ガザ平和会議へのネタニヤフ参加を拒んだ19分間のドラマ
2025年10月14日付 Milliyet 紙


エルドアン大統領の注意喚起の後、イスラエルのネタニヤフ首相がエジプトでの首脳会議参加を取り消したのは、世界の報道で大きな反響を呼んだ。詳細は以下の通りである。

ガザでハマス・イスラエル間で停戦が成立し捕虜交換をした後、注目は重要な首脳会議が開かれるエジプトのシャルム・エル=シェイクの町に向けられていた。

アメリカ合衆国大統領ドナルド・トランプ氏は、10月9日に、エジプトで続いていた間接的交渉の末にイスラエル・ハマス間でガザ停戦計画の第一段階が承認されたと発表し、次いで地域諸国と広範な平和首脳会議を開くことになる、と発表していた。

この枠組みの中で昨日行われた会議は、「ガザにおける平和首脳会議」という名称で開催された。この首脳会議はアメリカ大統領ドナルド・トランプ氏とエジプト大統領アブドゥルファッターハ・アッ=シーシ氏が議長役となって行われ、トルコはレジェプ・タイイプ・エルドアン大統領が代表となった。

◾️「意向文書」に署名

会議には35か国の指導者が参加した。この首脳会議で、エルドアン大統領、アメリカのトランプ大統領、エジプトのアッ=シーシ大統領、カタールのシェイク・タミーム・ビン・ハマド・アール=サーニー首長は、ガザでの停戦の維持と地域の平和強化を見込む「意向文書」に署名した。

世界の報道はシャルム・エル=シェイクでの歴史的な会談を一面に掲げたが、首脳会議にインパクトを残した出来事は、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の参加に対するトルコの外交的な動きであった。

◾️飛行機、再離陸

エルドアン大統領を乗せた飛行機が空港に着陸しようとしていた時、ネタニヤフ氏がエジプトでの首脳会議に参加しようとしているとの情報が入った。このニュースを受けて、同大統領を乗せた飛行機は滑走路を通過し、再び離陸した。飛行機は紅海上空で待機し始めた。

◾️19分間、空中で待機

この間、飛行機内では激しい外交のやり取りが行われた。エルドアン大統領の「ネタニヤフ氏の首脳会議参加は受け入れられない」というメッセージが、アメリカ当局にも伝えられた。エルドアン大統領のこの姿勢は、首脳会議に参加していた他の諸国からも支持を得た。直前の危機は、エルドアン大統領の働きかけの結果、ネタニヤフ氏の首脳会議参加が阻止されることで解決された。ネタニヤフ氏が首脳会議に参加しないとの情報が公式なルートから確認されると、エルドアン大統領一行を乗せた「TUR」という名の飛行機は19分間空中で待機した後、首脳会議が開かれるシャルム・エル=シェイクに着陸した。滑走路通過行為が招待問題と関係ないとされた。世界の報道はこの出来事を一面に取り上げた。

◾️「招待が受け入れられるなら、飛行機はエジプトに着陸しない」

イギリス・メディアの『ガーディアン』紙は、トルコが首脳会議で決定的な役割を果たしたと述べつつ、ネタニヤフ氏が首脳会議に招待された後に起きた外交危機の舞台裏を詳細に伝えた。

同報道では、「ネタニヤフ氏をシャルム・エル=シェイクでの首脳会議に招待するというトランプ大統領の計画は、エルドアン大統領が、もし招待が受け入れられるなら自身の飛行機をエジプトに着陸させないと通知したことによって取り消された」との表現が用いられた。

エルドアン大統領がガザにおけるイスラエルの攻撃を幾度も「ジェノサイド」と形容したことも報道で指摘され、またネタニヤフ氏に関する国際刑事裁判所の逮捕決定にも触れた。

◾️「トルコが外交的介入を開始した」

アメリカ拠点の報道機関AP通信は、トルコがネタニヤフ氏の首脳会議への参加を阻止するために「外交的介入」を始めたと記した。同通信社は、この介入が他の国々からも支持を得て、その後ネタニヤフ氏がエジプトへの訪問計画を取り消した、と伝えた。

◾️参加するなら首脳会議をボイコット

イスラエルの報道でもトルコの外交的動きは大きな反響を呼んだ。『イスラエル・ハヨム』紙は、アラブの指導者たちがネタニヤフ氏の首脳会議参加というニュースに強く反発し、一部の指導者たちは「もし参加があれば首脳会議をボイコットする」と表明したと書いた。

報道では、「エルドアン大統領は、もしネタニヤフが首脳会議に来るなら、自身の飛行機をアンカラへ引き返させると突きつけた。この突きつけが効果をもたらした。ネタニヤフ氏はトランプが推奨したにもかかわらず首脳会議への参加をやめた」とされた。

『タイムズ・オブ・イスラエル』紙は、エルドアン大統領がエジプトのアッ=シーシ大統領に電話をかけ、ネタニヤフ氏が首脳会議に参加する場合はアンカラへ戻ると明言した、と主張した。

◾️「エルドアンが介入した」

ドイツ拠点の『ライニッシェ・ポスト』紙は、ネタニヤフ氏の首脳会議不参加の判断が「エルドアンの介入により採られた」と述べ、エジプト政府が当初ネタニヤフ氏の参加を認めたが、約40分後にイスラエル首相官邸がシャルム・エル=シェイクへ同首相が行かないと発表した、と伝えた。

同紙はまた、「エルドアン大統領は、ネタニヤフ氏の参加計画をシャルム・エル=シェイクへ向かっている途中で知った。エルドアンの飛行機は紅海上空でしばらく旋回した。ネタニヤフ氏が会議に来ないことが確定すると、トルコ代表団は着陸した」との表現を用いた。

◾️首脳会議にトルコの刻印

世界の報道によると、シャルム・エル=シェイクで行われた首脳会議の真の勝者はトルコ外交であった。エルドアン大統領の断固たる姿勢とアンカラの外交的反応は、ネタニヤフの首脳会議参加を阻止すると同時に、トルコの中東和平過程における決定的役割を今一度明らかにした。

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( 翻訳者:鈴木啓太 )
( 記事ID:61001 )