ニッサン、灰からよみがえる?
2025年04月17日付 Hurriyet 紙


苦境にある日産はトランプ関税措置の中、アメリカにある生産工場の「最大化」を目指す。

日産自動車は、ドナルド・トランプ米大統領による25%の自動車関税に面し、アメリカにある最も大きな工場の生産量を「最大化」することを目指している。

1月に、日産アメリカズの会長に就任したクリスチャン・ムニエ氏は、関税が自動車メーカーの苦境にあるアメリカ事業を立ち直らせるのに資するよう、国内生産を増やす計画を加速させると発言した。
ムニエ氏は、「大規模な施設と大きな生産能力は有しているが、現状では最大キャパシティに達していない。キャパシティを高めるための余地がまだまだある。より多くの米国製品の販売と、メキシコと日本から来る車両の調整を考えている」と述べた。

■年間31万4500台を製造した
ムニエ氏は「最終目標」をテネシー州スナーマにある600万平方メートルの工場の製造キャパシティを「最大化」することだと述べた。工場は、3シフト制で年間64万台を製造するキャパシティを有しており、昨年は2シフト制で約5700人で31万4500台以上の車が製造されている。
ムニエ氏は「キャパシティを最上に引き上げ、スマーナを昔のように力ある街にしたい。これが私の最終目標だ、工場をフル稼働させ、また多くの金を稼ぐ」と述べた。

■どの車に注力するのかには答えず
ムニエ氏は、最も売れている車である日産ローグを含む4車種を生産している工場の生産量を最大にするが、その時期については推測することを拒否した。計画を変え、製造を移転するには時間を要するという。ムニエ氏は「アメリカで私たちが有している現行モデルを増産し、今後2年間で1つ、あるいは複数の新しい製品をアメリカ市場に投入するという計画は持っている。しかし、一夜にして実現することはできない」と言った。
ムニエ氏の発言は、トランプ大統領が一部の自動車工場を潜在的に「支援」したいと言った2日後になされ、企業の生産計画を変更するためには時間が必要だとして次のように述べた。

「スマーナ工場ヘハイブリッド製品に加え、インフィニティモデルのような新たな製品を加えることを考えている。また、モーターのようなドライブライン増産の分析や、国内生産比率の向上も検討している。
幸いなことに、我々には柔軟性がある。仕事を通常よりもさらに速く行う能力がある。関税より前にこれについて進めていた、なぜならローカリゼーションが正しい道になることを信じているからだ。」

トランプ大統領が先週、ベースライン関税を撤回したにもかかわらず、米国に輸入される車に適用される関税は4月3日から施行された。車部品に対する25%の追加関税は5月3日から施行されることが予定されている。

ムニエ氏は、この潜在的な部品関税は会社と計画へ損害を与えるとして、「25%で全く損害を与えない解決が見られると良いのだが、これは高すぎる。妥協策を求める」と述べた。

■メキシコにも工場がある
日産は、メキシコに日産キックスや日産ヴァーサのような輸入車を含む様々な車を製造する2つの組み立て工場を有する。メキシコのUno TVは、2024年に日産はメキシコで約67万台を生産し、45万6千を超える輸出を行ったと報じている。
日産はアメリカで年間100万台を超える車両、140万基のエンジン、140万個の鍛造品、45万6千個の鋳造品を生産できる組立工場があるという。この工場で、2024年にはアメリカで約52万5600台の自動車を生産した。

スマーナのほか、テネシー州に大規模なパワートレイン工場、ミシシッピ州カントンにも大規模な車両組立工場がある。

カントン工場では現在、日産アルティマ・セダンと日産フロンティア中型ピックアップトラックを生産している。アルティマは1シフト、フロンティアは2シフトで約5000人の従業員を雇用する。

ムニエ氏によると、ローグとパスファインダー、そして近年市場シェアが大幅に低下し、同セグメントで7%から8%程度にまで落ち込んでいるフロンティアは、日産にとって米国で最も成長が期待できる車種のひとつである。

■値下げ
日産は関税引き上げを受けて、ローグとパスフィンダーの価格を車両とモデルによって640ドルから最大2000ドル引き下げた。またインフィニティはメキシコで作られる高級ブランドSUV2のため、アメリカからの新規受注を停止した。

 

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( 翻訳者:大﨑 萌 )
( 記事ID:59982 )