ウクライナのゼレンスキー大統領が、今日アンカラでエルドアン大統領によって迎えられる。「和平交渉を活性化させるというスローガンのもと」行われる会談では、戦争終結を目指しながらも、しばらく停滞していた交渉の再活性化が議題となる。
トルコは、ロシアとウクライナの間で近年激しさを増している戦争を終わらせるための努力を続ける中、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が「和平交渉を再活性化させる」スローガンを掲げ、今日アンカラを訪れる。トルコを経由して、西側の同盟国と自国がロシアとの停戦及び和平交渉にどのような条件で臨む用意があるのかを最後に伝えることを目的とするゼレンスキー大統領は、米国とアラブ首長国連邦(UAE)の関係者に加え、エルドアン大統領とも会談を行う予定だ。
■ロシア側からは参加者なし
ゼレンスキー大統領は、一昨日、自身のテレグラムの公式チャンネルでトルコ訪問を発表し、投稿の中で「交渉プロセスを再活性化する準備を進めており、パートナーに提示するための、いくつかの準備済みの解決策がある。ウクライナは、戦争の終結を最優先事項としている。この過程で、捕虜交換を再び活性化させることも議題に挙がっている」と述べた。しかし、ゼレンスキー大統領の「和平交渉を再活性化させる」というスローガンは、モスクワ側ではまだ反応を得られていない。首都モスクワで記者団の質問に答えたクレムリン報道官ドミトリー・ペスコフ氏は、ロシア側代表が交渉に参加するかどうかという質問に対し、「トルコでゼレンスキー大統領と行われる11月19日の会談に、いかなる代表も派遣する予定はない。この会談に参加する第三国が、後から内容についてわれわれに情報を提供したいのであれば、喜んで耳を傾ける用意がある」と答えた。フリイェト紙に情報を提供した消息筋は、最近の戦況で両国が互いのインフラに大きな損害を与えていることに触れつつ、ゼレンスキーが大統領ロシア側に伝達するためのいくつかのメッセージを示すことが期待されていると述べた。
■フィダン外相が示唆していた
ウクライナとロシアの最初の和平交渉は、2022年にイスタンブルで行われた。両者は今年も、5月16日、6月2日、7月23日にイスタンブルで3回の協議を実施したものの、捕虜交換を除いて大きな成果は得られていなかった。ハカン・フィダン外相は、週末に出演した生放送の中で、戦争が終結の段階に近づいていると考えていると述べ、戦争を終わらせるためのトルコの努力が続いており、今後の過程で重要な歩みが見られるだろうと語っていた。
■キーウは緊迫した日々
アンカラでの会談には、ウクライナ国家安全保障・国防会議書記ルステム・ウメロフ氏が同行するゼレンスキー大統領だが、交渉プロセスを突如活性化させようとするこの動きは、11月10日に明るみに出た汚職スキャンダルと時期が重なっている。1億ドル規模の汚職事件で苦しい状況に置かれているゼレンスキー大統領の元ビジネスパートナー、ティムール・ミンディチ氏が「汚職の主な組織者」とみられている。多くの高官の名前も浮上しており、エネルギーシステムの復旧作業をめぐって、推定1億ドルが盗まれたとされる。ミンディチ氏は捜査開始前にウクライナを離れたとされ、エネルギー相スヴィトラーナ・フリンチューク氏と法相ヘルマン・ハルシチェンコ氏は辞任した。このスキャンダルは、ウクライナで早くも「ミンディチゲート」と呼ばれている。
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( 翻訳者:橋本 響 )
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