関係改善へ、エルドアンのサウジ訪問
2022年01月05日付 Cumhuriyet 紙

トルコ政府は、サウジアラビア政府のトルコ製品に対する禁輸措置を撤廃するために、長期間にわたり尽力してきた。エルドアン大統領は二国間における関係に関して話し合うため、4年ぶりにサウジアラビアを訪問する予定である。

エルドアン大統領は、サウジアラビアの新聞記者であったジャマル・カショギ氏が2018年にイスタンブルで殺害されてから現在までで初めてサウジアラビアを訪問する。大統領の訪問の主な議題は、トルコ製品に対する非公式な禁輸措置である。

エルドアン大統領は、前日にイスタンブルで開かれたトルコの2021年の対外貿易データが発表されたトルコ輸出業者会議の集会の出口で、「大統領、サウジアラビアへの輸出問題の解決を待っています。3千万ドルを約束します。私も自分の名をかけて戦います」と声をかけた実業家に対し、「サウジアラビアは2月に私を待っていると約束した。私も2月にサウジアラビアを訪問する予定だ」と答えた。このように、公式な計画は明らかになっていないが、大統領は個人的に、4年ぶりにサウジアラビアを訪問する予定であると話した。

大統領は、2017年7月24日に湾岸諸国歴訪の中でサウジアラビアを訪れ、湾岸諸国がカタールに適用し始めた国交断絶の開始による危機の解決についての協議をおこなったが、それが最後の訪問となっていた。同時期に発生した両政府間の関係は、カショギ氏がイスタンブルのサウジアラビア総領事館で殺害されて以降、悪化していた。公式適用ではないとされているサウジアラビアの禁輸措置を撤廃するためにトルコは長期間にわたり尽力してきた。禁輸措置は、対外輸出データにも影響を及ぼしている。トルコ輸出業者会議のデータによると2019年に32億ドル、2020年でも24億ドルだったトルコからサウジアラビアへの輸出額は、2021年にはおよそ92%減少し、1億8千6百万円となった。この過程で、サウジアラビアからトルコへの観光客数も大幅に減少した。

■良好な兆し

昨年の年初には、カタールへ適用されていた国交断絶の撤廃とともにトルコ・サウジ両政府の関係においても良好な兆しが見られていた。トルコが「サウジアラビアとの関係を改善しない理由はなく、彼らが前向きな一歩を踏み出すのなら、私たちも前向きな一歩を踏み出す」とのメッセージを発したあと、エルドアン大統領は5月4日にサウジアラビアのサルマン国王と電話会談を行なった。会談ののち、5月11日にメヴルト・チャヴシュオール外相がリヤドを訪問した。7月16日には、ウズベキスタンの首都タシュケントで開催された「中央・南アジア」に関する会議の範囲内で、サウジアラビアのファイサル・ビン・ファルハーン外相と会談を行なった。エルドアン大統領と、翌日カタールの首都ドーハを訪れたサウジアラビア皇太子の会談は予想に反し実現しなかった。ロイター通信は、トルコの当局者に基づいたニュースで、二人の予定が合わなかったためと述べた。Cumhuriyetが得た情報では、昨日の時点で、チャヴシュオール外相のサウジアラビア訪問に関する情報は見つからなかった。

■公聴会は2月24日に

一方で、アメリカのウォール・ストリート・ジャーナル紙は、サウジアラビアのサルマン皇太子がエルドアン大統領にカショギ氏殺害を議題に持ち込まないよう約束するよう求めたと報道した。報道では、「トルコが危機の際には経済の救世主を探している」という大統領の文言も含まれていた。カショギ氏殺害に関して、イスタンブル第11重罪裁判所で26人の逃亡したサウジアラビア人の容疑者の不在のもと行なわれた裁判の新しい公聴会は2月24日に開かれる予定だ。

■ギリシャ外相はトルコをターゲットに

サウジアラビアのファイサル・ビン・ファルハーン外相は、昨日ギリシャ政府との接触の一環として、ニコス・デンディアス外相と会談した。BBCのニュースによると、会談では二国間関係だけでなく東地中海に関しても議論されました。ニュースによると、デンディアス外相は会談後に行なった会見で、ギリシャが戦争の脅威に晒されていることを主張した。「トルコは当該地域において今まで見られないような攻撃的な政策を行なっており、事実を意図的に曲解している」と主張した。サウジ外相は彼らとギリシャ両者が地域の平和と安定を維持するために国際法を尊重すると述べた。

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( 翻訳者:瀬戸慈弘 )
( 記事ID:52106 )