シリア難民:ボアズィチ大学学生、シリア難民たちのための建築プロジェクトで国際コンペ第一位に選出
2020年01月06日付 その他 紙


トルコにおけるシリア難民たちの社会への統合を目指すという一つのテーマの枠組みで開催された『2019年ビルディング・フォー・ヒューマニティ(B4H)-アーキテクチャー・フォー・ピーポー(人のための建築―民衆のための建築)国際建築デザインコンペティション』の第一位をボアズィチ大学の学生であるエリフ・アルパが獲得した。『シリアの難民たちのための一時的なシェルター居住区』というタイトルのプロジェクトによって一位の賞の権利を受賞したエリフ・アルパ氏は、ハタイ県レイハンル郡に暮らすシリアの難民たちの社会生活に貢献をする建築プロジェクトを発展させた。

トルコ国境にあるレイハンル郡に暮らすシリアの難民たちにむけたデザインの考えを模索している『2019年ビルディング・フォー・ヒューマニティ(B4H)-アーキテクチャー・フォー・ピーポー(人のための建築―民衆のための建築)国際建築デザインコンペティション』は、プロフェッショナル部門と学生部門から成る二つのカテゴリーから構成される。コンペティションの審査委員には、ユハニ・パルラスマ教授、スーハ・オズカン教授、メルテム・ギュレル博士、チェン・ユー・チウ博士、チョウ・シュン・ユウ博士、ジュンションワン博士助手、シャ・エイシュン、黃聲遠、シュエン・レン・リュー、ヌーノ・マーティンズが加わった。デザイン・コンペティションの学生カテゴリーにおいて第一位となったエリフ・アルパ氏とともに、プロジェクトの詳細そしてコンペティションに加わったプロセスについて語り合った。

■あなたについてご紹介をしてもらえますでしょうか?

私はエリフ・アルパです。エディルネ生まれ、エディルネ育ちです。2012年にエディルネ・スレイマン・デミレル科学高校を卒業したのちに、イズミル・ドクズ・エイリュル大学の建築学部にて、学部教育をスタートさせました。建築学部で3年生だった時に選択した選択授業によって、私にある社会学への興味を見出したのです。そして建築教育を終えたのちに、社会学を学ぶことを決めたのです。この決定をした後に、卒業したのちに2018年にボアズィチ大学における教育をスタートしました。今はボアズィチ大学社会学部の一年生です。時間の見出せる限りで、建築コンペティションに参加をしています。

■『ビルディング・フォー・ヒューマニティ(B4H)-アーキテクチャー・フォー・ピーポー(人々のための建築―人々のための建築)』の国際建築デザインコンペティションへの参加までの道のりについて言及をしてもらえますでしょうか?このようなコンペティションのアイディアはどのように、そしてまたいかなる目的で生まれたのでしょうか?あなたは
プロジェクトの枠組みにおいて建築そして社会学をどのように融合させているのでしょうか?

私が今、どれほど社会学の学生であったとしても、まずは、建築を学んだことによってこのようなコンペティションに参加を出来るというのは、驚くべきことではありません。コンペティションのプログラムは、建築家たちによってよくフォローがされている建築に関してのポータルサイトであるArkitera(アーキテラ)をブラウズしている時に見かけたのです。
そ募集要項を見たときには、私はサマースクールにいましたが、授業が終わるやいなや、時間を失わないようにコンペティションのための準備をスタートしました。

ビルディング・フォー・ヒューマニティデザイン・コンペティション(B4H-DC)は2018年から、NGOビルディング4ヒューマニティ・デザイニングそしてレコンストラクティング・コミュニティーズ・アソシエーションによって開催されています。Building 4Humanity (B4H)は、2013年のハイチ大地震ののちに建築、社会学、心理学、自然科学そしてエンジニアリングといった異なるディシプリンにおいて事業をおこなう17人の学者によってポルトガルで結成された組織です。

私が参加をしたビルディング・フォー・ヒューマニティ・デザインコンペティションの目的は、建築を社会的そして文化的なサービスとしてとらえながら、トルコのシリア国境にあるレイハンル郡のシリア人の難民の、社会参加そして統合への助けとなるという名目で、私のデザインのアイディアを発展させることでした。コンペティション賞は、ブラジルにあるゲジェコンドゥの地区に暮らして、平和を擁護し、人権を守りそして2018年にリオ・デ・ジャネイロにおける殺人事件でその命を落とした社会学者で都市の議会メンバーであるマリエル・フランコ氏に対して与えられました。フランコ氏は、ブラジルにおいて不利な状態に陥っているグループの生活の諸条件を改善するために生涯を通して建築とそして社会学者たちとプロジェクトを進めていました。

私もまたこのようにして、社会的な次元がまずは前提となっている建築コンペティション・プロジェクトを見た際には、かなり興奮をしました。都市、場所、文化といった建築そして社会的な諸要素の影響を受けた場所について思考を巡らせることそして生産をおこなうことを愛してやみません。もしも都市がその中に内包をしている人々と共に動いてゆき、常に形づくられ、そして自身を毎日新たに存在させる一つのオーガニズムとして考えれば、その場所が社会と、また別の言い方をすれば、建築が社会学との融合をさらに簡単に作り上げることができると考えています。移民たちもまた、社会的なリアリティとして都市をこの変革の間で場所を形づくることにおいて貢献をするブレークポイントという形で取り上げられることができるのです。

■「シリア人難民たちのための一時的なシェルター場所」というタイトルのあなたのプロジェクトは、シリア人の難民たちの社会的な生活にどのような貢献をもたらすのでしょうか?あなたのプロジェクトについて詳細を語ってもらえますでしょうか?

