シリア:イスラエル軍がクナイトラ県に侵入、非武装地帯内に国旗掲揚
2025年05月10日付 al-Mudun 紙


■イスラエル軍がクナイトラに侵入:タッル・アフマルに国旗掲揚

【本紙】

シリア南部の治安状況が新たに激化するなか、イスラエル軍傘下の部隊が土曜日早朝にクナイトラ県南部のサイダー・ハーヌート村内部に侵入した。これは、ここ数か月のイスラエルによるシリア領土内での地上作戦としては最大規模のものとなる。

複数の現地筋によると、兵士と警察犬を乗せた軍用車両8台からなる部隊が、偵察機が同地区の上空を激しく飛行するのと同時に同村に侵入した。

イスラエル軍は民間人の複数の家屋を襲撃し、捜索した。そして男性1人とその息子を一切の理由を示さずに拘束し、数時間にわたる拘禁ののち解放した。

この侵入は、占領軍がカウダナー町にあるタッル・アフマル・ガルビー基地の上に初めてイスラエル国旗を掲げたのと同時に起きた。同基地は、1974年の兵力引き離し協定に基づいて設置された非武装地帯の内部にある。

この行動は象徴的かつ戦略的な意味を持つとみられ、この地域に恒久的なプレゼンスを確立しようという占領軍の意図を反映している。

同様にイスラエル軍はクナイトラ県中部田園地帯のアドナーニーヤ基地でのプレゼンスを強化し、クナイトラ県と占領下ゴラン高原との境界にある通行所に6台の戦車を配備した。この注目すべき動きは、衝突のぼっ発や軍事的激化について地域住民に不安を引き起こすこととなった。

これらの地上の動きと時を同じくして、クナイトラ県およびダルアー県からダマスカス郊外県にかけての上空で、イスラエル軍の戦闘機と偵察機による激しい飛行が行われている。これは、昨今占領軍の活動の活発化や現場での交戦規定の変更が見られるシリア南部における緊張の高まりを明確に示している。

イスラエルが地上に既成事実を押し付け、国際社会が顕著な沈黙を続けている状況下で、シリア南部はさらなる緊張化の候補地であり続けている。そして今回の事態は次なる段階におけるさらなる激化を予感させている。

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( 翻訳者:鈴木美織 )
( 記事ID:60115 )