ウクライナ避難民アンタルヤに集中、家賃高騰
2022年03月26日付 Cumhuriyet 紙


ウクライナでの戦争から逃れてトルコへ避難したウクライナ人たちが最も選ぶ都市はアンタルヤだった。高い需要によって街の家賃価格が3倍まで高騰する結果となった。

 ロシア・ウクライナ戦争から逃れたウクライナ人たちは、アンタルヤに殺到し、住宅需要の高まりによって価格が高騰した。

 不動産投資の専門家であるセルカン・セネクチ氏は、「戦争前は日に2、3人が(物件を)探しにきた一方で、現在の戦争勃発後にはこれが8人から10人にまで増えました。家賃3000リラ(約2万4672円)としていた1LDK、2LDKの物件が現在では8000リラ(約6万5792円)、9000リラ(7万4016円)ほどまで高騰しました。」と述べた。

 観光都市アンタルヤにはロシア人2万9千人、ウクライナ人約9千人が暮らしている。しかし現在も続く戦争のためこの数はかつてないほど増加している。

 家族とともに逃げてきたウクライナ人たちの一部は親戚に身を寄せる一方で、高所得層は不動産を購入したり賃貸している。この状況はトルコ統計機構(TÜİK)のデータにも反映されている。

◾2月には住宅1099戸が購入

 NTVの報道によれば、アンタルヤで2月に住宅4727戸が販売された中、内1099戸は外国人によって購入されたと明らかになった。

 2月の住宅売買は去年の同じ月と比べて27.6%増加した。アンタルヤ県はイスタンブル県に次いで外国人の住宅購入で人気の県となった。

 不動産業者のムハンメト・インジさんは「原因を見ると、人々にとって少し困った状況です。地階の60平米を3500リラ(約28784円)で借りたいという声があります。 何故そこまで求めるのかと聞くと、これを払うロシア人、ウクライナ人がいると言うのです。」と話した。家賃や住宅価格は今後も増加が続くとみられる。

(注)トルコの月額最低賃金は2022年で手取りで4253リラ(約3万4976円)である。ウクライナの一人当たりの名目GDPは年間約3741米ドルである(2020年)。

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( 翻訳者:伊藤梓子 )
( 記事ID:53094 )