中東の女性作家の台頭―近年活躍するアラブ世界の女性作家10人
2019年11月02日付 Yeni Safak紙


ここ最近アラブ世界の女性作家たちが、その獲得した様々な賞とともに名声を得始めるようになった。オマーン出身のジョハ・アルハーシ氏が、マン・ブッカー賞を獲得した。今年の国際アラブ小説賞はレバノン出身ンのホダ・バラカト氏が獲得した。中東出身の作家たちの台頭において、女性たちが台頭することになったことの背景には、社会学的、文化的、歴史的そしてさらに多くの理由を挙げることができる。この分析に入る前に10人の女性作家をあなたのために取り上げてみた。

世界文学といえば、普通脳裏には英語、フランス、ロシアそしてドイツ文学が思い浮かぶものだった。しかしながらグローバル化をする世界では、東洋の強力な作家たちもまた、自分自身の場所を見出している。各国における紛争そして、不安定な状況から逃れる文学者たちが英語で執筆した小説そして物語は国際的な規模で開催される文学賞から各賞とともに戻り始めた。女性作家たちもまた、毎年増える数と共に、この列に加わった。最も力強い作品が、困難な時に現れたということが鑑みられれば、戦争そして難民によって攪拌された中東から、世界を揺るがす女性のペンが現れ出るということも、全く驚きではない。オマーンの女性作家であるジョハ・アルハーシ氏が、最も高名な文学賞の一つであるマン・ブッカー賞を獲得した最初のアラビア語の作家となった。アラビア語文学の「マン・ブッカー賞」として位置づけられている国際アラビア語小説賞のロングリストへは、2019年に7人の女性作家が入った。これは現在に至るまでの賞の歴史における最大の数となった。この候補作品の間の第一位はレバノン出身のホダ・バラカト氏が受賞をした。かつては、自身の国における各種の問題については一人のオリエンタリストの眼差しで物語っていた女性作家たちは、ポピュラリティを獲得する中で、今日においてはリアリスト作家の名前で言及をされるようになった。また、とりわけ近年に前面に出ている何十人もの女性作家たちから、あなたたちのために10人を選んでみた。オマーン出身のジョハ・アルハーシ、レバノン出身のホダ・バラカト氏、イラクのイナーム・カチャチ氏、パレスチナ人のサハール・ハリーフェ氏、イラン人のアーザル・ナフィースィー氏、エジプトのレイラ・スリマニ氏、イェメン人のブシュラ・マクターリ氏、エジプト人のアーダフ・スエイフ氏、サウジアラビア人のオマイマ・アブドゥッラー・アルカーミス氏、そしてシリア人のシャフラ・ウジャイル氏を簡潔に紹介しよう。


■奴隷の家族の物語

オマーン出身のジョハ・アルハーシ氏は、世界で最も栄誉ある文学賞のひとつであるマン・ブッカー賞を『星々』というタイトルの小説で受賞をした。アルハーシ氏はその小説を、1970年にオマーンで奴隷が違法であると宣言されたのちに、奴隷取引で財をなしている商人の家族の過去を物語っている。
作家は、とりわけ家族の3人の子供であるマッヤ、アスマそしてカッラーの人生へ、そして運命にフォーカスをしている。オマーンのアル・アワーフ村の典型的なある砂漠の王家の一家のマスカットへの移動を3世代に渡って物語っている小説は、アラビア語そして文化に関連して繰り返されるクリシェを完全にひっくり返してしまう。2019年に国際アラビア小説賞を受賞したレバノン人作家のホダ・バラカト氏の書籍は、「ザ・ナイト・メール」というかつての居場所から追い出された人々について語っている。バラカト氏の物語がこのレベルの成功を収めた理由は、難民たちを「聖人」または「罪人」としてはみなしていないからだろう。作家の小説は、それまで慣れ親しんでいたありとあらゆることを失ってしまった人々に起こる変化を描いている。
「アラビア語の読み手たちのために私はアラビア語で執筆をおこないます。」と語っているバラカト氏は、その作品において、レバノン内戦、トラウマそして移民といったテーマに重点を置いている。

■パレスチナとエジプトを描く

エジプト人作家は、政治そして文化解説者で、大英博物館の役員であるアーダフ・スエイフ氏は我が国では『愛の地図(英題:Map of the Love)』という書籍で知られている。マン・ブッカー賞のためにショートリストにノミネートした小説では1900年代のエジプトから今日へ、ニューヨークからカイロへの二つの異なる文化を邂逅させ、その衝突が取り上げられている。スエイフ氏は、2011年のエジプト革命の動向を近くで追い、その日々を『カイロ:私の都市、私たちの革命』という書籍にまとめ上げた。パレスチナ問題に対しての高い関心によって知られる作家はただエジプトの政治についてだけではなく、パレスチナをテーマにした小説もまた執筆をおこなった。2008年に創設チェアマンとなった初のパレスチナ文学賞をスタートさせた。そして2010年にマフムト・デルヴィシュ賞を受賞した。政治そして文化についての記事をガーディアン紙に掲載をしたアーダス・スエイフ氏は、ロンドンそしてカイロでの生活を続けている。スエイエフ氏は、ガーディアン紙において最新の記事を執筆している。

