緊張高まる中、トルコ・ギリシャ両外相、NATO会合で会話
2022年06月16日付 Milliyet 紙

アカル国防相とパナギオトプロス国防相は、トルコとギリシャの緊張がピークに達した頃に行われたNATO国防相会議で3、4分間会談した。国際的な報道機関は、握手する2人の大臣に注目した。

EU欧州委員会広報責任者のペテル・スタノ氏がギリシャの報道機関に向け行ったトルコに対する発表はギリシャ政府に熱狂的に受け入れた一方で、NATOサミットで行われた「握手」が報道機関の見出しとなっている。

ギリシャ首相キルヤコス・ミチョタキス氏は、トルコとの関係を悪化させたワシントン訪問の後、トルコについてEUに不満を述べた。5月末のサミットでミチョタキス首相は、トルコがエーゲ海の島々で緊張を高めていると主張した。「挑発は許容できません。国際的な平和と安定が試される時に、我々の地域が要する最近の出来事は、別の緊張の源となっている。」と述べた。

ギリシャ政府の親密な同盟国で武器供与国のフランスは、予想通りにミチョタキス氏の発表を支持した。EUの議長国であるフランスのエマニュエル・マクロン大統領は、島々の主権が問われることをギリシャは非難していると話した。マクロン大統領は、「ここで全EU、特にフランスがギリシャを支援すると明言したいです。今日、誰も加盟国の主権を危険にさらすことはできません。これらの発言は一刻も早く非難されるべきだと考えています、」と述べた。

EUサミットの1日後に話したレジェプ・タイイプ・エルドアン大統領は、ギリシャと同盟国らに返事をした。エルドアン大統領は、「(我々の)半分の飛行機で我々にショーをみせてください。自分を取り戻して、歴史から何も学んでいないのですか?トルコとダンスを踊ろうとしないでください」と述べた。

■「挑発者」の見出し

ギリシャメディアは、ミチョタキス首相が6月28日のNATOサミットでもトルコを非難する準備をしていると伝え、今日EUからの支援表明により自分を見失った。ギリシャ公式通信社の質問に答えたEU欧州委員会広報責任者のペテル・スタノ氏は、トルコにギリシャに対する態度を止めるよう求めた。ギリシャ政府に近いことで知られるエレフテロス・ティポス(Eleftheros Typos)紙に加え、Webサイトのin.grやProto Thema、タ・ネア(Ta Nea)紙等の報道機関は、「挑発者」という見出しを選んだ。

EU欧州委員会:「トルコは脅しを終わらせるべきだ」と述べるカティメリニ紙は、短報で「ある欧州委員会の広報責任者は、『トルコが緊張を高める措置を控えることを期待しています。そうでなければEU加盟国が適切な対応を検討しなければなりません』」という表現を掲載した。カティメリニ紙は、英語のページでは「EUがギリシャとの緊張の高まりについてトルコに警告した」という見出しを使用した。

CNNギリシャも、他の報道機関と同様にEUの発表に時間を割いた。「トルコへ新たな怒り!EU欧州委員会:トルコは脅しを止め、加盟国の主権を尊重すべきだ」という見出しで読者に示した。

■ブリュッセルからの写真

ギリシャメディアは、ベルギーの首都であるブリュッセルで行われたNATO国防相らの会議を取り上げている。フルシ・アカル国防相とギリシャのニコス・パナギオトプロス国防相は、緊張が高まる中、5月中旬以来初めてサミットで一緒になった。

集合写真の撮影に参加したアカル国防相とパナギオトプロス国防相は、その後握手し国際的なメディアに対しポーズをとってみせた。大臣らは、3,4分程言葉を交わし別れを告げた。

サミットの議題は、問題解決のため交渉のチャンネルを維持し、前向きに諸々の問題に焦点があてられることだった。

アカル国防相とパナギオトポウロウス国防相の写真を見出しに掲載した[ギリシャの]Skaiテレビは、大臣らの間で短い会話があったと伝えた。テレビの記者は、ギリシャの大臣がフルシ・アカル国防相に前向きな対策を取るために緊張を無くすよう求めたと伝えた。

カティメリニ紙は、「トルコ・ギリシャの国防相がブリュッセルで短時間会談を行った」という見出しを掲載し、ト・ヴィマ(To Vima)誌はトルコ・ギリシャ間の緊張の高まりにも関わらず、会談は良い雰囲気の中で行われたことに注目した。

アカル国防相とパナギオトポウロウス国防相が親密な形で握手をしたと書いたエレフテロス・ティポス紙は、今後数時間で対談が開催される可能性があると述べた。

フルシ・アカル国防相は、NATOの集合写真の最前列で米国のロイド・オースティン国防相と英国のベン・ウォレス国防相と並んでいた。ロシアの占領に抵抗するウクライナへ送られる予定の武器と援助について議論された会議の間、アカル国防相の前には「Turkey」ではなく「Türkiye」の文字があった。

■ギリシャが予期する2つの動き

最近のギリシャメディアのニュースでは、エーゲ海で暑い夏が予想されていると伝えている。ギリシャメディアは、ギリシャ政府は夏の数ヶ月で緊張が高まることをほぼ確実視しているとし、トルコ政府は2つの動きをとりうると伝えた。

ニュースによると、トルコは国際協定に従い非武装のはずのエーゲ海の島々の「地位」を国連に持ち込み、「公式な挑戦」を行う可能性がある。

クレタ島とロドス島の間にトルコが調査船を派遣することが、起こり得る第2の動きと予想されている。トルコ政府がトルコ石油公社に西経28度線の場所に新たな開発ライセンスを与えるという話がギリシャで囁かれている。カティメリニ紙によれば、トルコがこの方策をとることでカシュの対岸にあるメイス島周辺で言及する大陸棚や排他的経済水域の権利をさらに前に進めたことになるだろう。

CNNギリシャによると、ギリシャ政府の本来の目標はNATOサミットにあり、トルコは加盟国に不満を述べるだろう。ギリシャ側が心配する最も重要な議題は、米国のジョー・バイデン大統領がマドリードでレジェプ・タイイプ・エルドアン大統領と会談するかどうかである。CNNギリシャによれば、バイデン大統領はNATOサミットでギリシャのミチョタキス首相と会う可能性がある。

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( 翻訳者:小鉄礼子 )
( 記事ID:53606 )