海を守る人たち: 小規模経営の漁師たち
2022年03月21日付 Cumhuriyet 紙

国連は、彼らを「海を守る人」と呼んでいる。彼ら、つまり小規模経営の漁師たちのことである。世界自然保護基金トルコのために制作された同名のドキュメンタリーをご覧になった際に本当によりよく理解できましょう。なぜ彼らがこのように呼ばれており、なぜ彼らを必要としているのかを。三方を海で囲まれた我が国で小規模経営の漁師たちが直面している問題、生計を立てるための闘い、私たちの海と海中にある豊かさを保護するため何を行うべきかを説明した「海を守る人:小規模経営の漁師たち」という題名のドキュメンタリーは、現在、Puhu TVで配信を開始した。ご覧になればとても有益である。魚は尽きていき、生態系は汚染されている。ドキュメンタリーの試写会が行われたフェリイェでは、世界自然保護基金トルコの関係者、制作チーム、そして最も重要なのはドキュメンタリーで説明された、小規模経営の漁業を営んで生計を立てているモルドアンの漁師たちが一堂に会したことである。制作をブラク・ダル氏が担ったドキュメンタリーの試写会のすぐ後に、世界自然保護基金トルコの漁業専門家にして、小規模経営漁業共同経営プロジェクトのリーダーであるティムジン・ディンチェル、モルドアン水産協会ムスタファ・ババイート会長、ヤセディン・チデム前会長、モルドアンの漁師ゼイネップ・カラジャさん、ドキュメンタリーのバフリイェ・カバダユ監督が参加したトークショーが行われた。

■急速な枯渇

ドキュメンタリーとトークショーの双方が明確にした問題は、私たちの海で漁業資源が急速に枯渇しており、他方で海の生態系が同じような速さで汚染され破壊され ているという真実である。あまり知られていないもう一つの真実は、少なくともこの問題の専門家でない人々にとって、このことが同時に伝統的な漁法を続ける家族 にとって社会経済的な意味で大きな脅威であることである。興味深いことに、小規模経営の漁師たちはトルコにおける漁船数の約90%を構成しているのに対し、総漁獲高はたったの10%しかないことである。違法な操業や漁法(船曳網、トロール漁業)や、海の漁業資源を大規模に消費する漁が原因で、生計を立てるのがだんだんと困難になっている小規模経営の漁師たちは、解決法を組織化・共同化に見いだした。共同の方法が世界自然基金トルコとの折り合いならば、これは、声をより高め、広い層に伝えることに繋がり、そしてこのドキュメンタリーが出来上がった。フェリイェでの試写会の前に世界自然保護基金トルコのアスル・パシンリ会長は次のように話した。

■重要な役割

「小規模経営の漁業者は、漁業で生計を立てている人びとの繁栄、海の生態系の健全性を守る点で、重要な役割を担っています。世界自然基金トルコとして、小規模経営漁業共同経営プロジェクトの中で、漁師の人たち、地元の関係者、科学者、意思決定者、市民社会団体の間の意思疎通、関係を強化するよう努めています。漁業で生業を立てる沿岸部の人びとの生計を確保する漁業資源を増やし、長期的に食糧と収入源を安定化させる方向での試みに寄与するのが私たちの目的です。小規模経営の漁業者は、この仕事で生業を立てる沿岸部の人びとに繁栄をもたらし、海の生態系を守る点で重要な役割を担っています。私たちは知っています、海を生かすのは小規模経営の漁師の人びとによって可能であることを。」

視聴はPuhu TV https://puhutv.com/denizlerin-koruyuculari-detay

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( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:52999 )