コンペティションに参加をしたプロジェクトは、実際に実現可能なプロジェクトというわけではありません。そのために、実現をするチャンスを見出すことができなかったために、難民たちの社会生活にはダイレクトな貢献を、残念ながらもたらすことはできないでしょう。しかしながら、理想的なレベルにおいて言及をしてみますと、このコンペティションは、難民たちが生き残ることができるようにするために必要な社会的そして物理的な様々な要請に対して、建築そして美学的な疑念を操りつつ返答を与えたと述べることが出来ます。

プロジェクトの場所は、ハタイ県のレイハンル郡にあります。私のプロジェクトは、およそ350メートルのあるフロアスペースを有している土地の上で、4000m四方の閉鎖空間の中で、考えることのできる、一時的な生活ユニット、そして共同キッチン、トイレ、お風呂、そして子供たちのための作業そしてアクティビティの各部屋を含んでいます。

プロジェクトの分野はモデュールとしてデザインがされながら、40人を含むことになる9つのコミティへと割り振られました。コミティは、女性たちに、老人たちに、更には家族に対してサービスを行うことのできる柔軟性において生み出されました、各コミティには、12個の生活ユニットそしてこの生活ユニットにサービスを行うことのできる共有使用領域が存在しています。コミッティ内においての出会いの可能性を、つまりは相互作用を増幅させるため生活ユニットは、一つの共有の空白域の周りに構築されました。各生活ユニットは、3×3×3 m3のモデュールシステムの理論によって、生み出された多様なスチールバリアーシステムに載せることのできるウールによって断熱された、1×3 m2’のパネルによって構築されています。

コミティの居住者たちは、屋内の領域と同様なだけ屋外空間も欲しています。この需要に対してこたえるために、全ての生活ユニットに対して、居住者の食事の需要に対して答えることのできそしてまた自身に対して余暇の場所を提供しながら、社会生活に参加できる可能性をもたらす3x3 m2’四方の緑の庭がデザインされています。緑の庭以外には、この庭において生産をおこなった収穫物を守ることができて、また洗濯物をかけられ、空いている時間には、一緒に時間を過ごすことのできる3×3 m2四方の屋外の空間が考えられました。

居住空間における水の需要には傍らに配置された水の貯水池から各コミティにおいて二つ存在している泉へと水を流しまかなっています。配置されたフィルターを通過したのちに再び使用することができます。全てのコミティにおいて4本あるプラスティックのバレルに貯蔵された雨水からもまた洗浄そして庭仕事にも生かすことができるのです。

照明そして暖房の要請に応えるため、ハタイのような陽の強い日が非常に多い県にとって、適切な太陽パネルが使用されています。太陽パネルからもたらされるエネルギーによって、照明、暖房そして暖かい水の需要にも周囲に害を与えることなく持続可能な方法によって、こたえています。

通りもまた、社会的な相互作用に貢献する場所という形でデザインがされたのです。地域において、育てられた植物である小麦から生産がされ、同時に非常に安い藁は、居住ユニットという形で使用がされるために、各通りに植えられたのです。車のタイヤそして木材を使用して子供たちのための遊び場もデザインされ、通りの生活をさらに生き生きとしたものにすることが望まれました。難民たちが土地の住民に統合することとそして家の各庭へ貢献するため、乾燥された果物や野菜を土地の住人に売ることのできる販売ユニットが、使用済みのものを交換することのできる売買ユニットとともに居住地区の入り口に備え付けられました。

■コンペティションの結果として受賞がされる各プロジェクトのために行われる評価において、どのようなクライテリアが提示されたのでしょうか?

集団居住地区において、生活ユニットの規模そして空間的クオリティ、食事そして水の配布、排水が流れ出ること、十分な屋外空間の必要性、居住者たちが、地域住人とともにそして各人が統合することができるようになることが、トップにくる問題の一つです。

コンペティションにおいては、この核問題に対して建築システムが軽量かつ再使用ができる材料から制作されることそして簡単にリサイクルができること、また持続可能であること、エコロジーなエネルギー原に基づいていて、設計された領域が自身に充分なものであるのが重要な選出のクライテリアの一つでした。更にこれらに加え、安価で耐性があって、地域の材料が使用されているということがあります。居住者たちの水そして食事の需要にこたえることができるように、影響力のある解決策を生み出すことができるようにすることは、いくつかの選出クライテリアの一つでした。

プロジェクトのその他の事件である社会的統合性のために、難民たちが変容する物理的・社会的諸条件に対して、適応できるために、そしてまた地域の住人たちから孤立することなく各人が健全なコミュニケーションのルートを構築できるようにすることもまた、主要なクライテリアだったといえます。

■あなたが獲得をした賞をどのように評価をすることを考えていらっしゃいますでしょうか?

もっと前にも述べましたように、このプロジェクトが適用される領域がありませんので、私の賞は自分の学費のために使いたいと考えています。

■こののちに、あなたのプロジェクトに関しての目標そして歩みはどのようなものになるのでしょうか?

コンペティション・プロジェクトの数々を適用することのできるチャンスを見出すことができたとしても、例えできなかったとしても世界が慣れてしまった適用の諸原則から距離をとりながら、クリエィティブな思考訓練のチャンスをもたらしてくれたため、非常に有意義なものでした。抑圧的な制限が取り除かれてしまえば、もしくは、すくなくとも柔軟性が
限界なき可能性の範囲で冒険する条件であり、しかも非常に楽しく、鍛えられるプロセスです。

私は参加できたこのコンペティションにより、このようなプロセスを試すことができて、非常に満足をしていますし、また手に入れることのできたこの体験からその他の私のプロジェクトにもまたフィードバックがあることを目標としています。

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( 翻訳者:堀谷加佳留 )
( 記事ID:51498 )