エジプト:自転車の歴史(1)
2022年10月22日付 Al-Ahram 紙


■バディーア・マサーブニーのカジノ前では競争禁止…エジプトの通りを走る自転車の歴史

【マフムード・ディスーキー】

二輪であれ三輪であれ、自転車は長距離を移動できるものとして19世紀の世界の話題であった。こうした状況はパリ万国博覧会でセル・ラピード、つまり「速い足」の発明が展示されたことによってもたらされた。この自転車は木製で、両輪の間に木でできた椅子のようなものがあり、そこに跨って両足で地面を蹴り、車体を前に進め、そして車輪が回るというものであった。

自転車は1869年に「アーディヤ」という名前でエジプトとシャームの国々に登場した。同じような形状と大きさの2輪からなり、また他の自転車にとって代わられるまでは同じく木製であった。木製でかつ足で本体を推進するというのは、人間が内燃機関の特性を発見する以前に、自転車や三輪車が発明されたときの形態である。木製自転車での進行方向の転換はハンドルで行われた。後に、アメリカの獣医師であったダンロップによる新しい発明の中でゴム製の車輪を用いることが見いだされた。ダンロップが息子に、木製の車輪では体が揺れて(乗り心地が悪い)と言われたことがきっかけだった。その後ゴムタイヤの使用が一般的となった。

訳注:ジョン・ボイド・ダンロップは1840年にスコットランドのノース・エアシャーに生まれたスコットランド人。アイルランドのベルファストなどで獣医として暮らした。

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( 翻訳者:下宮杏奈 )
( 記事ID:54345 )