北イラクでメタンガス事故、トルコ兵5名死亡
2025年07月06日付 Milliyet 紙

北イラクの(トルコ軍による)『かぎ爪』作戦地域で2022年に殉職したヌリ・メリフ・ボズクルト陸尉の遺体回収を目的とした捜索活動中、兵士19名がメタンガスに曝露したとトルコ国民防衛省が発表した。この事故は洞穴内で発生。事故後、入院していた兵士のうち5名が懸命な治療の甲斐なく殉職したと報じられた。国防省は殉職兵士5名の氏名を公表した。

同省の文書声明によれば、『かぎ爪』作戦を展開中の地域で2022年5月28日、洞穴の探索・掃討活動の際にテロリストが発砲し、ヌリ・メリフ・ボズクルト陸尉が殉職した。その時期には激しい銃撃戦があり、ボズクルト陸尉の遺体を回収できていなかった。その後、同地域が鎮圧されテロリストは無力化されたものの、捜索活動もむなしく、殉職兵の遺体は見つかっていない。声明は、ボズクルト陸尉の遺体が発見される可能性のあるすべてのエリアで特別編成チームが入念に捜索していると強調しつつ、次のような情報を公表した。

「現在進行形の捜索活動の一環で今日おこなわれた捜索活動中、兵士19名がメタンガスに曝露され、直ちに病院に搬送された。事故現場となった洞穴は、『かぎ爪』作戦が展開された地域の標高852メートル地点の丘にある。かつて病院として使用されており、テロリストらが片づけていた。あらゆる治療が施されたが5名の兵士が英雄となり殉職した。現地での救助活動は、完全装備のうえでトルコ緊急対策庁(AFAD)チームとトルコ軍チームが連携して進めている。

深い痛みと悲しみをもたらした悲劇によって命を落とした愛すべき殉職者らにアッラーのご慈悲があらんことを。悲嘆に暮れる遺族、トルコ軍、そして崇高なトルコ国家に哀悼の意を示すとともに、乗り越える忍耐力があることを祈る。また、負傷した兵士らの一刻も早い回復を祈る。以上、謹んで発表する。」

■殉職兵士5名の氏名公表

『かぎ爪』作戦展開地域の洞穴での捜索活動の際、メタンガスに曝露され殉職した兵士に向け、ヤシャル・ギュレル国防大臣が追悼メッセージを発表。ギュレル大臣は、「2025年7月6日、英雄たる我らの戦友らが殉職した。彼らに対し、私個人として、そして国民防衛省を代表してアッラーのご慈悲があることを祈っている。悲しみに暮れる遺族と崇高なトルコ国家に哀悼の意を表し、乗り越えられる忍耐力があることを祈っている」と述べた。

追悼メッセージのなかで公表された殉職兵士の役職・氏名は以下のとおり:
・エゲ・アカル一等中尉
・アブドゥラフマン・アクドアン上級軍曹
・オズカン・オズカンル契約歩兵
・マフソン・イェシルデミル契約歩兵
・アフメト・クシャク契約歩兵

■殉職の報せがアクサライ県の家族のもとへ

トルコ軍の『かぎ爪』作戦が展開された地域の洞穴で、捜索活動中にメタンガスに曝露された兵士の一人、オズカン・オズカンル契約歩兵(25)が殉職した。この痛ましい知らせが、彼の故郷アクサライ県の家族に届いた。
オズカンル歩兵は独身で2023年に任務を開始した。故郷アクサライ県の母フリエ・エズカンルさんに軍関係者から悲報が知らされた。遺族が暮らす地区にはトルコ国旗が掲げられた。オズカンル歩兵には兄弟が二人おり、父親のバイラム・アリ・オズカンルさんはすでに他界している。

殉職したオズカンル歩兵の葬儀は明日(7月7日)執り行われ、(遺体は)アクサライ県内で埋葬される。

■マラティヤ県のアブドゥルラフマン・アクドアン上級軍曹宅にも殉職の報せ

メタンガス事故で殉職したアブドゥルラフマン・アクドアン上級軍曹の悲報が、マラティヤ県ピュテュルゲ郡の家族に伝えられた。事故のニュースはタシュバシュ地区に住む父レムズィ・アクドアンさん、母セバハト・アクドアン、その他の家族に当局から伝えられた。
家族が暮らすマンションにはトルコ国旗が掲げられた。マラティヤ県セッダル・ヤヴズ知事およびサミ・エル郡長が自宅を弔問し、遺族に哀悼の意を伝えた。

■イズミル県のエゲ・アカル中尉の家族にも殉死の報せ

メタンガス事故に遭ったエゲ・アカル中尉の殉職の報せがイズミル県の家族に届けられた。

ブジャ郡アイドウ地区の集合住宅で暮らす殉職者家族のもとに当局職員が訪れ、アカル中尉(26)の殉職を伝えた。
集合住宅の前には自治体職員によって弔問用のテントが設置された。また、家族が暮らす部屋と集合住宅にトルコ国旗が掲げられた。

殉職者の父親は退役した元空軍司令部下士官、母親も退役した軍職員であり、兄弟がひとりいることが明らかになっている。

■アフメット・クシャク歩兵の家族にも殉職の報せ

メタンガス事故で殉職したアフメト・クシャク契約歩兵(23)の悲報がバルケスィル県の家族に伝えられた。

ケプスト郡郊外アラギュネイ地区の父親宅に(当局関係者が)訪れ、父メフメト・クシャクさん(66歳)、母ジェミレ・クシャクさん(65歳)をはじめとする親族に殉死の報が伝えられた。
殉職者の父親宅にはトルコ国旗が掲げられた。

殉職の報せを受け、近親者や隣人らが父親宅を訪れた。殉職した歩兵は独身で、5人兄弟だった。ケプスト郡タルク・イェルリカヤ郡長も遺族に哀悼の意を表した。

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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:60422 )