燃料油価格さらなる高騰の恐れ
2023年08月20日付 Cumhuriyet 紙

共和人民党(CHP)のアフメト・アクン副党首は、秋には燃料油価格が50リラ(277円)にも達するだろうという見込みを明らかにした。同氏は、「燃料油価格高騰の原因は国際市場の影響だという見方は現実を反映していない」とし、燃料油価格高騰の最大の原因はトルコリラの価値下落にあると強調した。

CHPのアフメト・アクン副党首が、最近の度重なる燃料油価格値上げに関してコメント。会見のなかで同氏は、選挙以降の三か月間で燃料油価格が二倍になっているという点を指摘した。

副党首は、燃料油価格の値上げは、交通や輸送をはじめとするあらゆる分野で生産コストを上昇させ、インフラ加速の原因にもなると強調し、次のように述べた。

■「選挙以来、高騰の一途」
「5月14日の大統領選のときは、ガソリン1リットルは19リラ81クルシュ(110円)、エンジンオイル1リットルは18リラ58クルシュ(103円)というのが(店頭の)ポンプに示された価格だった。公正発展党政権は選挙前、国内にあるガバル山で見つかった油層により、各燃料製品の国内生産が増加することで、燃料価格は下がるだろうという認識さえ生み出した。しかし選挙から三ヶ月、今日に至るまで、あらゆる分野において基本的な動力となっている燃料油の価格は高騰し続けている」とアクン副党首は述べた。

また、同氏はガソリンとエンジンオイルの価格は三ヶ月で二倍になったと述べ、最新の経済データは値上がりがさらに続くとの見通しを示しているとした。そして「トルコリラの価値下落が続けば、燃料油価格はさらなる値上げとなる。今秋には、燃料油価格が50リラを上回る可能性さえ明らかにされている」と論評した。

■「燃料費高騰の最大要因はトルコリラの下落にある」

燃料油価格高騰の理由は国際市場の影響であるという見方について、アクン副党首は「現実を反映していない」と述べた。「トルコで燃料油価格の決定要因となるブレント原油の価格は、5月14日には78米ドル台だった。それが今日の取引価格は84米ドル台だ。別の言い方をすればブレント原油価格の上昇率は7.6%にとどまっているのに、トルコの燃料油価格は元値の2倍に達した。こうしたデータを踏まえれば、燃料油価格の高騰の最大の原因がトルコリラ下落であることがわかる」と話した。

■「インフレドミノを引き起こす」

アクン副党首は、燃料油価格の値上げは、(燃料油が)運輸・交通分野をはじめとするあらゆる分野の基本的動力であることから、生産コスト上昇をもたらすという点を強調し、「生産コスト上昇はマーケット価格、市場価格、店頭価格に値上げとして反映される。別の言い方をすれば、燃料油価格値上げはインフレにドミノを引き起こす。1リットルあたり約6リラの値上げは、2023年7月の歴史的なインフレの原因となっていた。今回、8月にも燃料油価格が値上げされればインフレ率はさらに上昇するだろう」と結論づけた。

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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:56182 )