エルドアン支持に回ったオアン候補、「政権に参画の可能性」
2023年05月24日付 Cumhuriyet 紙

アタ同盟の大統領候補であったシナン・オアン氏は、大統領選挙の第二ラウンドでエルドアン氏を支持すると表明した。この決定により解消したアタ同盟の一員であるヴェジュデト・オズ氏は、オアン氏が民主同盟を支持するという決定の背後には、政権参画という目的があると述べた。同盟を解消させた会合ではオアン氏が、「我々の票のごく一部でも、彼らが再び政権を握ることを可能にする。私たちはそこで政権の一翼に連なるかもしれないし、ひいては政権内部にいるかもしれない」と発言したと明らかにした。

アタ同盟の大統領候補として選挙の第一ラウンドに出馬したシナン・オアン氏は、第二ラウンドでは公正発展党のレジェプ・タイイプ・エルドアン大統領を支持すると表明した。同盟の一員である公正党(AP)党首ヴェジュデト・オズ氏は、国民同盟代表であり共和人民党党首のケマル・クルチダルオール氏を支持すると決定した。

この決定に至った会合の詳細をジュムフリイェトTVに語ったオズ氏は、シナン・オアン氏が政権参画のために民主同盟を支持する決定を下したと述べた。

■「我々は連立にも政権内部にもいるかもしれない」

オズ氏は、オアン氏との会話を以下のように説明した。

「私は理由を尋ねた。彼は私に『公正発展党は49.5%の票を獲得した。我々が支持すれば、公正発展党が当選する可能性が高い。我々の票のごく一部でも、彼らが再び政権を握ることを可能にする。私たちはそこで政権の一翼に連なるかもしれないし、ひいては政権内部にいるかもしれない』と言った。私は『我々は公正発展党への対抗に基づいた政治を行っている。我々は野党である。政治的地位が得られるからと彼らを支持するのか?それは私の政治倫理にそぐわない』と言った。」

■「15日間で何が変わったのか」

民主同盟を支持すると決定したシナン・オアン氏に反発したオズ氏は、「シナン・オアン氏は過去に『自由思想党(Hüda Par)(注)と[トルコ民族主義を謳う]理想主義者の有権者は決して同じ投票先に連れて行くことはできない』と言った。15日間で何が変わったのか。ガッファル・オッカン氏(注2)やコンジャ・クリシュ氏(注3)が安らかに眠れるだろうか。シナン・オアン氏はこれをどう説明するのだろうか」と尋ねた。

政治的地位を計算に入れて自分達は同盟を組んだのではないと述べるオズ氏は、「政治は原則に基づいて行わなくてはならず、倫理的である必要がある。この国の現状はこのような無原則な政治が原因である」と話した。

「シナン・オアン氏は280万人の有権者をどう正視するのか。その有権者は、シナン・オアン氏が公正発展党に行くために投票したのか」と問うオズ氏は、「この有権者はシナン・オアン氏に投票したのではない。[勝利党の]ウミト・オズダウ氏にも、私にも投票しなかった。これは反対票である。彼らは我々の言説に投票したのである」と述べた。

■「アリエフ大統領がシナン・オアン氏の決断に影響を与えた」

手元に証拠がないため、「アゼルバイジャンのイルハム・アリエフ大統領が、シナン・オアン氏をエルドアン支持に仕向けた」という主張に関してコメントを控えたオズ氏は、以下のように述べた。

「オアン氏に『あなたを原則的な立場から無原則な立場に変えたものは何か、トルコのナショナリズムやケマリズムを諦めたのか、圧力をかけられたのか』と問う必要がある。何かを恐れているのなら政治を行ってはいけない。政治は恐れずに、名誉を持って行われるべき責務である。このように不誠実に行うべきではない。」

(注)野党第一党である共和人民党のメディアと考えられるハルクTVによると、同党は2012年に、政治・信仰の点でムスリムのアイデンティティをもつクルド系市民を代表する目的で設立されたという。同党は公正発展党が民族主義者行動党を説得することで与党側の民主同盟に参加している。
(注2)2001年に殺害されたディヤルバクル警察署長。犯行はトルコのヒズブッラーによるものと言われている。自由思想党とヒズブッラーは繋がりがあると言われる。
(注3)1998年自宅から誘拐され、2000年に遺体が発見。犯行はトルコのヒズブッラーによるものと言われている。

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( 翻訳者:田原紗樹 )
( 記事ID:55656 )