地球温暖化、トルコを含むG20諸国への衝撃の影響
2021年10月29日付 Milliyet 紙

CMCC(欧州・地中海気候変動センター)気候レポートによると、温室効果ガス排出量が削減されない場合、G20諸国で30年以内に気候危機が頻発するということだ。

イタリア主導の気候変動に関する調査センター、またIPCC(気候変動政府間パネル)の国際重点拠点である欧州・地中海気候変動センター(CMCC)が発表した「G20気候変動地図」というタイトルのレポートによると、世界で最も豊かな経済圏は30年以内に乾燥、火災、熱波、水害などにより混乱する可能性があるとのことだ。最も高いリスクに晒されているのは農業・観光・水産業セクターで、2050年までに国内総生産の13%に及ぶ損失が予想されるとのことだ。

レポートによると、排出量が多いシナリオでは、ヨーロッパは極端な高温による死者が2100年には2700人から90000人に増加する可能性がある。2050年にかけて、漁獲量はインドネシアで5分の1に低下する。海面上昇により、沿岸部の建物は30年以内に消失する。G20諸国はドイツ、アメリカ、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、中国、インドネシア、フランス、南アフリカ、韓国、インド、英国、イタリア、日本、カナダ、メキシコ、ロシア、サウジアラビア、トルコ、EUから成る。

■砂浜が減少し火災が増加

レポートではG20の全ての国についてそれぞれのシナリオと分析がなされている。CMCCのレポートでは、トルコに関するシナリオとして以下のような記述がある。

高排出シナリオでは、2050年までにトルコは歳入の2%を失う可能性がある。

砂で覆われた海岸は2050年までに23メートル後退し、観光業に影響する可能性がある。

4℃上昇のシナリオでは、夏日の日数は現在と比べて2036年〜2065年の間で42日増加する。

トルコでは、気温上昇に伴って麦・サトウダイコンの収穫量が増加する。

農業セクターでは、水の必要量が2050年までに44〜47%増加することが見込まれ、収穫量の減少は必然だ。

4℃上昇のシナリオでは、2036年〜2065年の間で干ばつの頻度が88%増加し、一方2℃上昇のシナリオでは増加幅は58%にまで落ちる可能性がある。

トルコで火災により焼失する面積は、高排出シナリオでは2050年までに718平方キロメートルに増加する。

■より野心的な歩み

世界にとって最大の脅威となっている人間活動に由来する気候変動への対策として新しい取り組みの発表が期待されているCOP26が、スコットランド・グラスゴーで開催される。目前に迫っているCOP26では、気候危機への対策として、温室効果ガスの排出により大きな責任を負う先進国がより野心的な歩みと資金提供を行うことが期待されている。

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( 翻訳者:神谷亮平 )
( 記事ID:51769 )