シリア:ドゥルーズ派指導者が「戦争犯罪人」を内務治安部隊の司令官に任命
2025年08月07日付 al-Mudun 紙
■ヒクマト・ヒジュリー師、「戦争犯罪人」をスワイダー県の内務治安部隊の司令官に任命
【本紙】
ドゥルーズ派の精神的指導者であるヒクマト・ヒジュリー師が設立した「最高法務委員会」は、追放されたバッシャール・アサド元大統領の統治下でタルトゥースの政治治安局長を務めていたシャキーブ・アジュード・ナスル氏を、スワイダー県の内務治安部隊の司令官に任命した。
〈戦争犯罪の嫌疑〉
ナスル氏はスワイダー県北西部の田園地帯にあるニジュラーン村で生まれた。同氏は、放逐された政権下で、タルトゥースの政治治安局長を含む複数の治安関連の地位に就いており、その際シリア国民に対して広範に渡る犯罪と侵害を行ったと疑われている。
ヒジュリー師の決定は、特にシリア革命の時期における「戦争犯罪人」の任命という観点から、シリア国民の間に多くの疑問を呼び起こした。多くの人々の見解によると、これはつまり同師が革命と、その間のシリア国民の犠牲を認めていないということを意味する。特に彼は以前、前政権の軍隊の死者に対する給与支払いを、数年にわたる戦争の間、スワイダー県の住民に負担させていた。
同様に、ヒジュリー師の決定はスワイダーをシリアの地理的領域から切り離し、県の自治を要求するための前段階として「カントン」(自治行政区)を設立する試みだとみなされている。これは、ダマスカスのシリア中央政府から独立するためのシリア北東部の自治要求と同様の方法である。
注目すべきは、シリアの内務大臣の決定によって、スワイダー県の政治治安局長の地位にアフマド・ダーラーティー氏が就いていることである。
〈一連の任命〉
ナスル氏の任命は、最高法務委員会が行った人事の一環であり、これには他にもスワイダー県臨時執行部の設立や、マーヒル・ガーリブ・アンドラーニー氏の同県の事務局長への任命、同部局への委員らの割り当てが含まれている。
さらに弁護士のマージド・サイード・バイルーティー氏が運輸・交通・電力・通信部門の、マーズィン・ファーリス・タウィール博士が保健・文化・青少年・スポーツ部門の、エンジニアのハルドゥーン・ファウズィー・アブー・サアダ氏が経済・商業・産業部門の各責任者に任命された。
これに加え、エンジニアのニダール・ムハンマド・アズィーズィー氏が計画・予算・公社部門の管理責任者に、弁護士のイサーム・アリージュ氏が農業・水・水源・不動産権益部門の責任者に、そしてナワール・ユーニス・ナイーム博士が教育・観光・遺跡・環境・鉱物資源部門の責任者にそれぞれ任命された。
これら一連の任命は、ヒジュリー師がシリアの地理的領域から独立したスワイダーの「カントン」を設立しようとしており、またシリア政府およびその機関とあらゆる連絡および関係を断つとのメッセージを送っているという疑惑を強めた。
2週間前には、ヒジュリー師は「法的および人道的活動を体系的に運用」し、「このセンシティブな局面において国民の権利を保全」する事を目的として、スワイダー県内に法・人道諸委員会を設立すると発表していた。
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( 翻訳者:鈴木美織 )
( 記事ID:60613 )