国営の学生寮足りず、学生たちは教団系の寮へ
2022年02月09日付 Cumhuriyet紙



公正発展党(AKP)政権は、〔深刻化している〕学生寮の不足に十分な手を打てていない。この状況は〔教団系の寮で自殺した〕エネス・カラのような若者たちを自殺に追い込むだけでなく、子供の人生に影を落としている。本紙は学生寮の問題を調査した。浮かび上がったのは、学生たちが協会・財団系の寮に通わざるを得なくなっているという恐ろしい構図だった。


教団系の学生寮は、〔教団の〕収入源であり組織基盤であり、人員収集の場所である。医学生のエネス・カラが自殺した事件や、コンピューター・エンジニアリングを学ぶメフメト・サーミー・トゥールルが厨房の職員によって首を切られ殺害された事件が発生したことで、こうした教団系の寮は再び議論の的となった。

奨学金・寮施設総局(KYK)から住居の支援を受けられない学生たちは、教団系の学生寮に住むことを余儀なくされている。2006年、ジェマート系・教団系の組織も含まれる協会・財団系の学生寮の数はトルコ全体で1723だったのに対し、2021年には3,331にまで増加した。その一方で、国営の寮も同じ割合で増えているわけではない。この問題の解決に向けた話合いが進む中、「教団系の寮を調査すべき」という人民の民主主義党(HDP)の提案は先月、大国民議会にて公正発展党(AKP)および民族主義者行動党(MHP)によって却下されていた。

■「癌の治療をすべき」
教育・科学関係者労働組合(Eğitim-İş)のカデム・オズバイ会長はこの件について「学生寮に対する需要を〔国が〕完全にまかなえるよう、政府は早急かつ確実な一歩を踏み出さねばなりません。この癌に対する治療法はこれ以外にないのです」と述べた。オズバイ会長によれば、自殺・子供の搾取・強姦・殺人といったニュースとともに、ここ数年で教団やジェマート系の学生寮がもっている本当の顔が明るみに出てきたという。特に村落部の学校が閉鎖されたことで、子供たちは小さいうちから学生寮に住むようになったという。

■学生寮の数が足りない
「現代的な生活を支える協会」の会長アイシェ・ユクセル教授は以下のように提言した。「村落部に暮らすこうした子供たちのため、国営の学生寮が作られるべきです。教団、ジェマートのような組織が運営する学生寮を許可するべきではありません。したがって国は、学生寮に関する法律を改正するべきです。現代的で科学的、かつ普遍的な価値を基礎に置くべきなのです。」新規に大学の開設を検討している県ないし郡では、事前に十分な数の学生寮があるかどうかを調べる必要があると述べるユクセル教授は、「もし該当地域に十分な寮のキャパシティーがないのなら、そこに高等教育機関を設置することは大きな過ちとなります」と指摘した。

■選択肢がない
教育・科学関係者労働組合のカデム・オズバイ会長は、我が国の憲法に従い教育が無償で提供されなければならず、〔学生たちの〕住居もその一部であると述べたうえで、次のように述べた。

「この領域が空白になることで、福祉国家の原則がゴミと化しています。奨学金・寮施設総局が運営する学生寮の不足により、経済的に余裕のある学生は私立の学生寮に、貧しい家庭の子供たちは協会・財団系の寮に追いやられています。学びたくても家族が貧しく田舎に住んでいる子供たちを、国がわざと残している空白で、教団は手ぐすね引いて待ち構えているのです。

■監査は必須
イスタンブル広域市議会のナズィーフェ・フィゲン・カラハン議員も、以下のようにコメントした。「教団およびジェマート系の寮が増えている状況によって、監査も難しくなっています。監査が入らない組織は安全ではありません。これは国が調査しなければならない最重要の問題です。」

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(翻訳者:今城尚彦)
(記事ID:52491)