やり場のない悲しみ・・・―地震被害
2023年02月11日付 Hurriyet 紙


100年に一度の災害で亡くなった震災犠牲者の葬儀に心が痛む。ドゥアーや涙とともに親族を埋葬した被災者は、他都市に移動し始めた。

トルコを襲った地震で壊滅した県では、瓦礫の中の生存者を一人でも救うために活動が続くも、もはや被災者への活動は救援物資の配布や遺体の埋葬が中心になっている。

カフラマンマラシュで遺体の引き取りや埋葬を何日も待っていた被災者は、地域に派遣された検察官が増員されたおかげで、親族に対する最後のつとめを速やかに果たすことができている。5千人近くと発表された被災地の死者数は、被災者からは非現実的だと言われているが、公式に発表された死者数のほぼ半数が昨日(2月10日)埋葬された。

■4493人の遺体が埋葬された

昨日(2月10日)以降、埋葬が加速しているが、すでに何日間も瓦礫の中にいた遺体の多くは、非常事態を理由に洗体されずに白布に巻かれた。葬儀では、イマームの「大きな試練を乗り越え、耐えたカフラマンマラシュ市民」へのドゥアーとともに埋葬された。親族を亡くした一部の家族にとっては、葬儀が町との別れの時にもなった。自宅を失ったり、市外から援助に来たため、被災地を離れるまで遺体の埋葬を待つという家族がいる一方で、親族とともに町に別れを告げたという人たちもいた。スレイマン・ソイル内相は、地震で警察官120名、軍警察32名が亡くなったと発表し、「カフラマンマラシュで5323人の市民を失った。このうち4493人が埋葬された。埋葬の段階では、検察、警察、宗務、医療、洗体サービスが連携している。埋葬地の掘削、洗体、身元の照合、指紋採取を行っている。記録をすべて取っている。身元不明者については、写真撮影およびDNA採取後、埋葬している」と述べた。

■新たな埋葬地

カフラマンマラシュでは、市営墓地に2,3年ほど前に増設された区画に遺体が埋葬される一方、チームはあらゆる手段を講じて新しい埋葬地を作る作業を進めている。重機で整地されたエリアに遺体引き取り所、洗体所、礼拝所が設置された。病院で検視が終わった遺体は、遺体搬送車で「震災墓地」に運ばれ、宗教的義務が果たされた後、埋葬される。

■愛する人たちを埋葬する

アドゥヤマンでは、瓦礫の中から運び出された遺体は、死亡診断書作成の後、アドゥヤマン新墓地に運ばれている。ここでは、重機で掘削された埋葬地に、遺体袋のまま隣同士に遺体が並べられて埋葬されている。閉鎖された墓地では、人々が亡くなった親族の衣服や身の回りの物を墓標にくくりつけたり、吊るしたりする姿に胸が痛んだ。

■デミル一家は隣同士に埋葬された

アダナで、住んでいた14階建ての建物が地震で倒壊し、命を落としたメフメトさん(45)、妻のハイリイェさん(42)、息子のラマザンくん(16)とリュズギャルくん(10)、娘のエリフ・デミルちゃん(6)の遺体は昨日(2月10日)、故郷のニーデ・チャムアルドゥ郡で隣同士に埋葬された。

ハタイで瓦礫の下敷きになったメフメト・ダーデレン軍警察下士官上級曹長と娘のメリサ・ダーデレンさん(21)は昨日(2月10日)、ムーラ・メンテシェ郡で埋葬された。

ハタイ・クルクハン郡で亡くなった教員のスィナン・ユルマズさん(51)、妻のエブル・ユルマズさん(46)、娘のセナ・ユルマズさん(15)は昨日(2月10日)、ボル・イェニチャー郡で埋葬された。

カフラマンマラシュの地震で妻トゥーバ・フリイェ・マーデンさん、子ゼイネプさん、ネリズ・マーデンさんとともに倒壊した建物で命を落とした宗教文化・道徳知識教員のイブラヒム・マーデンさん(38)は昨日(2月10日)、故郷のサムスンで埋葬された。妻と子どもたちはカフラマンマラシュで埋葬されたことがわかった。

ハタイで瓦礫の下敷きになり亡くなったアイクト・イェルリカヤ陸軍歩兵上級軍曹(27)と妻のトゥーバ・イェルリカヤさんの葬儀は昨日(2月10日)、故郷のエラズーで行われた。