■世界のあらゆる場所への離散

イラク出身のイナーム・カチャチ氏もまた、最近の最もポピュラーな作家のうちの一人である。バグダットで生まれて、生まれで成長をした作家は、1979年にパリに引っ越した。カチャチ氏は、『アメリカ人の孫』という小説によって国際アラビア小説賞の候補にノミネートされた。しかしながら彼女の諸作品のうちでは、『タシャリ』が有名だ。この小説は2014年に候補となった。タシャリは、1950年代の南イラクの農村部で働いているある女性医師の人生の物語から始まり、最近10年間にイラクから追い出された人々の悲劇に焦点を当てている、小説のタイトルは猟銃を発射した際に周囲に散らばる破片という意味であり、イラクの方言であるタシャリという単語からとっている。カチャチ氏は、小説そして物語の作家業以外に、声を上げるドキュメンタリーの撮影をおこなった、そして未だにアル=シャルク・アル=アウサットといった新聞においてコラムの執筆をおこなっている。シリア出身の作家であるシャフラ・ウジャイリ氏は、2019年の国際アラビア語小説賞のショートリストで『サマー・ウィズ・エネミー』というタイトルの小説でノミネートした。ウジャイリ氏は、小説において、国で起こっている紛争から逃れるラメースの物語にスポットを当てている。ドイツで生活を続けている若い作家は、また執筆した物語において数多くの賞を受賞した。ウジャイリ氏は、シリアから離れたその他の作家たちのように、国で起こった参事、難民、そして祖国への郷愁の念を小説そして物語の仕事の中心に据えている。

■テヘランをアメリカの視点で執筆

1997年から今まで、アメリカで生活を続けたイラン出身の作家であるアーザル・ナフィースィー氏は、『テヘランでロリータを読む』というタイトルの小説によって知られている。本は、ザ・タイムス紙の『この10年で最高の本100冊』のうちの一冊に選出された。ニューヨーク・タイムス紙で最も売られたリストに117週以上残り、32言語へ翻訳された。トルコで出版された小説ではイスラーム革命以後に、スカーフを纏わなかったためにテヘラン大学への入学の門を閉ざされたある女子学生について物語っている。しかしながらナフィスィ氏は、アメリカの「テロに対しての紛争」という名目でおこなった国際的な統治の主張における暴力をたたえる視点を提示しているのである。ナフィスィ氏は、更にのちにペンをとったすべての小説で同じ視点を提示した。パレスチナ出身のサハール・ハリーフェ氏は、現在に至るまでに数多くの賞を受賞した。イタリアではアルベルト・モラヴィア賞を、スペインでは、セルバンテス賞そしてエジプトではナギーブ・マフフーズ賞といった数多くの国際賞を受賞した。世界で最も知られたパレスチナ人作家であるハリーフェ氏は現在に至るまで9作の小説を出版した。トルコ語で翻訳された小説の中には『エルサレムの日記』がある。作家は、小説では、主に占領下にあるパレスチナにおける日々の生活、そしてアラブア人女性たちの社会における位置について取り上げている。

■フランス語紹介の任務を与えられた

ファスル・レイラ・スリマーニ氏は、2016年に出版された第二作の小説である『ホシュ・ナーメ』によってフランスで最も栄誉ある賞であるゴンクール賞を受賞した。実際に起こった物語に基づいている書籍は、乳母によって殺害された二人の子供の物語を取り上げている。スリマン氏は、その内容さらにはスタイルの観点から「ハード」であるこの小説において、結婚をしている一人の女性であることを、フランスの中流階級の生活そして母親であることへの問いを投げかけている。フランスで生活を続けているスリマーニに対して2017年にフランス大統領のエマニュエル・マクロンによってフランス語と文化紹介の任務を与えられた。スリマン氏がこの任務を認めたこと、さらにはその仕事においてただフランス文化を反映させることは、アラブ文学界において批判がなされた。イェメン出身のブシュラ・アル・マクタリ氏は、「忘れ去られたある戦争が壊した国々の声」というタイトルの小説によってカタールで開催されたカタール文学賞で最高小説賞を受賞した。マクタリ氏の書籍では、イェメンで続いている紛争の犠牲者たちの物語をアジテートすることなくリアリストな言語によって物語ることに成功をしている。サウジアラビア出身の作家であるオマイマ・アブドゥッラー・アルカーミス氏は、ここ最近、その名前が頻繁に言及される小説家の一人である。2018年に『ヴォヤージ・オブ・ザ・クレーンズ・イン・ザ・シティーズ・オブ・アガテ』というタイトルの書籍はナグイブ・・マフフォーズ・文学賞を受賞した。小説は、バグダットからエルサレムへ、カイロからグラナダへ旅行をするある本屋の旅行者の物語だ。エル・ハミス氏は、エラフ新聞の毎週のコラムを執筆している。

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(翻訳者:堀谷加佳留)
(記事ID:52639)