パレスチナ:エルサレムをめぐり様々な動きが錯綜
2022年09月23日付 al-Quds al-Arabi 紙


■大使館をエルサレムに移転させる英政府の決意に怒り
■ラピド首相は二国家解決の指示を表明

【ラマッラ、ガザ:本紙】

ドナルド・トランプ前米大統領と同様に、保守党の英新首相リズ・トラスが英大使館の西エルサレムへの移転を決意したことを受け、パレスチナ人は強い怒りを露わにした。一方、ヘブライ語メディアは速報でエルサレムとテルアビブを結ぶ道路上で5人のイスラエル人が刺された報じ、実行犯は殺害されたと伝えた。

トラス首相は、国連総会会合の合間に行われたイスラエルのヤイル・ラピド首相とのバイ会談においてこの事を伝えた。他方、パレスチナのマフムード・アッバース大統領は総会会合の合間に行われたトラス首相との会談の中でこのイギリスの計画を拒否する姿勢を示した。

パレスチナの外務・移民省は、同省が「二国家解決」に関する国際的な合意と評するものを賞賛し、具体的な行動に結び付けるよう求めた。加えて、驚きの展開として、イスラエルのヤイル・ラピド首相が国連総会での演説の中で二国家解決への支持を表明したが、イスラエルの人種差別的な右派から左派に至るまでの反対の嵐が吹き荒れている。

一方、イタマール・ベン・グビール議員は昨日(21日)、今度のユダヤ教の祝祭に際してアクサーモスクへの侵入を行う準備として、同モスクへの侵入を主導した。ハマースは、このような挑発行為や侵入行為は「見逃すことはなく、あらゆる手段を以て対抗する」と語った。そして、イスラエルに対してアクサーモスクおよびエルサレムへの攻撃を続けることの末路について警告し、このような攻撃には地域を「宗教戦争」へと引きずり込む危険な影響があると語った。

また、ハマースの政治局メンバーであるマフムード・ザッハール氏はガザで指導層の多くが参加した記者会見において、エルサレムとアクサーモスクで起きている、加速する種々の敵対行為とシオニストによる頻繁なユダヤ化計画は、「エルサレムやアクサーモスクの宗教的、イスラーム的な位置づけに対するあからさまな攻撃である」と語り、「エルサレムの剣」(注:2021年5月にイスラエルと交戦した際のハマース・PIJ合同の軍事作戦のこと)は正統性を持ったままだろうと明らかにした。

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( 翻訳者:国際メディア情報センター )
( 記事ID:54097 )