トルコ人学生攻撃の瞬間を語る
2022年03月01日付 Milliyet 紙


ロシアが侵攻したウクライナのハルキウに友人のエズギ・テュルクオールと共に閉じ込められた大学生のメルヴェ・ブーセ・デヴェリは、恐怖の瞬間を語った。映像中継中に近くに落下した爆弾の音に怯えるデヴェリは、「必要最低限の物品を揃えられません。すでに恐怖を超えた何かになっています。命の保証はありません」と述べた。

ロシアが侵攻を開始したウクライナから脱出できないトルコ国民たちは、それぞれことなるルートで退避をしている。しかしながら、攻撃が続いている地域において退避を待つトルコ人たちもいる。ハルキウで自分とおなじ大学生の友人、エズギ・テュルクオール(22)と共に閉じ込められているメルヴェ・ブーセ・デヴェリ(23)は、映像中継で攻撃下での恐怖を涙ながらに語った。

■「誰もが準備不足のうちにとらわれてしまった」
退避を待つ2人の学生は、話の途中に近くに落下した爆弾の音に怯えた。ロシアの攻撃が継続していることを話したメルヴェ・ブーセ・デヴェリは、「今現在も攻撃と砲撃が続いています。今この映像を撮っている反対側でミサイルが落下したのを見ています。ロシアは私たちのいる街、ハルキウに侵入しています。私たちが住んでいる寮の2つ隣の建物に爆弾が落ちました。私たちの友達たちはあの寮に住んでいます。棚を窓の前に置いて身を守るために努めています。避難所は生活できるような空間ではないです。誰もが準備不足のうちにとらわれてしまいました。」と述べた。

■「銀行もATMも動いていない」
この地域のトルコ人学生の最も大きな問題の一つは現金であると述べたでヴェリは、「日常生活でも現金の利用は難しかったですが、今はもっと難しくなっています。銀行もATMも稼働しておらず、スーパーに行っても眺めて帰るだけです。このために私たちは悲しいと同時に恐怖も感じています。なぜならば、必要物資すら手に入れることができないからです。友達たちとはまた別のところに私たちはいますが、彼らのことも心配しています。行くあての全くない友達たちは皆寮に留まっています」と話した。

■「私たちの声が届くことを願う」
どうしたらいいか全くわからないと説明するデヴェリは、「外に出られませんし、出たところでロシアの戦車や爆弾が見えるだけです。『怖い』と言うことにはもう飽きました。なぜなら状況はすでに恐怖の向こう側に行ってしまったからです。これからどうすればいいのか、どのような計画を立てればいいのか、脱出ルートが見つかるのかすらわかりません」と述べた。

■「最後のビデオになるかもしれない」
デヴェリは以下のように続けた。
「民間の車を見つけられたとしても爆撃される恐れのあることから命の保証はありません。ひょっとしたらこれが私たちの最後の映像になるかもしれません。なぜなら私たちはもう『次は自分の番かもしれない』と考え始めたからです。住んでいるところの近くで爆発する爆弾は私たちにこのように考えさせ始めました」

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( 翻訳者:岩田和馬 )
( 記事ID:52756 )