(続き)
シンベト[イスラエル総保安庁]動員に向けた要求
シオニスト連立新政権の反パレスチナ人的行動は、ヨルダン川西岸の一部地域併合では終わらない。ウェブサイト「ミドルイーストモニター」の昨日の報道によれば、イタマル・ベン・グヴィルはベンヤミン・ネタニヤフに対し、シオニスト政権の諜報治安機関(シンベト)を通じた占領地のアラブ人社会への対処を要求するつもりだと発表した。
国家安全保障相の地位にあるイタマル・ベン・グヴィルは、最近パレスチナの旗を占領地の公共の場所から撤去するようにも命じている。同氏は警察に加えシンベトもヨルダン川西岸の戦闘管理に動員するつもりだと述べている。この報道によると、占領地のアラブ人の反イスラエル的行動への対抗は、リクードとベン・グヴィルが率いるユダヤの力の間で結ばれた連立協定の一部であった。
シオニスト新政権のアプローチはパレスチナ人組織や国際社会の抗議のみならず、占領地内部の抗議の声をも高めている。最新の事例では、エフード・バラック元イスラエル首相がイディオット・アハロノット紙にコラムを掲載し、ネタニヤフ政権に対する広範な抗議活動を呼びかけて次のように記した。「この政府は選挙を通じて発足したものの、その行動はクーデターを中心に展開しており、その違法化の原因となっている。内紛はもう始まっている。これは実質警告である。なぜなら現政府はイスラエルにとって差し迫った危険であり、崩壊の脅威は非常に深刻だからだ。」
アル・アクサー・モスクでの生贄の屠殺をユダヤ人集団が要求
一部のユダヤ人過激派集団はイタマル・ベン・グヴィルに対し、アル・アクサー・モスクで生贄屠殺の儀式の執行を許可するよう要求している。過激派入植者の集団を従えてアル・アクサー・モスクに夜襲をかけるというベン・グヴィルの挑発的行動の翌週、一部のユダヤ人集団は同氏に対し、ムスリムの所有物たるアル・アクサー・モスクで生贄を屠るユダヤ教の儀式を執り行うことを許可するよう要求した。ミドルイーストモニターの報道によれば、複数のユダヤ人組織がベン・グヴィルとイスラエル警察に対し、アル・アクサー・モスクで過越の祭の生贄を屠る儀式の執行を許可するよう正式に要求している。過越の祭はラマダーンと同月に催される。ユダヤ人集団の要求は、先週のベン・グヴィルの行動がパレスチナ人やアラブ人の大きな反応をもたらしている中で行われたものだ。パレスチナ人の抵抗者および抵抗集団に加え、トルコ、カタール、ヨルダン、UAE、サウジアラビアを含む域内アラブ国家[訳註:トルコはアラブ国家ではない]やイスラーム協力機構がこの行動を非難した。
イスラーム教徒とキリスト教徒の脅威、ベン・グヴィル
パレスチナ人ジャーナリスト兼プリンストン大学教授のダーウード・コターブによれば、イスラエル国家安全保障相のイタマル・ベン・グヴィルの挑発的な行動は、イスラーム教徒だけでなくキリスト教徒やリベラルなユダヤ教徒にとっても直接的な脅威と見なされる。例えば、19世紀に締結され、世界のあらゆる国家や国連に公式に承認されている、エルサレムのイスラーム教徒とキリスト教徒の聖地管理方法[聖地管理権]に関する法律を、アル・アクサー・モスクに対して行った先週の攻撃によりベン・グヴィルが破ろうとしているのである。アル・アクサー・モスクに攻撃を行ったイスラエル政府高官は、ベン・グヴィルが最初ではない。イスラエル人がエルサレムの聖地管理のあり方を変えようとし始めて数十年が経つが、この問題はイスラエル極右派がしばしば急伸派の支持を集めるために訴える手段の一つだ。しかしイスラエル急進派政府の挑発的行動の対象はイスラーム教徒だけではない。エルサレム市内のプロテスタントの墓地に対する最近の急進派の攻撃やキリスト教徒の墓に対する不敬行為は、今日のイスラエルの動きがキリスト教徒にも脅威であることを示している。
この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る
( 翻訳者:OK )
( 記事ID:54984 )