トルコ・イラン国境にアフガン難民流入防止壁
2021年08月22日付 Hurriyet 紙


アフガニスタンからやってくる移民の波に対し、トルコ・イラン国境では対策が強化された。国境線で壁の建設が急速に進む一方、壁がない場所には塹壕が掘られている。地雷の埋められている地域では除去作業が行われている。国境線で続く壁建設作業を、我々はシコルスキー・ヘリコプターで上空から確認した。上空ではシコルスキー・ヘリコプターにATAKヘリコプター2機も同行した。

タリバンのアフガニスタン支配権確保と内戦を受けて、パキスタン、イラン、トルコに向かう移民の波が始まった。この移民の発生が集中しているヴァン県のイラン国境では、対策がハイレベルに引き上げられた。組み立て式の壁と監視塔の建設作業がヴァンのイラン国境にあるチャドゥラン郡から開始され、アール県ドウバヤズト郡およびハッキャーリ県ユクセコヴァ郡の国境線まで延長されて、作業が続いている。さらに国境線で壁の建設が始まった64キロメートルの区間では、地雷除去作業が行われている。壁が建設されていない地域では、有刺鉄線と溝で対策が取られている。国境線では パトロールの数が増加する一方、援軍も派遣され任務を開始した。

■ハイレベルの対策

ヴァン県のメフメト・エミン・ビルメズ知事は、ヒュセイン・キュルシャト・クルブユク県行政総局長、軍警察テロ対策局長ヤヴズ・オズフィダン准将、アタヌル・アイドゥン県警察局長、国境連隊司令官イルケル・エルトゥールル大佐、県軍警察副司令官オスマン・デレン大佐とともに、チャルドゥラン郡のイラン国境地帯を訪れた。ビルメズ知事は、ヴァン県およびアール県の各郡のトルコ・イラン国境での組立式コンクリート壁建設作業を視察し、「最近の事態進展を受けて、他県からの援軍が、この地域で任に当たっている軍警察の支援のため派遣された。これらの部隊のうち3部隊は特殊中隊、1部隊は特殊大隊である。しかし、これらだけではなく、警察本部もこの地域に装甲車50台と35チームの人員の支援を行った。軍警察への支援と同時に、750人がこの地域に派遣された。このうち500人はチャルドゥラン郡で、250人はサライ郡で任に当たっている。軍警察も警察も国境部隊も、連携して、あらゆる技術を駆使し、無人航空機(İHA)と熱探知カメラを利用し、「国境は純潔である」という意識で任に当たっている」と述べた。

■6国境大隊

国境旅団司令官のイルケル・エルトゥールル大佐も、295キロメートルのイラン国境を6国境大隊と特殊部隊3大隊、偵察・特殊部隊の各中隊、装甲車で防衛しており、この地域に2か所の国境駐屯地の追加建設を続けていると述べた。エルトゥールル司令官は、次のように述べた。「地域で電気工学塔の設置作業を続けている。監視塔58、連絡塔45を含む地上・地下の構造の設置作業が完了し、試験運用を行っている。この地域の64キロメートル区間では3フェーズの組立式コンクリート壁の設置作業が行われている。第2フェーズの6キロメートル区間では壁の建設が完了した。第3フェーズでも、約200mの壁の建設が始まった。第1フェーズでは、地雷除去作業の後、壁の建設が始まる。要衝での壁や堀、有刺鉄線を引く作業が優先して続けられている。」

県軍警察副司令官のオスマン・デレン大佐は、「国境部隊のすぐ後ろには治安部隊や特殊部隊、そして国内治安維持部隊からなる54部隊とともに、常設の路上検問12か所、積み込み検問8か所、路上検問65か所で厳密な対策を実施している」と話した。

■28万人の不法移民

ヒュセイン・キュルシャト・クルブユク県行政総局長は、トルコ・イラン国境の不法通過を防ぐため、最も高いレベルの治安対策を発したことを明らかにし、昨年50万5,375人、今年は現在までで28万374人の不法移民がトルコに入国を試みて止められたと伝えた。クルブユク局長は、次のように話した。「242キロメートルの治安維持のための壁が計画されている。このうち156.5キロメートルは完成した。アール県には84キロメートルの国境がある。82キロメートル区間では壁の設置が完了した。今年重視した県はヴァンだ。64キロメートルに渡る作業を開始した。ハッキャーリ県には自然の障壁がある。危険性があるとみなしている40キロメートル区間の地域では壁の建設が計画された。これについても、16キロメートル区間では作業が完了した。」

■水路、堀、フェンス

「壁のない地域には、水路や堀の掘削、鉄条網の設置といった一時的な対策が取られている。この地域の部隊の数も増やされた。不法移民に対し、アール、ハッキャーリ、ヴァンの各県で、第1024特殊行動警察が任に当たっている。軍警察総司令部のチームがヴァン県の85地点で通常任務として毎日チェックを実施している。」

トルコ・イラン間の国境線では、アフガニスタンからやって来る移民に対し、国境部隊、軍警察、特殊行動部隊が24時間警戒を行っている。

国境線では、検知器による地雷除去作業も続いている。

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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:51517 )