イスタンブルのコロナ状況ー再びロックダウンはありえるか?
2021年09月05日付 Milliyet 紙

イスタンブル県保健局長のケマル・メミシュオール教授は、イスタンブルでの感染者数は先週から停滞しており、10月~11月に感染者数増加が起こったとしても、ワクチン接種のおかげで、前のピーク時ほど病院に影響するような増加とはならないだろうと述べた。メミシュオール教授は、新たなロックダウンは検討していないとも述べ、「実際、世界中で見られているように、学校や移動を閉じた場合、家庭内での感染が増加する。私は、ワクチン接種の割合の増加と人々の適切な対応により、再びロックダウンをすることなくこの段階を乗り越えられるだろうと考えている」と述べた。

イスタンブル県保健局のデータによると、COVID-19のパンデミックによる感染者数と入院者数が最大に達したのは、昨年10月~12月と今年の3月~5月のピーク時だった。バイラムの直後に再び感染者数が増加したものの、ワクチン接種の影響もあり、保健システムは大きな困難なくこの状況を切り抜けた。

イスタンブル県保健局長のケマル・メミシュオール教授は、現在イスタンブルの集中治療と医療サービスにおける満床率が、COVID以外の感染も含め50%~60%で推移していると説明し、ワクチン接種と社会がこの病気に対しより順応したおかげで、大きな増加は見込まれないと述べた。

■「若者は65歳以上のグループを模範とすべき」

メミシュオール教授は、「対面での教育は前提条件だ」と述べ、「そのため、すべての子供たちが登校できるよう、あらゆる準備を行った。検査が必要な時には行えるキャパシティがある。流行が始まった時、イスタンブルの1日の合計検査可能数は2,000件台にも達していなかった。現在は1日に15万件以上のPCR検査を実施できている。

以前は、検査結果が出るまで24時間かかっていたが、現在は4~6時間以内に結果を出すことができるようになっている。そのため、教育関係者が週2回のPCR検査をいつでも行うことができる体制が整備されている。しかし我々が望むのは、これを必要とせず、すべての教員、教育関係者がワクチンを接種することだ」と述べた。

メミシュオール教授は、イスタンブルでは65歳以上のワクチン接種完了割合が91%を超えており、若者もこのグループを模範とする必要があることを指摘し、「この非常に高い割合について、この世代の人々に感謝する。若者も彼らのようになってほしい」と話した。

■「反ワクチンの医師への最大の罰は彼ら自身の意識」

メミシュオール教授は、最近ソーシャルメディアでも非常に多く話題になっている、「反ワクチン」を説く医療関係者の作り出した論争についても語り、これらの人々がインフルエンザを参考とした知識からワクチンに関する論争を作り出したと述べた。

メミシュオール教授は、「残念ながら、あらゆる業種であるように、医師の中にも教育者の間にも法律関係者の間にも、非協力的な人々もいる。これらの人々は、健康に関する知識について、インフルエンザを参考にしている。

しかし、ペニシリンを使うとき、アレルギーのリスクがあるか、アレルギーを引き起こすかもしれない、死人が出るかもしれない、というようなことを言うような知識人はいない。ワクチンも同様だ。現在、ワクチンに関して憶測する人々は、この3点を使っている。もちろんこれらの人々に罰則を科すこともできる。しかし、最大の罰は、彼らの意識とともに彼らを放っておくことである。現状、集中治療室に入院している患者の60%をワクチン未接種者が占めているのだから。

死者の中でも、80%をワクチン未接種者が占める。これらの人々のうち1人でも悪意による影響を及ぼしていたのであれば、ワクチンを受けない原因となったのであれば、彼らが集中治療を要する状態になったり、もしくはその後死亡する原因となっていれば、最大の罰は彼ら自身の意識だ。もちろん、政府も彼らに関して必要な調査を行う。しかし最終的には、ワクチンは人々が自発的に受ける必要があるものだ」と述べた。

■反ワクチン派に呼びかけ:集中治療室の患者のうち何人がワクチン未接種者か一緒に確認しよう

イスタンブル県保健局長メミシュオール教授は、ワクチンが非常に短期間で広められたとする論争にも言及し、反ワクチン派の医師たちにも呼びかけ、次のように述べた。

「非常に短期間で広げられたなどという話を作り上げているが、短期間ではなく、7~8ヶ月、1年の奮闘があったのだ、このワクチン拡大のためには。さらには、多くは新たな試みでもなかった。作業としても研究所としても、そのための基礎があった。今では、BioNTech社のワクチンにもFDAの承認が与えられ、緊急使用が認められた。

その他のワクチンに関するプロセスも進んでいる。それにも関わらずワクチンに反対する医師たちよ、集中治療に来なさい。何人がワクチンを受けていて、何人ワクチン未接種の患者がいるのかをともに確認しよう。その後表に出て説明をするといい。私はこれほど詳細に話している。」

■「ワクチンは死亡者数と集中治療を要する患者数を減少させる」

メミシュオール教授は、人々に強制的にワクチンを接種させることはないが、ワクチンを受けていない場合他の人にも感染させる危険性がある点について、他の人を守ることも政府の任務にあると強調し、「流行がいつ終わるかは誰にも分らない。しかし、今次のことがわかっている。動きには波があり、この流行による死亡率も集中治療を要する割合も医師の受け持つ患者数も、最も減少させたのはワクチンであり、これは証明されている。

これ以外に、もしあなたが個人的にマスクと距離の条件に注意すれば、人々が集まる場所でも自分を守ることができ、感染しない。イスタンブルでこの15日間、感染者数と入院患者数は減速している。9月~10月には、人々の行動とワクチン接種が広がるっており、これらの月に感染者数が増加したとしても、過去と同様に非常に高い流行が起こるとは私は考えていない。しかし増加したとしても、ワクチン接種と強力な保健システムのおかげで、そして人々の適切な行動によって、容易に制御できると考えている」と述べた。

■「学校の再閉鎖は考えていない」

メミシュオール教授は、新たな学校閉鎖は検討されていないと強調し、次のように続けた。「流行の初期に感染者数がピークとなったとき、世界のいくつかの先進国で人々が街路で治療を受ける一方、イスタンブルのような大都市で患者は一切被害を受けなかった。ワクチン接種がまだ行われておらず、病気に新たに気づいた当時でさえ、治療を受けられずにとり残される人はいなかった。我々はこの形で再び閉鎖を行うことを考えておらず、それを希望しつつ進み続けている。

世界でも、学校の再閉鎖が今後取り沙汰されるとは考えていない。室内でも人々が注意し、換気が適切に行われていれば、閉鎖は想定していない。我々は人々の状態を改善し、人々の利益となるために働いている。

医師や看護師、保健職員、運転手から清掃業者に至るまで、または研究室の人々に、この社会は本当にとても大きな借りがある。特に、暴力事件から社会が保健関係者を守ることを望んでいる。」

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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:51550 )