カタール資本の銀行、従業員に公式インフレ率以下のベースアップ
2022年01月31日付 Cumhuriyet 紙

民間銀行の2022年のベースアップは、33%から45%の間であった。為替の変動が原因で損失が出たと発表したカタール資本のアルタナティフ銀行は20%にとどまった。

経済で大きな動揺が生じ、トルコリラが約100%価値を失い、微小なものから一切のものの値段が上がった2021年に、勤労者の目は、賃金に起こるはずのベースアップに向けられた。最も重要な指標である月額最低賃金が50%増額して4250リラ(約3万6392円)と発表されたことで、官公庁、民間企業、金融機関は勤労者に対して行うベースアップを発表した。

民間銀行の2022年のベースアップが明らかになった。月額最低賃金の上昇とともにベースアップが33%から45%の間で実現した。しかし、入手した情報によると、1つの銀行を除いてである。カタール資本のアルタナティフ銀行は、勤労者に20%にさえも満たないベースアップを行った。

公正発展党政権が「兄弟国」として唱え、多くの投資によってトルコに参入したカタールは、2013年にアナトリア・グループが所有するアルタナティフ銀行を6億8千万ドルで全面的に買収した。カタール商業銀行が保有することとなったアルタナティフ銀行が行ったベースアップの率は、月額最低賃金によって勤労者に対して行われるべき40%のベースアップを考慮すると、15%のベースアップである。

千人近くの従業員が大きな失望を感じ、銀行業界ではもはや慣例となった賞与制も今年は適用しないと発表され、公式のインフレ率(注)さえも下回るこれほど低いベースアップの原因は何か。その判断は興味深い。

先週、銀行の所有者であるカタール商業銀行のCEOジョセフ・アブラハムは、ブルームバーグに発表を行い、トルコで起こった政策金利と為替の騒乱に対処するのが困難であったと述べた。アブラハムCEOは、為替変動が原因で2億7500万ドルの損失を出し、これを対応することが困難であると述べた。また、トルコで合併や買収に関する希望はないと述べた。

トルコが投資の点で最も多くの希望を繋いでいる国であるカタールの、最も重要な金融機関のアブラハムCEOは、「トルコとは国同士、投資先としてもつながっている。」と発言したとしても、当銀行は投資の点で余り幸せでないことは明らかである。トルコに参入した時期に投資拡大を計画していた銀行が、この後どのような対応をするのかは定かでない。しかし、銀行の最も重要な要素である人的資源に彼らが下した判断も興味深い。

「銀行は損失を勤労者の賃金から補填することを決定した。」

損失を勤労者はどのように補填するのかは明らかではない。

■銀行のベースアップ率

アナトリア銀行42%、フィバ銀行45%、アク銀行36~41%、ガランティ銀行36%、公的銀行30%、ING33%.

(注)トルコ統計局の発表によると、トルコは2021年に年間で消費者物価で36.08%、生産者物価で79.89%のインフレ率を記録した。

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( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:52383 )