・マリオ・フィレルフォに、メフメト2世に関する叙事詩を書いてほしいと頼んだ。目的はスルタンに感謝の意を伝えることであった。」

■トルコ語へ翻訳の予定

フィリズ・バルン・アクマン氏は、この作品がオリジナルのラテン語からトルコ語と英語に翻訳されることで、文学作品として読まれ、歴史的文脈の説明を伴うことで、読者らの注目を引くだろうと述べ、数か月後には[翻訳]作品が書架に並ぶことを目指すとした。この本は「アミール ―ファーティヒの5世紀の物語」という題でコペルニク出版から出される予定である。

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(翻訳者:大谷菜々)
(記事ID:51376)