地震予知、イスタンブルの4つのシナリオ
2024年03月20日付 Cumhuriyet 紙

地球物理学上級エンジニアのムスタファ・セルハット・ドゥルムシュ氏は、ヤロヴァ地震が北アナトリア断層線のマルマラ海内にある支線に跳ね返り、イスタンブルに危険をもたらす可能性があると述べた。

ヤロヴァで、今朝9時21分ごろに発生したマグニチュード3.5の地震は、街をパニックに陥れた。トルコ災害緊急事態管理局とカンディルリ気象台によって確認された地震は、震源9.71キロメートルの所で発生した。

イスタンブル・エセンユルト大学土質力学研究試験室長教員兼地球物理学上級エンジニアであるムスタファ・セルハト・ドゥルムシュ氏は、イスタンブル近郊で揺れが発生する度に思い浮かぶ、予想されているイスタンブル大地震と、ヤロヴァ地震の間に関連性があるかどうかに関する評価を行った。

■『インターロックゾーンで断層が起きたとしたら…』

今のところそこに関連性はないが、マルマラ海内で、とある重大な活動が次第に始まっていると述べたセルハット・ドゥルムシュ氏は、以下のように話した。

「通常は、マグニチュード4までは建物に大きな動きはなく、近隣の地域でのみ感じられる地震です。しかし、このヤロヴァ地震の重要性は、マルマラ海内の断層が今も活動していることを示しているという点です。言い換えれば、ここで起きる全ての地震は、絶対に重要でないとは言えないのです。全ての地震に意味があり、注視する必要があります。我々はマルマラ海海底内で起きるあらゆるタイプの地震を重要視しています。ヤロヴァの他にゲムリキ側でも大きな地震がありました。しかし、我々が本当に予測しているのは中央マルマラ海溝にあるインターロックゾーンです。今の所、我々は、ヤロヴァとゲムリキの地震はイスタンブル大地震とは無関係であると見ています。

しかし、もしインターロックゾーンで断層が起きた場合、イスタンブルで起こりうる四つのシナリオのうちの一つであるBシナリオである中央マルマラ海溝での断層を予想しています。言い換えれば、これが実際に発生すれば、マグニチュード7.2から7.6の間の地震が起き、人々は深刻な影響を受けるでしょう。なぜなら、この断層からイスタンブルの中心までの距離は約22キロだからです。このため、私はヤロヴァとゲムリキで起きた全ての地震を重要視しているのです。これからは、誰もが自分の住んでいる建物が地震に対してどれだけ備えができているかを確認し、備える必要があります。建築性能の分析を実施し、我々の建物の現実へと向かい合う段階にいます。これを行わない間は、マルマラ海内の全ての地震への不安の程度が高まるでしょう。というのも、10年以内にイスタンブルをとても大きな地震が襲うだろうと元々我々は承知しているからです。」

■『跳ね返る可能性を計算に入れています』

「ヤロヴァ地震は大地震の断層線の引き金なのか?」という質問についてセルハト・ドゥルムシュ氏は、カフラマンマラシュを例としてあげ、次のように話した。
「カフラマンマラシュ地震をみた場合、ここでの初めの地震はハタイ・サマン山で起きました。その後、断層が発生した。そして、それがカフラマンマラシュの他の断層を誘発しました。これらは、地下のエネルギー輸送という形で、断層が続きました。ヤロヴァのこれらの地震を見れば、おそらく主断層とこの地下には何らかのつながりがあるでしょう。しかし、我々は上で起きる地震の、すなわち、ヤロヴァより上で起こる地震が北アナトリア断層に関連した跳ね返りを起こし得ると予測しています。」



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( 翻訳者:田端咲希 )
( 記事ID:57534 )