なぜロシア-ウクライナ戦争は終わらないのか? 最も重要な戦争終結の障害 これが野蛮な西洋だ! 莫大な利益を上げる者たちの存在 小型で安価な爆弾を供与か?(2)
2022年11月30日付 Hamshahri 紙
(続き)
他方で、ウクライナも妥協する姿勢を示しておらず、この点に関するいかなる反対意見も激しく撥ね退けている。『フォーリン・アフェアーズ』誌は次のように記している。「停戦と交渉に反対する双方に対してどのような語を使って呼んでも違いは無い。結果はおおよそ同じである。両者とも現実的な政治を否定し、理想とする目的のために闘っている。このため、この戦争の終結の見通しは少なくとも向こう1は不透明なままだ。」
武器売却による莫大な利益
軍需産業の利益はウクライナ戦争の分析でしばしば見落とされる要素である。武器販売は、この戦争の継続に重要な役割を果たしている。米国国防総省はウクライナに新兵器を供与することを発表したが、一方で米国のジョー・バイデン政権は、開戦時より数億ドルの武器をウクライナにすでに売却してきている。この間、通常数週間かかっていた民間企業による武器売却許可に関する法的手続きは、現在では数時間となっている。
2022年の最初の4か月間だけで米国国務省はウクライナと3億ドル以上の武器取引を承認してきたと言われている。一方、昨年一年間でウクライナとの武器取引に関して同省が許可した額は、1500万ドルにも達していない。『ニューヨーク・タイムズ』紙は次のように記している。「機関銃、対戦車ミサイルといった武器や安全保障支援を含む米国とウクライナ間の175億ドルの契約と比較すると、取るに足らないように思えるかもしれないが、民間企業の武器契約を追跡できないことは大きな問題である。」
武器輸出分野の問題に取り組んでいる法律家オルガ・トーレス(Olga Torres)氏は、『ニューヨーク・タイムズ』紙に次のように語っている。「以前は武器売却に携わっていなかった多くの人々が、今日この取引に参入している。なぜなら高収益な仕事だからだ。今日、医師や個人事業主までもがこの市場に参入している。これが野蛮な西洋である。」
「プロジェクト・シンジケート」のウェブサイトは、このことに関する分析を次のように記している。「米国軍需産業の莫大な利益は、少なくとも今後数か月でウクライナ戦争が終結する可能性を低下させた理由の一つである。」
数十年にわたりイラクとアフガニスタンでの長期戦争から利益を享受した米国の武器請負業者たちは、現在ウクライナ戦争の好機に注目している。今日軍事兵器に関する国際的取引の39%を占めているこれらの企業は、ロシアのウクライナに対する攻撃の前から長きにわたりヨーロッパの武装化プロセスを始めており、現在ウクライナ戦争の情況を最大限利用しているところだ。
−了−
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( 翻訳者:OK )
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