ショック!オリーブ油の値段、高騰
2023年07月25日付 Cumhuriyet 紙


トルコで最も重要なオリーブの中心地のひとつであるマニサのアクヒサルで昨年40万トンに達した収穫が、今年は最大で5万トンで留まるだろうと発表されている。オリーブの生産者たちは、借入負債のために不安を抱えている。アクヒサル農業部門長アクブーア氏は
「今年はオリーブ油が1リットル250リラに達したとしても誰も驚かせないだろう。」と述べた。


ギュルカン・アクギュネシュ-マニサ:
 気候危機は、オリーブも直撃した。トルコで最も重要なオリーブの中心地であるマニサのアクヒサルではまるで「オリーブの災害」が発生している。枝には、オリーブの代わりに、ただ葉だけが残っている状態になってしまっているオリーブの生産者たちは、今年何をしようかと思い悩んでいる。郡で昨年40万トンに達した数字は、今年最大では5万トンにとどまるであろうと発表されている。
貸し入れの負債、さらに畑の保全の出費を不安に思っているオリーブの生産者たちは、「アクサヒルはこのような光景にはじめて直面した。普通では3か月続く収穫のシーズンは、今年は一週間で終了するだろう。来年もこのようなことになってしまえば、いったいどうすればよいだろう。」と話している。

オリーブ生産が集中して行われているその他の地域でもまた、記録的で深刻な疎外が見込まれていると述べてアクヒサル農業部屋アフメト・アクブーア氏は、『今年のオリーブの値段が250リラに達したとしても、誰も驚きはしないでしょう。歴史的にこのような状況は見られなかった。倉庫の中のオリーブも、一日をやりくりするには十分ではない。』と話している。

アクヒサルは、オリーブの中心地のひとつだ。とりわけ食用の緑のオリーブの70%は、マニサのアクヒサル郡から国へと賄われている。平原、山々、庭といったあらゆるところは
オリーブの木によって埋め尽くされている。地区の大多数の基盤となる収入源は、オリーブだ。オリーブによって、子供たちを結婚させて、オリーブによって家々を修繕して、施しの食事を提供するアクヒサルの人々は、今年はまるで「オリーブの災害」に直面している。
畑では毎年そうであるように4月に花を咲かせているオリーブが、今年は果実を実らせなかったようだ。
 この状況をその数を増した蛾に結び付けている人もいれば、天候状況の中での異常な変動のせいだとする人もいる。勿論のこと、この二つともが、グローバルな気候変動に由来するものだ。

■保険では十分でない

実際のところ地域のオリーブは、昨年豊作によって人々を笑顔にさせた。農家は予想以上の実りを手にしたのだった。今年は、かなりの木々で一つのオリーブでさえもない。農家の人々は、見込まれたものよりもかなり少ない量の収穫しか手にできなかった。20~30年ものの木々はまるで、収穫の後を思い起こさせるものだ。危機ののちに、昨年の収穫の10%しか見込むことができない群では、担当者たちはこの災害へと手を差し出すことが求められている。メダル郡で、何百ものオリーブの木を発見した農家の一人であるメフメト・フルシ・アラブジュ氏は、4月の開花ののちに木々には種が実り、オリーブの目を見ることが出来た、しかし5月の雨によりそしてまた、そののちにやってきた急な暑さののちに木々では果物が実をつけなかったと説明をした。
 昨年には60キロのオリーブを手に入れることが出来た木では、現在、ただ一つのオリーブでさえも手に入れられなかったというアラバジュは、「全ての生産物であるように、オリーブでも、豊作の年と貧作の年となったのです。私たちは自分たちの木々を子供たちのように面倒を見ながら、「貧作の年」を取り除いたのです。しかしながら、私たちはこのようなことを初めて目の当たりにしました。損害は甚大です。畑の保険も、植物がそもそも果実をつけなかったので、損害を補償しないのです。」と述べた。
九周期のオリーブの庭がある、酋長のスッル・バシュラムシュ氏も、「昨年に15トンの
オリーブを収穫しました。今年は500キロにも達しないでしょう。3000リラに近い、
肥料、剪定、軽油の支払いが生じました。私は一体、どうやってこのお金を拠出すればよいのでしょうか? 来年もこうなった場合には、どうすればよいのでしょう?」と思い悩んでいる。

■水も枯渇目前

カドゥダーとギョクチェアフメト地区でも状況は同様である。農業者たちは、地下湧水から水を汲んでおこなっているオリーブの木の世話を今未だに諦めていないようである。
しかしながら、もう一つ他の重要な問題は、水もまたもはや枯渇点に到達してしまうということだ。ボーリングの深さは200メートル以下に下がってしまったようだ。深さが増すにつれて電気の支払い費用もかさみます。何十もの転作耕地で、2500のオリーブの木を発見したメフメト・ボヤル氏は、「昨年には60トンを獲得しました。今年は最大でも10トンを収穫できるというところでしょう。借入とともに、50万リラ近い支出があります。
多くの村人たちは、水資源のための電気代をどうやって払おうかと考えています。
私たちは、保険に入ったのですが、それも何の役にも立ちません。しかしながら幸運が訪れれば過ぎ去ります。村人たちの支援になりますし、もしくは負債が先延ばしとなれば、私たちのオリーブをさらによく面倒を見るでしょう。」と述べている。



