全国的な大雪、干ばつの解消につながるか?
2022年01月28日付 Milliyet 紙


トルコの大部分を襲った激しい降雪が、干ばつの影響を抑えることができると評価した専門家らは、「しかしながら、耕作地に好影響をもたらすには、数回の降雪が必要だ」と述べている。

ボアジチ大学気候変動・政策センター運営委員会のメンバーであるムラト・トゥルケシュ博士は、トルコ全土で数日間猛威を振るった降雪の干ばつに対する効果を評価し、降雪が干ばつの影響を和らげるだろうと見解を述べた。その一方で、同センター長のレヴェント・クルナズ博士は、「農地の貯水量を増加させる。耕作地域の干ばつに好影響をもたらすには、このような降雪がさらに数回必要だ」と述べた。

■「良い影響があるだろう」

世界で気候変動が最も影響する地域の一つである地中海盆地に位置するトルコでは、干ばつの危険性が日を追うごとに高まっている。では、先週トルコ全土で猛威を振るった降雪は、干ばつにどのように作用するのだろうか? 専門家らは、降った雪が干ばつに影響したか否かを、Millet紙に語った。

ボアジチ大学気候政策研究センター長のレヴェント・クルナズ博士は、「1日、2日の降雪が干ばつに対し直接影響することはない。この降雪が、3月末まで一定の間隔で続いた場合は、干ばつに対し良い影響を与えるといえるだろう。しかしながら、この降雪は農地に非常に大きな利益をもたらすと言ってよい。農地の貯水量を増加させるからだ。特にイスタンブルを考えると、イスタンブルでは2日間激しく雪が降り、止んだ。耕作地域の干ばつに影響するには、このような降雪がもう数回必要だ。今週末雪が降り、来週も2回振るならば、降雪の効果が期待できるだろう」と述べた。

ボアジチ大学気候変動政策センター運営委員会のメンバーであるムラト・トゥルケシュ博士は、「今回の大雪は、農地、土壌水分、地下貯水の観点から重要だ。ここ3年間はトルコの特に南東アナトリアとアナトリア地方の冬の降雪にも関わらず、依然として干ばつの深刻な影響がある。この降雪は干ばつを完全に解消するものではなかったとしても、影響を和らげるものだろう。特に広範囲に影響を及ぼした地域的降雪が効果的だろう。春になって雪が次第に解ければ、耕作地の土壌水分や、川、湖の観点から、非常に重要な効果をもたらすだろう。今後数週間のうちに再び雪が降るだろう。この降雪も、中央アナトリア、南東アナトリア、東アナトリア地方において干ばつの影響をやわらげるだろう」と話した。

■「ダムの水が6~7%増加する」

CNNトルコの気象解説員であるオルハン・シェン博士は、次のようなデータを示した。「トルコでは依然として深刻な干ばつが問題となっており、この干ばつは1日、2日の降雪では残念ながら解消しない。しかしながら、この降雪は貯水の観点から効果がある。地下水やダムの水にも良い影響を与えるだろう。マルマラ地方にあるダムの貯水率は6~7%増加するだろう。干ばつの主な原因は気象学的な干ばつであり、この原因は降水量の減少である。

降水量が総平均に達している必要があり、5-10年に渡ってこのような総平均を維持できれば、干ばつに対する解決策となる。そして、『干ばつは終わった』と言うことができる。しかしながら、トルコの全国的な降水量は平均を下回っている。イスタンブルの降雪が人々に良い天候をもたらしても、降水量は平均以下である。『雪、雨が降り干ばつが終わった』と言うのは正しくない。総平均とこの降雪の継続が注目される。」

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( 翻訳者:関口ひなた )
( 記事ID:52327 )