サイバー攻撃におびえるイラン、ATMストップ
2025年06月17日付 Cumhuriyet 紙


イランの主要銀行の一つであるセパ銀行を狙った大規模サイバー攻撃により、同国のATMシステムをが崩壊した。「プレダトリー・スパロウ」という名のハッカー集団が全てのデータを消去したことを主張すると、イラン・イスラム共和国中央銀行は「全て順調だ」と声明を出した。

イランの主要金融機関の一つでありイラン軍とイスラム革命防衛隊との緊密さで知られるセパ銀行は、火曜日に大規模なサイバー攻撃の標的となった。攻撃は、過去にイランの製鉄所と燃料インフラも標的としたプレダトリー・スパロウ(肉食スズメ)という名のハッカー集団によるものである。

ソーシャルメディアで声明を出したハッカー集団は、銀行の全てのデータを消去したことを明らかにした。この声明は、イラン全土の銀行システムに大規模な障害が発生すると同時に出された。
セパ銀行を狙って実行された大規模なサイバー攻撃の後に、全国のATM機が使用不能となった。

イラン・インターナショナルの取材に応じた顧客らは、セパ銀行の口座にアクセスできず、一部の支店が完全に閉鎖されたと語った。セパ銀行はイランで1800以上の支店を有し、イギリス、フランス、ドイツ、イタリアにも支店がある。
国営イラン通信(IRNA)に対して、中央銀行の広報担当者は、「全ての銀行システムは正常に稼働しており、顧客サービスを行なっている」と述べた。

■コサール銀行とエンサール銀行も影響を受けた
攻撃はセパ銀行にとどまらなかった。イラン軍との関連で知られるコサール銀行とエンサール銀行でも、銀行カードが使用不能となった。これら両行は以前、アメリカの制裁対象にもなっていた。

イラン当局からはまだ公式な発表はないが、イスラム革命防衛隊に近いことで知られるファールス通信は、セパ銀行での問題は数時間以内に解消される見込みだと報じた。

プレダトリー・スパロウは、セパ銀行を標的にしたのは、同行がイランの核およびミサイル計画に資金を提供したことが理由だと発表した。ハッカー集団は、セパ銀行が国際的な制裁を回避し、軍事プロジェクトに資金を供給するために利用されていると主張している。
イランは過去にこのハッカー集団を、特にイスラエルが支援する外国の情報機関と関係があるとして非難していた。

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( 翻訳者:小玉桃子 )
( 記事ID:60334 )