レバノン:アウン大統領がイスラエルによる南部越境に対応するよう軍に指示
2025年10月30日付 al-Quds al-Arabi 紙


■レバノン大統領が初めて、イスラエル軍による南部越境に対処するよう軍に命じる

【ベイルート:アナトリア通信】

レバノンのジョゼフ・アウン大統領は木曜日、南部の解放地域へのイスラエル軍のいかなる越境にも軍が対処するよう初めて命じた。

木曜未明、イスラエル部隊が南レバノンに越境し、ブリーダー町庁舎内で職員1人を射殺したと報じられ、これまでにない種類の攻撃が発生したと位置づけられた。

大統領府は同日、ベイルートのバアブダ宮殿でアウン大統領がルドルフ・ハイカル参謀総長を迎えたと発表した。

会談でハイカル参謀総長は、ブリーダー町でのイスラエルの越境の詳細を大統領に説明し、その結果、自治体職員のイブラーヒーム・サラーマ氏が職務中に死亡したと報告した。

アウン大統領はハイカル参謀総長に対し、南部の解放地域におけるいかなるイスラエルの越境にも対処し、レバノンの領土と市民の安全を守るよう指示した。

さらに大統領は、今回のイスラエルの攻撃が、レバノンで水曜に開かれた停戦監視委員会の会合直後に起きた、度重なる侵攻行為の連鎖の新たな局面に当たると述べた。

さらに大統領は、「昨年11月の停戦合意の内容をイスラエルに遵守させ、レバノンの主権に対する侵害をやめさせるため」に、この委員会が動くべきであると続けた。

イスラエル側の主張

レバノン国営通信は木曜未明、イスラエル軍部隊が国境から1,000メートル超にわたって越境し、ブリーダー町庁舎内で職員のイブラーヒーム・サラーマ氏を殺害したと伝えた。

これに対し、イスラエル軍は、同庁舎が最近、ヒズブッラーの「民生インフラ」を装った「テロ活動」に使われていたと主張した。

ヒズブッラーは、午前9時55分(GMT)の時点でこの主張にコメントしていない。

一方、レバノン軍は、イスラエルの当該行為が犯罪行為にあたり、レバノンの主権を露骨に侵害し、停戦合意および国連安保理決議第1701号に違反するものであると非難した。

レバノン軍は、敵が持ち出す口実は事実に無関係であり、レバノンの一般市民に対する侵害を正当化するためだけのものだと述べた。

同軍は、停戦監視委員会に対し、イスラエルの繰り返される侵害を止めるために必要な措置を講じるよう要請したと説明し、国連レバノン暫定軍(UNIFIL)と連携してこれらの違反に対応していると付け加えた。

イスラエルは2023年10月に始めたレバノンへの攻撃で、これまでに4,000人超を殺害し、約1万7,000人に負傷を負わせた。

さらにイスラエルはヒズブッラーとの停戦合意にもかかわらず4,500回以上の違反を重ね、多数の死傷者を出したと指摘されている。

さらにイスラエルは、直近の戦争で占領した南部のレバノン領の5高地を占領し続けており、数十年来占領してきた他のレバノン領域も引き続き支配している。

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( 翻訳者:国際メディア情報センター )
( 記事ID:61085 )