米国で再生医療を研究するオズディンレル博士、脳細胞の再生で受賞
2022年02月06日付 Cumhuriyet 紙


米国ノースウェスタン大学筋萎縮性側索硬化症(ALS)研究センターのハンデ・オズディンレル博士は、最も優れた発見をした10人の研究者に選ばれた。死んだ脳神経細胞を再生したオズディンレル博士は、この研究を始めたきっかけは脳出血によって亡くなった弟であったことを語った。

最も優れた10人の研究者の一人に選ばれたハンデ・オズディンレル博士は、死んだ脳細胞の再生に成功した。米国における彼女の受賞は世界中から注目されることとなった。

オズディンレル博士は、自分がここまで来られたのは若くして亡くなった弟のおかげだと語った。

ハベルテュルクに掲載された記事によれば、オズディンレル博士は次のように語った。「〔弟は〕突然脳出血を起こし亡くなりました。私たち家族は打ちひしがれましたし、私も脳に関してほとんど何も知りませんでした。博士課程のためにアメリカに行きましたが、弟が亡くならなかったら植物バイオテクノロジーを学んでいたかもしれません。博士課程3年目だったにもかかわらず、研究テーマを完全に変更し、神経科学の分野に進みました。」

「ものすごく勉強しました。ハーバード大学の神経医療学科に進み、そこで教員になりました。脳について学べば弟を生き返らせることができるような、彼のために私ができることのような気がしていました。」

■筋萎縮性側索硬化症(ALS)、原発性側索硬化症(PLS)、アルツハイマー病、脳出血に対する治療法となるか
筋萎縮性側索硬化症(ALS)、原発性側索硬化症(PLS)、アルツハイマー病、脳出血に有効と見られている薬は、動物実験に成功している。

オズディンレル博士はこう語った。「特にALSは〔治療が〕極めて難しい病気です。患者は実に、少しずつ人間としての資質を失ていきます。脳の運動ニューロンが『もうこの仕事を続けるのは無理だ、私はもう死ぬ』と決めると、細胞死が加速していきます。」

■死んだ運動ニューロンが60日で再生
オズディンレル博士が発見しNU9と名付けた化学物質は、死んだ運動ニューロンを60日で再生した。彼女はこう語った。

「〔研究における〕発見が臨床の段階に移行するまでには長い時間がかかります。私たちは今、それを終わらせる段階にいます。おそらく、あと2~3年の間には終わらせられると思います。10年以内には治療に使えるようになるでしょう。」

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( 翻訳者:今城尚彦 )
( 記事ID:52474 )