マラティヤで、崩壊した建物で両親を助けようとするも、自身も瓦礫の下敷きとなって亡くなったバッタルガーズィ郡国民教育局のミュジャーヒト・トゥンチ局長の遺体は昨日(2月10日)、故郷のハッキャーリ・チュクルジャ郡で両親とともに埋葬された。

亡くなったハタイ県警勤務のウウル・チャルタ巡査(35)、妻のシェイマ・チャルタさん(30)、子のメフメト・アーキフくん(9)とデフネ・サレちゃん(5)は昨日(2月10日)、ニーデ・ディキリタシュ村で埋葬された。

■夫婦で勤務していた

カフラマンマラシュで、夫婦ともに裁判官で、夫のバイラム・コルクマズさんとともに命を落としたシェイダ・クズルジャ・コルクマズさん(28)は、故郷のカラマン・エルメネキ郡で埋葬された。

ディヤルバクルのバーラル郡で亡くなった、結婚して1か月のネジャト・チェリキさん、アミネ・チェリキさん夫婦の葬儀は昨日(2月10日)、マルディン・デリキ郡で行われた。

カフラマンマラシュで亡くなった母ヤセミン・イェインさん(41)、娘ゼイネプ・イェインさん(13)は、アイドゥン・コチャルル郡で、軍職員の父オズギュル・イェインさん(42)と息子フルカン・イェインさん(18)はイスタンブルで、昨日(2月10日)埋葬された。

ガズィアンテプ・イスラヒイェで上級軍曹として勤務していたスッル・アイクトさん、妻ハジェル・アイクトさん、子ギョクトゥーくん、アルプアルスラン・アイクトくんの遺体は昨日(2月10日)、バルケスィル・ドゥルスンベイ郡で埋葬された。

娘のビルギュル・アラヌルさんと一緒に、マルディンからマラティヤにいる娘のフェヒメ・アラヌルさんの元を訪ねた折に、地震で娘らとともに命を落とした母のネズィレ・アラヌルさんの遺体はマルディン・サヴル郡で埋葬された。

■震災殉職者に涙の別れ

フェルハト・ギュンアチティ陸軍歩兵嘱託兵卒(23)は、ハタイ・クルクハン郡の軍隊に勤務中、体調不良でクルクハン国立病院に搬送された数時間後に地震に見舞われ、崩壊した病院の瓦礫の下敷きとなり殉職した。

捜索救助隊の活動で、地震発生から3日目の72時間後にギュンアチティ兵卒の遺体が瓦礫の中から運び出された。フェルハト・ギュンアチティ陸軍歩兵嘱託兵卒の遺体は、昨日(2月10日)ビトリス・アディルジェヴァズ郡のブルハニイェ・モスクでの葬儀の後、ブルハニイェ墓地に埋葬された。

■オルドゥで6人の葬儀

それぞれハタイの自宅で地震に見舞われ、瓦礫の下敷きになったイブラヒム・ギュルダルさん(40)、息子イスマイル・ギュルダルくん(12)、ムスタファ・フィダンさん(41)、シェイマ・エユプさん(14)、ムアンメル・チェティンカヤさん(47)、イペキ・ビルゲ・ビリシュメキさん(13)は昨日(2月10日)、故郷のオルドゥで埋葬された。イブラヒム・ギュルダルさんの妻セルダ・ギュルダルさんはハタイで埋葬されたと伝えられた。

■迅速な埋葬を指示

法務省は、震災で亡くなった人たちの埋葬を速やかに行い、問題が生じないようにするため、共和国検察庁に指示を通達した。各村の村長によって、もし村長がいなかったり村長と連絡がとれなかったりする場合は、地方行政当局によって任命された職員が身元を特定の上、発行される埋葬許可証をもとに埋葬手続きが行われる。

各県・郡で死亡した人の検視手続きは、医師により速やかに行われることとなる。検視記録は共和国検察官により「確認済」と手続きされ、埋葬許可証が発行される。

死亡した人の身元が特定できなかった場合は、診断用の写真撮影、指紋とDNAサンプルの採取が行われ、遺体の記録が取られた後、埋葬される。遺体の埋葬場所や墓地も記録される。

現行法によれば、「検視は、共和国検察官立ち会いのもと、医師一名が任命され」、「村に正式な医師や保健機関の職員がいない場合は村長、自然災害の場合は地方行政当局が任命する職員が、埋葬許可証を発行する権限を有する」。

医師がいない場所では保健局職員、それもいない場所では村長が埋葬許可証を発行することができる。

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( 翻訳者:安井 悠 )
( 記事ID:55000 )