トルコ軍20年のアフガニスタン駐屯に終止符
2021年08月27日付 Cumhuriyet 紙


アフガニスタンから撤収するトルコの兵士を乗せた飛行機の第1便が昨日アンカラに着陸した。トルコ政府は、タリバンとの会談において、“トルコを含むいかなる国の軍もアフガニスタンに駐留することを望まない”というメッセージを受け取った。

アメリカ合衆国が、9・11テロの後のアフガニスタン占領以降、アフガニスタン政府の支援のために結成した国際任務の枠組みにおいて、2002年から現在までアフガニスタンに駐留するトルコ軍の兵士が、およそ20年の任務を終えてトルコに帰還している。アメリカ合衆国のアフガニスタンからの撤退が完了した後、カーブル国際空港の治安維持を提案されていたが、アフガニスタン政府の崩壊によりこの計画が白紙となった。トルコ政府は、タリバンとの交渉において“トルコを含むいかなる国の軍もアフガニスタンに駐留することを望まない”というメッセージを受け取った。このメッセージを受け、アンカラでは、兵士の撤退を決定し、アフガニスタンから帰還するトルコ兵士の第1陣が乗った飛行機が昨日アンカラに着陸した。
トルコ政府は、タリバンが8月15日にカーブルを掌握し、アフガニスタン政府が崩壊したことと時を同じくして、カーブル・ハミド・カルザイ国際空港の治安と管理と保全を行うという提案はまだ有効であると発表した。政府はその一方、兵士の撤退の計画を立てた。フルシ・アカル国防相も「危険性が認められれば、24時間以内に撤退する」と述べた。

■タリバンから拒絶の意

得られた情報によると、タリバンがカーブルを掌握した後、トルコは、カーブル大使館をはじめとするさまざまな外交ルートを通じて何度もタリバンに連絡し、空港の安全と運営におけるトルコの兵士の支援は継続できると伝えた。しかし、タリバンはこの提案に積極的に反応せず、8月31日までにトルコに限らず国内のすべての外国軍を去らせたいと強調した。8月24日に開催された記者会見において、タリバンの報道官は、ある質問に対してトルコの兵士を国内に望んでいないと明らかにした。 同日、メヴリュト・チャヴシュオール外相は、アフガニスタンの事についてアメリカのアントニー・ブリンケン国務長官と電話会談した。米国が8月31日に軍隊の撤退が完了することについて変更はないと発表した後、トルコも軍隊をアフガニスタンから撤退させることを決定した。

■第1陣が到着

国防省は昨晩、トルコの兵士が任務を終えトルコへ帰還することを発表した。トルコ国軍は、カーブル空港に駐留する600名の人員の避難を昨日開始した。第1陣の兵士は、トルコ空軍が保有する輸送機でカーブルからパキスタンの首都イスラマバードへ飛び、トルコ航空の定期便により昨晩11時45分にアンカラ・エセンボーア空港に到着した。パキスタンに残った、アフガニスタン駐留のトルコ兵士のグループについても、数日以内に撤収が完了する見込みとなっている。アカル国防大臣も、「できるだけ早く完了することを目指している。」と述べた。アカル氏は、パキスタン、タジキスタン、トルコと地域で協力する同盟国に感謝し、「私たちの活動は、外務省や関連機関と協力して、現在の避難計画の枠内で継続している」と述べた。

■大使館は開き続ける

一方、トルコの在カーブル大使館の人員はアフガニスタンに駐在し続ける。未だ限られた人員で働いている大使館の人員の大部分は、カーブルのハミド・カルザイ空港にとどまっている。アメリカ合衆国をはじめ多くの国々がタリバンのカーブル掌握の後に大使館を閉鎖したのに対し、トルコはその道を選ばなかった。トルコの在カーブル大使館の業務は、アフガニスタンの状況が明瞭になるまで、変更が生じることは予期されていない。大使館に関する最終決定は、タリバン政権が成立した後に行われる。

メヴリュト・チャヴシュオール外相は、8月19日に行った記者会見にて、アフガニスタンでのタリバンの主導の下で形成される新政府が承認されるかどうか質問された際、大臣は、「彼らは“私たちは包摂的な政府を形成する”と言う。真に包摂的な政府が樹立されるかどうかを見極める必要がある。私たちは国際社会と協力して行動する。」と発言した。

トルコ軍の撤退の完了に伴いトルコ国軍が2002年1月16日に開始したアフガニスタンでの任務も正式に幕を下ろすこととなる。9・11テロの後のアメリカによるアフガニスタン占領の後に樹立されたアフガニスタン暫定政権への支援を確かなものとするために、国連安全保障理事会の決定により設立されたアフガニスタン国際治安支援部隊(ISAF)に貢献し、一時期指揮も執ったトルコ国軍は、国連アフガニスタン支援ミッションにも参加した。トルコ国軍はさらに、アフガニスタン軍の訓練活動も実施した。ISAF作戦が2014年に終了したのに伴い国連安全保障理事会の決定に従って開始された、NATO主導の、確固たる支援ミッションにもトルコ国軍は参加し、このミッションの範囲内でカーブル訓練・支援・諮問司令部を担当した。トルコ国軍は、確固たる支援ミッションの範囲で、6年間カーブル・ハミド・カルザイ空港の軍事部門の運用および守備サービスを提供してきた。アフガニスタン国内のトルコ国軍人員の帰還が完了するのに伴い、トルコ国軍の20年間にわたる、国際ミッションと二国間協定の枠内で継続されてきた活動も終了する。

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( 翻訳者:宮崎友裕 )
( 記事ID:51532 )