エルドアン大統領「悪いが、イエスとはいえない」
2022年05月20日付 Milliyet 紙

レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領は、金曜礼拝の後記者団の質問に回答した。同大統領はスウェーデンとフィンランドのNATO加盟の手続きに関する外交的接触が行われていると明かし、「EU加盟国の大半が、自らの議会で発言の機会を与え、議会のメンバーともしているし、武器・弾薬を提供している。我々はこのことを把握している。悪いが、このテロ組織がNATOに加盟することに対し、イエスとは言えない。」と述べた。

エルドアン大統領は、金曜礼拝をウスキュダルのハジ・アリ・モスクで行った。同大統領はモスクを後にする際に記者らの質問に回答した。

■「麻薬密売を議論する可能性がある」

エルドアン大統領は、コロンビア大統領の来訪に関する質問に対し、「首脳が一堂に会する会談の主要な議題を最優先に、二国間関係を築く。現在トルコ・コロンビア間にどのような関係を築けるか、なにができるか。当然、これらを最優先に会談を行う。このほか、第二のステップは地域的課題であるだろう。この中で現在、世界における地域的課題の筆頭は当然ロシア・ウクライナ問題である。これらを議論する可能性がある。もう一つの重要な議題は、世界に存在するテロの様々な側面についてである。そのうち最も重要なのは、麻薬密売である。これらを議論する可能性がある。会談の後に共同で声明を出すだろう。」と述べた。

◇「YPGをなぜテロ組織と認定しないのか」

クルディスタン労働者党(PKK)/人民防衛隊(YPG)のヨーロッパにおける存在に関する問いには、エルドアン大統領は次のように回答した。「テロとの闘いは非常に広範なものである。PKKと我々の闘いは、実際は同時に、EUがPKKをテロ組織として認定することに別の装いをでっち上げてしまったことでもある。EUはテロ組織と認定したと言っているが、なぜYPGをテロ組織と認定しないのか。このことを最もよく知っているのは、彼らではなく、我々である。YPGはPKKが新たに生んだテロ組織である。そして現在、EUと同様にアメリカさえもこの者たちと話し合いをもつという点で多くの機会を認めている。そして、現在ヨーロッパの多くの国々で、ドイツをはじめオランダ、フランス、フィンランドでこのテロ組織はあらゆる活動を行っている。この活動に伴って、テロ行為を横行させ続けている。そして、これらの国々の政府は何もかも容認している。この点を各国政府に何度も繰り返し説明したと同時に、表明もし、説き、証拠を示した。ほら、彼らはテロ組織であり、犯してきた罪は明らかである。トルコで我々が彼らと闘いを続けてきたことと、彼らが洞窟の拠点や[北イラクの]カンディルを自分たちのための中心拠点に据えたことは、PKKとYPGの言い逃れできないテロ扇動行為である。しかし、残念なことに西側諸国はこれらを未だに隠し、伏せている。ドイツをはじめフィンランド、スウェーデンで彼らはあらゆるデモを実施している。テロリストを引き渡せと我々が言っているにも関わらず、彼らは引き渡さない。我々は彼らを最もよく知り、動向を追っているのだから、今後も必要なことを続けていく。」

■「これは、スウェーデンとフィンランドのためでもある」

エルドアン大統領はスウェーデンとフィンランドのNATO加盟手続きに関する質問に対し、「オランダ首相と包括的な会談を行った。明日はイギリスおよびフィンランドとの会談の要請があり、彼らと会う予定だ。同様に、(NATO事務総長)ストルテンベルク氏とも会談する予定だ。

もちろん、これらの会談を我々の間の電話会談を途絶えさせないために継続していく。しかし、はっきりと明確に述べたことは何か。何よりもまず、このテロ組織の証拠や情報のすべてを我々が握っているのであり、彼らの犠牲者もまた我々であるので、NATOがテロに対してどれほど敏感であるか知っており、NATOが安全保障組織であることを知っている我々だからこそ、そのNATOにこのようなテロ組織が加わることにイエスとは言えない[と言うことである]。このことは、スウェーデンとフィンランドについても当てはまることである。EU加盟国の大半がこれらのテロ組織を容認するだけでなく、自らの議会で発言の機会を与え、議会のメンバーともしているし、武器・弾薬を提供している。我々はこれを把握し、目撃している。悪いが、このテロ組織がNATOに加わることに、イエスとは言えない」と述べた。

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( 翻訳者:関口ひなた )
( 記事ID:53467 )