トルコ全土で次から次へと発生しているクマの襲撃は、とても危険な事実を明らかにした。専門家たちは、野生生物の自然をどのように我々が破壊してきたかを科学的なデータで説明する一方、クマと遭遇した時にどうすべきかについて最も重要な薦めを列挙した。
■Tシャツを燃やして生還
先日、サカルヤ県ヘンデク郡でクマの襲撃事件が発生した。栗を拾っている時に襲撃に遭ったエジェヴィット・コルクマズさんは、2回目の攻撃時に最後の手段としてTシャツを脱いで燃やしながらクマを遠ざけることに成功した。
9月にも再びサカルヤ県ヘンデク郡でクマの襲撃事件がまた発生した。ジェヴァト・スンマンさんは、河床を移動している際にクマの襲撃に遭った。
地面に倒れた瞬間にクマも自分と一緒に倒れたと述べたスンマンさんは、「私は家で退屈していた。いとこの家に行くところだった。その時に、クマが私の肩の方に向かって攻撃してきた。熊が私の足を持ち上げ、私は倒れた。クマも私と一緒に地面に倒れた。私もその瞬間にその場にあった木に登った。丘に上り、いとこに電話をかけ、状況を説明した。私はいとこの家まで行き、その時に救急車もいとこの家に着いた。その後、私は病院に搬送された。クマは私の後を追いかけてこなかった。丘を下って行った。」と述べた。
■ハイキング中の悪夢
6月にハッキャーリ県チュクルジャ郡カザン谷のハイキングに出発した4人組はクマの襲撃に遭った。
さらに7月にディヤルバクル県からカルス県キャーウズマンの息子のところ来て、ハイキングに出かけたサドゥン・オネンさんは、コズル村付近でクマの襲撃に遭った。
ここ最近なぜクマと人が頻繁に遭遇するようになったのか。こうした遭遇には人々の方に問題があるのか。また、最も重要なことは、クマと遭遇した時に生還するには、何をしなければならないのか。
■世界で最も急速に自然を破壊している国の一つ
自分自身も以前に何度もクマと遭遇し、この問題をフィールドワークとしているニーデ・オメル・ハリスデミル大学理工学部生物科学科アフメト・カラタシュ教授は、トルコ全土で次から次へとクマの襲撃が発生していることに特定の原因があるのか否かを説明した。
「トルコでは自然生活環境は毎年ひどく減少している。世界で最も急速に自然が破壊されている国の一つである。そもそも熊は私たちの空間には来ない。私たちが彼らの空間に向かっている。同様のことが、猪、鹿、狐といった多くの動物に当てはまる。」
「樹木伐採、森林破壊、村落居住区域の増加、農地開墾と言った理由で、私たちが動物の生活空間を占拠していっている。結果的に動物たちはやむなく人々と対面することになる。世界では生態系の問題が列挙される際に最初に指摘されるのは生息域の消滅・分割化である。上で述べた点も生息域の消滅につながっている。」
◾️罰金は13万リラであるが
黒海工科大学森林学部のオウズ・クルドール准教授は、熊は時々全くひどく離れている異なる村で食料を探し、村の人々がこうした状況を熊の数が増加したとか、このために村に降りてきたと考えていると述べた。
同准教授は、村落では広く熊の被害と同時に熊の油の健康への好影響が信じられているので、「熊市場」が話題となると述べ、こう加えた。
「2025年、熊殺傷の罰金は13万リラであるが、違法な殺傷は継続している。殺傷された熊の数に関して、確かな数字を述べるのは非常に困難である。ただ絶えず現場に身を置く者として、人との問題がさらに生じようとも、熊の数が増えているとは考えていない。」
(中略)
◾️トルコで熊が多く暮らす場所は
[ニーデ・オメル・ハリスデミル大学]カラタシュ教授は、「トルコで熊の生育分布は、黒海地域、マルマラ地域の比較的都市から離れた場所を始めトルコの北部に当たっている。このほか、トルコ東部地域の多くの場所で熊が頻繁に目撃される山間地域がある。熊との遭遇は、とりわけトルコ北部地域の県で生じている。」
(下略)
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( 翻訳者:新井慧 )
( 記事ID:61069 )