トルコ・アゼルバイジャン・パキスタン3者会談
2025年05月28日付 Milliyet 紙


トルコ・アゼルバイジャン・パキスタンの3カ国首脳会談で発言したエルドアン大統領は「困難な課題に対しての我々の連帯と共同実践の能力の向上を、選択としてではなく不可避なものとして認識している。」と述べた。

エルドアン大統領は、トルコ・アゼルバイジャン・パキスタンの団結の重要性を、地域で見られる動向が日々、明らかにしていることを述べた。

エルドアン大統領はアゼルバイジャンの独立記念日に合わせて訪れているアゼルバイジャンのラチン市で、アゼルバイジャンのイルハム・アリエフ大統領とパキスタンのシャバーズ・シャリフ首相と行った首脳会談で発言した。

昨年、アスタナで初回を実施したトルコ・アゼルバイジャン・パキスタンの3カ国首脳会談の第2回会合に出席した際、アリエフ大統領にその誠実な主催に感謝するとともに、アゼルバイジャンの独立記念日を祝った。

エルドアン大統領は自分の命をかけてアゼルバイジャンの独立を守った殉職者たちに敬意を表しながら、「私たちは相互の愛、尊敬、信頼のもとにあり、同じ文明の環境で育ち、そして共通の理想を共有する3つの兄弟国である。約3億5千万人の人口、1兆5千億ドルの経済規模を有する我々の国々の間にある絆をより強固なものとしていく。」と述べた。

3カ国間の関係を戦略的パートナーに発展させるためのあらゆるステップを支えていくことを強調したエルドアン大統領は以下のように付け加えた。

「我々の地域での動向は我々の国々の間での連帯がどれほど重要なのかを日々、明らかにしている。30年間の占領のあとアゼルバイジャンの領土が自由を獲得したことにより、もはやこの地域の安定、繁栄、発展が焦点となることを願っています。今朝、我々が開港させたラチン空港が、地域の長年求めてきた発展と世界との統合に重要な貢献をするものであると信じている。」

■「停戦が恒久的な平和へと発展することを望んでいる。」

エルドアン大統領は5月25日、日曜日にパキスタンのシャリフ首相をイスタンブルに招待したことに触れ、以下のように評価した。

「我々の会談で、ハイレベル戦略協力会議についての協力の過程を我々は見直した。トルコとパキスタン間の深い歴史的、人的関係をより強化させることで合意した。この機会に、パキスタンとインドの間に勃発した緊張が停戦という形で終結したことに満足の意を表したいと思う。この間見られた、冷静で先見の明のある姿勢に対して、シャバーズ首相とパキスタンの関係機関に再度、祝意を表す。我々は停戦が恒久的な平和へと発展することを望んでいる。トルコは、この道筋にいかなる貢献もする用意がある。」

■「共同実践の能力の向上を、選択としてではなく不可避なもの」

トルコ、アゼルバイジャン、パキスタンは、ユーラシア大陸の十字路に位置する極めて戦略的な地域にあることを指摘したエルドアン大統領は「我々の地域と地域外でも、安全保障上の脅威から経済的障壁やエネルギーと食糧の危機に至るまで多くの課題を同時に経験している。この困難な課題に対して、我々の連帯と共同実践の能力の向上を、選択としてではなく不可避なものとして認識している。」と述べた。

エルドアン大統領は、3カ国間での協力が推し進められるため、今日の会談で重要なテーマについて意見交換を行ったことに触れ、「3カ国の協力が制度化されるため、今後、外務大臣たちが必要な作業を行う。特に共通の課題として目の前にある貿易や投資、交通インフラ、エネルギー、防衛産業、テロとの戦いのようなテーマについて、我々の共通のビジョンを反映した強固な枠組みを準備する。」と述べた。

■「発展の道、南北の交通回廊」のようなプロジェクトにともに貢献する

エルドアン大統領は、トルコ、アゼルバイジャン、パキスタンが参加する3カ国首脳会談と大臣級会合が定期的に開催されること、そしてこれにより進められる協力関係を制度化させることに言及した。

これについて、防衛分野での協力を深めること、テロとの戦いと国境の外の脅威に対して共通の決意を深化させることを明らかにしたエルドアン大統領は以下のように付け加えた。

「貿易を簡素化させること、投資の促進、DXの分野において共に進歩することを目的としている。我々の協力のトップレベルの戦略的側面を構成する交通インフラについては『発展の道』『中部回廊』『南北交通回廊』のようなプロジェクトに共に貢献する。文化・教育分野では特に、若者と学術研究者たちの相互交流を増加させるプロジェクトについて動いている。エネルギー安全保障、食糧供給安全保障、再生可能エネルギー分野での機会をともに評価したい。全てのこれらの分野での名高いプロジェクトを実現することで、3カ国間の協力関係をより深化させ、我々の国民は新たなものを得られるだろう。」

■世界に対し「イスラエル政権に対する圧力を強化する」呼びかけ

二極化が深まり、ブロック化が進む今日、国際システムが徐々に正統性の危機に陥っていることを目の当たりにしていると強調し、エルドアン大統領は以下のように続けた。

「国際システムの中にある危機の現在の明白な一例は、イスラエルによるパレスティナでの絶え間ない残虐行為と、それに相対する領土拡大政策である。私たちは、ガザで虐殺されている罪のない子どもたちや人々の権利を守り続ける決意である。我々の地域の平和を壊そうとするあらゆる企てに反対することを、あらためて強調しておきたい。我々の土地は血と涙に満ちている。ここから全世界に対し、ガザでの恒久の停戦の実現と絶え間ない緊急人道支援を送るためにイスラエル政権について圧力を強化する呼びかけを行う。」

会見の最後、アゼルバイジャンのアリエフ大統領とアゼルバイジャン国民に、彼らのおもてなしに感謝を伝えたエルドアン大統領は「我々の道と幸運を開いてくださいますように。我々の兄弟愛を永遠なものにし、我々の団結を恒久的なものにされますように。」と述べた。

エルドアン大統領がアゼルバイジャンのアリエフ大統領とパキスタンのシャリフ首相と行った首脳会談では、ハカン・フィダン外務大臣とアルパルスラン・バイラクタル資源・エネルギー大臣、ヤシャル・ギュレル国防大臣、アブデュルカーディル・ウラルオール交通インフラ大臣、イブラヒム・ユマクル農業・森林大臣、オメル・ボラト貿易大臣、外交、防衛政策担当のアキフ・チャータイ・クルチ大統領首席顧問も同席した。

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( 翻訳者:伊藤颯汰 )
( 記事ID:60216 )