■「借入の支払いは先延ばしされなければならない」

アクヒサル農業部門長アフメト・アクブーア氏は、「異常な事態の中にあります。」と言いながら、このように続けている。
 「かつては、不毛の時期と豊作の季節がお互いにバランスを保っていました。しかしながら、今年は全くオリーブがありません。歴史上、初めてこのような状況の中に置かれています。生産者たちには非常に深刻な問題が待ち受けています。
不作の際には、生産者は剪定や、肥料をあげます。労働者たちは、軽油の支払いを行いました。支払いは上昇をしたのですが木は実りをつけません。収入と畑の利子は上昇しました。支払いも近づいています。政府が以前におこなっていたように、土地は予備の支払い支援もしくは、畑の貸付を1年延長する必要があります。これらが行われないのであれば農家には執行も来るかもしれません。もちろん、この状況はオリーブもしくはオリーブオイルの値段にも反映されるでしょう。今は既に証券市場でも値段が上がり始めました。ソーシャルメディアでは、誰もオリーブオイルを売れとは言いません。
 今年にオリーブが1リットル250リラに達したとしても誰も驚かないでしょう。しかしながら、この値段はオリーブ油を人々から遠ざけてしまいます。
人々はどうやって、これを手に入れて食卓に並べることが出来るのでしょうか?値段が上がれば、貨幣価値も上がります。倉庫のオリーブもまた、1日をしのぐには十分ではありません。」

■このようなことは今まで見られなかった!

ギョクチェアフメト地区長ムハメット・ムスタファ・オズデミル氏もまた、この状況を「生涯で、このような状況を見たことがない」と概括している。
彼が一時的に言及した期間は30年だ。なぜならエーゲ氏は、最も若い長だからだ。
昨年に、100トンのオリーブを手に入れたオズデミル氏は、今年は2,3トンのオリーブ油で終えるだろうと述べている。
「ここではオリーブへの被害は3か月間続きました、しかしながら今年は一週間で終わります。これ程しかないオリーブというのはこの地域では初めて目にされたと思います。
異常事態が起こっています。小規模もしくは中規模のオリーブ生産者にとって、今年の条件は大変に困難なものになるでしょう。このように来年に突入すれば、さらにも大変なことになるでしょう。畑をどのように面倒を見て、そして負債をどのように支払えばよいのか、分からないです。」


■「オリーブがない」

マニサ郡農業局の責任者は、「マニサ全体で、記録的な損失を見込んでいます。4月にマイナス6を見ること、更に常時続く春雨のような気候変動由来の影響は、今年の収穫を下げました。木々は健康的なのですが、オリーブが存在しません。」と述べている。
各地区のオリーブ油生産者は、イズミルとバルケシルにおいても収穫に置いて損失があったと明らかにしている。

■収穫の見通しは9月に

 国内のオリーブ議会長のムスタファ・タン氏は、収穫の見通しが9月に行えることが出来るだろうと述べながら、「オリーブが存在する、そして存在しない時期がある。昨年アクヒサル地域では葉のようにオリーブが実をつけていた。今年の場合は幾つかの地域においては問題が起きていたと知っています。しかしながらイズミルの幾つかの郡のうち、アイヴァルクからエドゥレミトの山がちな地域の一つからよい知らせを得ています。
昨年から幾つかの地域では、沢山の生産物を見込んでいます。41の郡でオリーブがあります。地域的な変化が起こった今年は、貯蓄があるためいかなる生産物の不足も起きないでしょう。輸出にも十分なほどの生産を得るでしょう。しかしながら、来年にスペインと同様の日照りに直面した場合は状況が変わる可能性があります。

■トルコの生産で1位、消費で11番目

農林省植物生産局のデータによれば2021年に世界では235万4310トンのオリーブが生産された。トルコにおける「オリーブ生産」も、年間174万9000トンでスペイン、イタリアの後の三番目となっていた。2022年には、オリーブの生産は年間約71%の上昇によって297万6654トンに達した。
トルコは「オリーブの生産」において年間173万9000トンによってスペイン、イタリアに続いて3番目となった。2022年のオリーブ生産は、年間約71%の上昇によって、297万6654にまで上昇した。そしてトルコの市場のリーダーとなった。オリーブオイルにおいても、2022年には79%の上昇となり、42万1717トンの生産によって全ての期間における記録を破ったトルコは、オリーブオイルの生産においてスペインの次に世界で2番目の位置にまで上昇した。これにも関わらず、農林省のデータによれば、トルコは「世界のオリーブオイルの消費量」において年間一人当たりの平均で、1.4キロによって11番目に位置をつけている。

■ブドウ畑を霜が、畑に洪水が襲った

マニサでは4月の初めにバルカン半島からやってきた冷たい空気のために作られた霜が一帯を覆いました。5月の終りと6月のはじめには、霜と畑に洪水が襲った。

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( 翻訳者:堀谷加佳留 )
( 記事ID:56046 )