ISKP(イスラーム国ホラーサーン州) アフガニスタンを越境する脅威 ISKPのボーダーレスな特徴(2)
2022年11月13日付 Hamshahri 紙


(続き)
ISKPのボーダーレスな特徴

 通常ISKPはアフガニスタンとパキスタンの地元民兵で構成された集団であると言われているが、それ以上にこの集団が実際には中央アジア、南アジア、中東出身の構成員を有するボーダーレスな集団であると認識しておかなければならない。月刊誌『ディプロマット』はISKPに関するレポートの中で、表向きの顔はISISがアフガニスタンとパキスタンのパシュトゥーン人戦闘員で構成されていると言及したうえで、同集団の主な支柱となっているのはアフガニスタン国外のアジア地域出身者から形成された外国人メンバーのネットワークであることを強調している。『ディプロマット』はまたISKP結成の起源を北ワズィーリスターン地域におけるパキスタン軍の軍事作戦と見なしており、このような作戦がイラクとシリアにおけるイスラーム国という自称カリフ制国家に対しパキスタン・ターリバーン運動(TTP)上級メンバーが忠誠と忠実を誓った要因になったと評価している。この忠誠の誓いによって、数千人の他のパシュトゥーン人が極めて急進的で過激なIS傘下の指揮官に従うようになったのである。

 テロ集団との戦いを口実にこの国の北部でパキスタン人戦闘員の作戦が開始される以前にも、ターリバーンはウズベキスタン・イスラーム運動(IMU)や東トルキスタン・イスラーム運動(ETIM)の関連部隊を含む数百の外国人部隊を、自身の目的のためにアフガニスタン東部および南部に配置していたのだが、ISKPが存在を発表したことにより、これらの集団もISと結びつくこととなった。この件に関し重要な点は、ISメンバーの外国人部隊は主にアフガニスタンの渓谷の奥地に拠点を置いており、現地住民との接触や衝突は最小限しかないことである。一方で、今日カーブルに拠点を置くターリバーンはISKPの活動の終結を宣言しようと懸命に試みている。というのもターリバーンは、この集団をアフガニスタン統治における国内の対抗組織と見なしているからだ。


ISKPとターリバーンの境界線

 ターリバーンとISとの関係は、活動当初はそれほど緊張状態にはなく、ISKP発足当初も互いに敵対的な立場を取っていなかったが、ターリバーン司令官がISKPメンバーにターリバーンの指導者への忠誠を誓うよう求めた際にISKPメンバーがこれを拒否し、両者の関係は緊張状態に陥った。アフガニスタンのISはターリバーンからの忠誠の誓いの要求に対し、これを拒否しただけでなく、ターリバーン指導者を侮蔑さえしたのだ。イデオロギーに関してもターリバーンとISKPの間には違いが存在する。ターリバーンのメンバーはグローバル・ジハードの必要性を認める一方、ISKPとは異なり、グローバル・ジハードの最前線[での取り組み]を優先している。ターリバーンは、ドーハでのアメリカとの停戦と交渉に関するISKPの激しい批判に対し、この措置はより大規模なジハードの戦術的行動であると見なし、この停戦をイスラーム法学上の根拠に基づいて正当化している。

 ターリバーンのメンバーはまた、ISとのカリフ制国家の樹立は時期尚早で無益なものと見なしており、このカリフ制国家はアルカーイダのような他のジハード主義集団との協力によって将来的に達成できるだろうと信じている。

−(3)に続く−

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( 翻訳者:OK )
( 記事ID:54526 )