スーダン:即応支援部隊による市制圧と民族浄化、人道危機が高まる
2025年10月28日付 al-Quds al-Arabi 紙
◾️スーダンで「血の浴場」:『即応支援部隊』が集団処刑を行ったとして非難される
【ハルツーム:本紙】
ダルフールのエル=ファーシルと北コルドファンのバーラーの両都市は、『即応支援部隊』による制圧後、「血の浴場」と形容される惨状となっている。「ハミーダティー」ことムハンマド・ハムダーン・ダカルーが率いるこの部隊は、現地の医療筋および目撃者によれば、「民族を理由とした」集団処刑や殺害を実行している。
『エル=ファーシル抵抗委員会』の調整組織がフェイスブックのアカウントに投稿した写真や映像には、都市から逃げ出す市民の姿や、焼け焦げた車のそばの地面に散乱する遺体が映っている。
スーダン医師ネットワークは、『即応支援部隊』がエル=ファーシル市で「民族を理由として数十人を処刑した」と発表した。同ネットワークはまた、病院や薬局、衛生施設が略奪に遭っていると報告した。さらに、「治安の崩壊により被災地へのアクセスが困難なため、犠牲者の数は数十人を超えている」と述べた。
抵抗委員会はこの状況を、都市から逃げる民間人に対する、「最悪の民族浄化」と表現した。
同委員会はさらに、市民への支援や人道援助を提供するために従事していた集団炊き出し活動(タカーヤー)のボランティア数名が殺害されたと発表した。
犠牲者の中には、スーダン史上最年少の女性国会議員とされる前国会議員スィハーム・ハッサン・ハサブッラー氏も含まれていた。また、エル=ファーシル駐屯の陸軍第6歩兵師団の報道官を務めていたアスィヤー・ハリーファ氏も殺害された。
一方、ジャーナリスト協会の発表によれば、『即応支援部隊』の兵士らがジャーナリストのムアンマル・イブラーヒーム氏を拘束した。協会は、同氏の即時解放を要求するとともに、通信途絶や人道支援物資の到達困難を理由に、都市の治安および人道状況の悪化を警告した。
その一方で、ダルフール地域の避難民・難民調整機構は、エル=ファーシルでの最近の戦闘の結果、北ダルフールのタウィーラ地方に 360世帯と1,117人の避難民が到着したと発表した。
『即応支援部隊』が市の広範囲を制圧したにもかかわらず、目撃者によれば、軍部隊と武装勢力の合同部隊は、依然として西部の郊外やエル=ファーシル空港周辺で戦闘を続けている。
(後略)
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( 翻訳者:新階 望乃 )
( 記事ID:61072 )