ベイオール爆弾テロ後に流れたフェイク・ニュースは?
2022年11月18日付 Cumhuriyet 紙


イスタンブルのイスティクラル通りにおいて、11月13日(日)に起こった爆弾テロ事件の後にソーシャルメディアでは、誤った情報を含んだ膨大な数の投稿が発信された。そうした投稿の中から最も注意を引いたものをいくつか収集した。

イスタンブルのイスティクラル通りで11月13日(日)に発生し、6名の命を奪った爆弾テロの後にソーシャルメディアで誤情報を含んだ膨大な投稿が発信された。

事実に反する一連の主張は、 WhatsAppやTelegramのようなメッセージアプリ上においても数多く流された。そうした誤情報の中から最も注意を引いたものを集めた。

■ 爆破攻撃を実行したのは、ジーヤン・トスンではない

勝利党党執行委員のアデム・タシュカヤ氏は、爆破の後にTwitterで事件の容疑者の写真を載せ、「タクシムでの卑劣な攻撃を行ったのは、ジーヤン・トスンというPKKの弁護士である 」とツイートした。

タシュカヤ氏は、その直後に投稿を削除したが、この疑惑はソーシャルメディアや各種メッセージアプリケーションで急速に広まった。

テロ攻撃の一日後、捜査関係者は、容疑者はアフラム・アル=バシールであると発表した。

トスン氏は、自身に関する投稿について刑事告訴をした。

人権協会アンカラ支部のセヴィル・トゥルグト共同代表は、11月18日に本件に関して記者会見を開いた。会見で、トゥルグト共同代表は、「投稿は、3分後に削除されていたが、スクリーンショットが撮られ、数多くのアカウントによって瞬く間に拡散された。同時に、ジ―ヤン氏や、その家族、そして、本協会の共同代表である、エレン・ケスキン氏に対して殺害の脅迫を受けるようになった。その理由には、ジ―ヤン氏らの電話番号がTelegramやWhatsApp、そしてゲームグループにおいて拡散されたことがあった」と話した。

また、国連特別報告者のメアリー・ローラー氏は、Twitter上で、トスン氏とその家族に対する脅迫に関するニュースに懸念を表明し、関係各所はこうした事態を収拾し、(トスン氏とその家族を)保護すべきだと投稿した。

ベキル・ボズダ―法務大臣は、国会での省庁の予算審議で、国民の民主主義党(HDP)のジュレイハ・ギュリュム議員の本件に関する質問に返答し、トスン氏に対して保護命令が出されたことを明らかにした。

■ Tiktokの動画に出たソマリア人の女性は、アル=バシールの姉妹だとは言っていない。

攻撃発生から数日後、Tiktokにおいてソマリア国籍の人物の爆発に関する動画が投稿された。

この動画は、Tiktokや他のソーシャルメディア上で女性が容疑者の姉妹であると述べていると云う主張とともに拡散された。

さらにその主張によれば、彼女は動画の中で、兄弟(爆弾テロの容疑者)は無実であると明らかにしているとされた。

しかし、この主張は事実ではない。

BBCのソマリア語担当者は、動画を検証し、ソマリア人であると確認した女性の発言を翻訳した。

(その結果)その映像からは、女性による容疑者との関係に言及する発言は見られなかった。

女性は動画で、テロ攻撃と、容疑者の事件との関係に関していくつかの疑問を明らかにしており、トルコにいるソマリア人と外国人に注意するよう警鐘を鳴らしている。その内容は次のとおりである。

「気をつけてください。すべてのソマリア人、そしてここ(トルコ)に住んでいる外国人は注意をするべきです。なぜなら、警察は現在、トルコに住んでいる外国人の家に押し入り、すべての無実な外国人を検挙しています。

状態は深刻です。こうした状況を恐れています。そして、そのため、ソマリア人の方々と外国人の方々には、注意をするように、それから家にいるように警告をしています。アッラーが私たちに安全をもたらすようお祈ります。攻撃で犠牲となった方々にお祈りを捧げます。この事件の首謀者が、攻撃を起こしたことによって大きな代償を払うことになるように祈ります。」

Tiktokの投稿は、しばらくして投稿者本人より削除された一方で、動画は誤訳されたまま様々なソーシャルメディアのアカウントより拡散され続けた。

■ 自爆テロの映像は以前のものである

11月13日(日)、攻撃の直後、ソーシャルメディアで爆破の様子だという膨大な数の誤った映像が拡散された。これらの中で最も拡散されたものは、ある男性の自爆テロがイスティクラル通りで起こった様子を捉えたものだった。

この動画はソーシャルメディアにおいて、一部のメディアのアカウントからも拡散された。

しかし、この動画は正確なものではない。なぜなら、11月13日の爆破ではなく、2016年に同じ通りで起こった爆発に関するものだからである。

この動画は、2016年3月19日にイラクとレバントのイスラム国(ISIL)組織に関連するテロ犯による自爆テロを撮影したものである。

■ 2つ目の攻撃とシシハネにおいて衝突があったという噂は事実ではない。

11月13日の夜間にイスタンブルのWhatsAppやTelegramのグループで爆弾テロの後に、シシハネで警察ととあるグループの間で武力衝突が起き、第2の爆発物による攻撃が行われたとの噂が広まった。

この噂をソーシャルメディアで拡散するアカウントも複数存在した。

しかし、この噂は事実ではない。

夜間にシシハネにおいて、警察と集団との衝突は生じなかった。

二つ目の爆発もなかった。

BBCトルコが近隣のショップ店員から得た情報によると、同日の夜間にベイオールオーレトメンエヴィ(というホテル)の前で不審な荷物が専門のチームによって起爆装置で爆破されたが、荷物には爆発物はなかったことがわかった。

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( 翻訳者:関颯太 )
( 記事ID:54469 )