「テロのないトルコ」に向けたプロセスを進めているTBMM(トルコ大国民議会)国民統一・同胞・民主主義委員会は、賛成32票でイムラル訪問を決議した。AKP(公正発展党)、DEM党、MHP(民族主義者行動党)、新しい道からそれぞれ1名ずつの国会議員が、PKK(クルディスタン労働者党)を解散したアブドゥッラー・オジャラン氏と面会する。CHP(共和人民党)はイムラルへの派遣団に参加しなかった。
TBMM国民統一・同胞・民主主義委員会は昨日重要会合を開き、イムラル訪問の可否を議決した。各党の発表によると同委員会は、全体の5分の3である31票を超える32票の賛成票により可決した。1名が海外に滞在しているAKP(22票)、DEM党(5票)、MHP(4票)、EMEPとTİPの代表者が賛成票を投じた。CHPの11名と新福祉党の代表者は議決に参加しなかった。委員会に2名が参加している新しい道は棄権した。DSP、DP、HÜDA-PARの代表者は反対票を投じた。大国民議会の決定により構成される委員会が、近日中にイムラル島を訪問する。
■船ではなくヘリコプターで
DEM党のイムラル委員会と同様に、委員会はイムラル島にヘリコプターで向かう事がわかった。MHPのフェティ・ユルドゥズ副党首、DEM党会派副代表のギュリスタン・コチイイト議員の委員会への参加が発表されている。AKPは副党首でハタイ県選出のヒュセイン・ヤイマン議員の参加を発表した。新しい道も今日決定事項を発表する。
■公開された議論、非公開の投票
委員会は、3週間の間議題となっていたイムラル島訪問について話し合うため、昨日TBMMのヌマン・クルトゥルムシュ議長をトップとして式典ホールに集まり、クルトゥルムシュ氏は議題の重要性からメルメルリ・ホールで各党の調整役である会派副代表らと事前会合を実施した。同氏は、イムラル島訪問について評価する会議の場で同時に、以前「秘密裏に」行われ閣僚とMİT(国家諜報機構)長官も参加した第17回会議でのテーマについても評価すると述べた。クルトゥルムシュ氏は「今後のプロセスに関するいくつかのテーマについて、ここで開かれた形で話し合うべきだ。特に第17回会議の内容は特に重要な情報として我々の前にある。大臣やMİT長官らが現場の動向について示した例や発言は、我々にとってとても重要であることを強調したい」と述べた。
■CHPのメンバーが退席
クルトゥルムシュ氏の提案により、会議が非公開で行われることについて話し合われた。CHPと新しい道のグループと、TİP・ EMEP・DSP・HÜDA-PAR・DPのグループは、非公開での会議という案に反対した。投票ではAKP、MHP、DEM党の賛成票により非公開での会議となることが決まった。非公開の会議の決定を受けて、CHPのメンバーが会議を途中退席した。委員会メンバーでCHP会派副代表のムラト・エミル氏は、ボイコットはこの会議のみのものであり、委員会には参加し続けるがイムラル島を訪問する小委員会へのメンバー派遣は行わないと明らかにした。
■クルトゥルムシュ:最後の段階にいる
クルトゥルムシュ議長も、今に至るまでの活動が成熟して進んだことに対するメンバーの支援に感謝した。クルトゥルムシュ氏は「この委員会は、歴史的な呼びかけと歴史的な責任の結果として設立された委員会だ。歴史的な責任はただ多元主義の理解のもとでのみ実現可能だ。この活動の意味はなにか?非常に強固な国民の団結、連帯、民主主義を強化する素晴らしく強固な報告を出すことだ。この委員会が今後の最終段階において実現させる最も重要な任務の1つがこれだ」と述べた。
■早わかりスケジュール
会議の後、議会議長室は「メンバー全員のうち5分の3の多数票で、イムラル高等治安維持刑務所を訪れることが決まった」と発表した。各党からイムラル島訪問については遅くとも今朝までに、また最終報告の準備に向けて11月28日までに意見を表明することが求められる。
■CHPの主張
CHPのムラト・エミル氏はイムラル島に訪問しない理由を説明し「現時点では国民の意思を担保にした代理人制度の適用が続いている。政治的な訴訟によって民主主義が阻害されている。国内の平和を確保する必要がある中で、すべての問題がイムラル訪問の是非に結び付けられることに、国民の合意がない。すべての人に強調したいのは、CHPは今日解党訴訟に直面しているということだ。当選した市長らは投獄されており、子供や家族は抑圧されている。しかし我が党は、これらすべてにかかわらず民主主義と解決の希望を持ってこの委員会に留まり続けている」
■映像での接続を要求
会議のうち報道陣に公開されていた部分で、CHP、新しい道、DSP、HÜDA-PAR、DPのグループは、イムラル刑務所とトルコ大国民議会の間にSEGBİS(音声・映像コミュニケーションシステム)などの技術的な手段で映像での接続を構築し、アブドゥッラー・オジャラン氏とコミュニケーションを取ることを提案した。CHP会派副代表のエミル氏は「島にたった5人の国会議員が行く代わりに、技術的な可能性を駆使し、より簡単に、参加しやすく、意見の対立がないプロセスで進めることが可能だ。この可能性を評価する価値はある。他の委員がこのことを評価する場合は、我々も必ず新しい評価を開始する。委員会の訪問団に我が党のメンバーを派遣することが正しいとは考えていない」と述べた。
委員会メンバーは昨日ヌマン・クルトゥルムシュ氏を議長として会議を開き決議を行った。
■スィリヴリに行けるならばイムラル島にも行ける
MHPのデヴレト・バフチェリ党首と会った記者のジェイフン・ボズクルト氏がその様子を共有してくれた。ボズクルト氏曰く「スィリヴリに行くならばイムラル島にも行くだろう」と言ったバフチェリ氏は次のように述べた。「我々が達した段階はポジティブなものだ。今議論されているのはイムラル島へ行くかどうかだ。この件で最も重要な相手の1人はアブドゥッラー・オジャラン氏だ。彼の意見も聞くべきだ。こうして我々の目標に向けて重要な段階を踏むことになる。
今に至るまでオジャラン氏の声明により、PKKの解散や武装解除など重要な段階を踏んできた。以前はオジャラン氏をテロリストのリーダー、赤ん坊殺し、頭領などと呼んできた。しかし現段階ではもはや、トルコにおけるテロを完全に一掃することが問題だ。結党のプロセスから今に至るまでの、オジャラン氏の組織における影響力を知っている。このため、私は創設の指導者という表現を使ったし使っている。
私がイムラル島訪問を主張していることが批判されている。スィリヴリ訪問とイムラル刑務所訪問に何の違いがあるというのか?ない。スィリヴリに行けるならばイムラル島にも行ける。この問題は帝国主義・シオニストによる侵略主義的政治と切り離して考えることはできない。テロが議題から外れればトルコは基本的な問題に向きを変えるだろう」
この記事の原文はこちら
( 翻訳者:神谷亮平 )
( 記事ID:61178 )