「トルコ国境に壁」ギリシャ首相の公約にEUから批判
2023年05月19日付 Hurriyet 紙

ギリシアのキリアコス・ミツォタキス首相が選挙公約としてトルコ国境に壁で覆うことを言葉にし、この対価にEUから資金を求めたことが反発を招いた。同首相の競合相手のチプラス前首相が移民問題を柵では解決できないと訴える一方、西側メディアはミツォタキスを前アメリカ大統領ドナルド・トランプになぞらえ、「柵の資金は誰が賄うのか?」と問うた。

5/21日曜日の選挙に向け準備しているギリシアで、再度候補者となったミツォタキス首相は「明瞭な勝利」を期待すると述べた。

同国で実施されたアンケートではミツォタキス首相が対抗馬のアレクシス・チプラス前首相を6ポイント上回っていると示している。しかしミツォタキス首相の保守的な路線の新民主主義党が議会で過半数を手にするかどうかには大きな疑問符がついている。

■トルコ国境を覆う壁のためにEUから援助を要求

ギリシアの選挙に焦点をあてたアメリカ発行のポリティコ誌は、ミツォタキスの選挙公約である「トルコとの陸地の国境全てを壁で覆う約束」に注目し、「ギリシア首相のミツォタキスは、2026年までに柵をギリシアとトルコの192キロメートルの国境のほぼすべてを覆う形で延長すると約束した。同首相はさらにEUの境界を守る費用を一国では賄うべきではないと訴えてEUの出資を求めている」と説明した。

■ミツォタキスをトランプに準える

壁を建築しこの費用を他国に頼る公約の既視感に注目した同誌は、ミツォタキスを、メキシコ国境を壁で覆うことを公約にした前アメリカ大統領ドナルド・トランプに準えた。

ギリシア首相に実施されたこの例えは実際新しいものではなく、ミツォタキスは先月ドイツ最大の新聞の一つであるビルド紙へのインタビューの中でも同じような例えを被り、「私には濃いブロンドの髪の無い、なので比較することは適切ではない」と語っていた。

■チプラス:柵の建設は誰も救わない

ミツォタキス首相は、あらゆる機会を捉えてトルコ国境を覆う壁は不法移民がギリシアに流入するのを妨げるため必要であると強調するが、皆がそれに賛同していないことが窺える。

ミツォタキスの対立候補であるシリザ党党首のアレクシス・チプラスは、過日スカイテレビジョンで行った発表の中で国境を覆う柵が誰も守らないと主張し、「極めて複雑な移民と難民問題を柵によって解決できたならば、ヨーロッパはこのことにすでに関心を持っていただろう。トランプもメキシコでは同じことを言っていたが、柵は誰も救っていない。」と表現した。

■反対意見の噴出する「送還」政策

ポリティコ誌は、ギリシアの「送還政策が」人権機構と欧州議会の批判にされていることに注目し「ギリシアの有権者は、日曜日に、トルコとの国境の壁を延長し国の移民問題の対応を厳しいものにする方向に向かわせるのか、あるいは問題に関してより穏便な態度をとるシリザ党を選ぶ決意をするか」と問うた。

■212キロメートルの国境について決めるのか

トルコとギリシアの間に212キロメートルの陸地の国境が存在する。ギリシアは2012年に移民の入国を妨げる為に国境に三メートルの高さで12.5キロメートルの長さの鉄の壁の建設を決定した。

壁の計画は2020年にアフガニスタンから来た移民に対処して27キロの鋼の壁を建設することで続いている。

現在37.5キロの長さまで伸びた壁沿いにギリシアの国境警備員が配備されている。

■難しい選挙になるだろう

致命的な列車事故の後、44万人が初投票する怒れる一群の若者を擁して選挙に向かうギリシアにつき、選挙が決選投票に進むと予想されている。

専門家によると、決選投票でも単独与党あるいは連立政権擁立は難しいようである。9月には3回目の選挙に向かい得るとされ言われている。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:鈴木敬人 )
( 記事ID:55631 )