イラン供給停止、天然ガス危機拡大
2022年01月24日付 Cumhuriyet 紙

電力の使用制限は、食糧生産から重工業まで全ての分野に影響するだろう。供給のチェーンは壊れ、生産は停止し、請求書はまた人々に切られるだろう。

イランの技術的な欠陥が原因でトルコに供給される天然ガスの停止後に始まったエネルギー危機は徐々に拡大している。トルコ電力株式会社は、イランの供給停止を理由として、最初に工場の天然ガスの使用を40%制限した。この最終決定によって、今日から産業プラントで電力の使用制限が適用される予定である。国の工業生産を少なくとも3日間完全に停止させることになった。使用制限は、産業プラント以外の施設でも適用されると言われている。

電力の使用制限は、基本食品の生産を筆頭に自動車生産から繊維生産まで、生産において継続性が必要な鉄鋼までと、全ての重工業分野に影響を及ぼすだろう。

電力の使用制限が、食品価格を上昇させると心配される中、業界の代表者たちは免除を要求した。使用制限が原因で再び農家が犠牲になるだろう。農家から毎日生乳を買い操業している牛乳工場が牛乳を生産できなくなるだろう。このため、生産者から牛乳を買えなくなるだろう。

■食品価格に反映するだろう

ビルギュン紙のハッヴァ・ギュムシュカヤ記者の記事によると、スパゲッティ生産者協会のアブドゥルカディル・キュラフチュオール会長がこの決定を早急に検討する必要があると注意を引いた。特に、食品生産が電力使用制限から除外される必要があると述べたキュラフチュオール会長は、「3日間は、深刻な生産の損失の原因となる。供給チェーンの崩壊が起こるだろう。このことも[販売店の]棚で商品を見つけることを困難にするだろう。」と述べた。

3日間の使用制限が支出をより増加させると強調したキュラフチュオール会長は、「食品価格に反映するだろう。労働者は職場に来るし、他の支出はそのままであるが、生産することはできない。なぜこのような状態になったのか理解するのはとても困難である。私たちは、あらゆる関係機関組織と話をしているが、なぜこのような使用制限が必要かということに関して回答を得られなかった。消費者と生産者双方にとって早急に解決に至らなければならない。」と述べた。 キュラフチュオール会長は、さらに省と折衝中と述べた。

■あらゆる損失は事業者の責任

ブルサ産業プラント局はこの問題に関して産業プラント参加者に通知を送付し、次のように書いていた。

「使用制限期間内に御社が照明をつけ安全業務を実施するのは御社につながる電線にて可能となる。しかし、電力が生産目的で使用されたならば、御社につながる線のエネルギーは止められ、同じ線からエネルギーを得ている別の企業が犠牲を被る原因となり、制限期間内の間は再び電力が供給されることはない。これを原因とするあらゆる損失と損害は規則に沿わない事業者の責任となる。」

■エネルギーの国外依存

では、イランの天然ガス供給停止がなぜ危機を生むのか。

トルコの天然ガス輸入においてイランは、ロシア、アゼルバイジャンについで三番目にあたる。

トルコの基本エネルギー消費の国外依存度は、2000年代に67%であったが、2020年には74%に上昇した。このため国外で発生した障害は国内で危機を生む。

さらにエネルギー輸出に支払われる金額は絶えず増加している。機械技師会議所のトルコのエネルギー推移報告によると、Covid-19のために需要の増加が起こらず、エネルギー原料の輸入は2020年に30%減少して280億ドル近辺となっていた。しかし、2021年に石油、天然ガス、石炭価格が急上昇傾向となり、この年最初の9ヶ月間で315億ドルを越える輸入原料価格支払いへと上昇し、[最終的に]400億ドルを越えると推測されている。

一方で、2020年の電力需要の43%は輸入で、57%は国内で賄われた。

■生産、発電設備容量ほど増えず

ここ数年、発電所では予備電力の容量が大いに増した。発電設備容量は、2010年から2020年までに年平均で7.2%上昇した。最も上昇したのは12.2%で2013年であった。この時期に総発電設備容量は1.94倍となる中、総生産は1.45倍となった。機械技師会議所の報告書では、トルコの発電設備容量は総じて新規の施設によるものと言われている。2020年末時点で総発電設備容量の48.4%は10年以内の施設によるものである。これほど新規の建設からなる生産施設がなぜかなり低い発電能力であるのかを説明する必要があると報告書は注意を促している。

ここ近年では電力提供で支障が生じた場合、公共の発電所が別の燃料を使って操業を行い、生産を継続するものと考えられてきた。しかしトルコではここのところ電力生産のほぼすべてが民間によって運営されている。電力生産において公共部門の割合は1984年で87.2%である一方、2020年には18.1%に減少している。

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( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:52284 )