ガザ、7万1千人の死体の上に高層ビル計画の侮辱
2026年01月23日付 Milliyet 紙


ガザ地区の瓦礫の中で数百万もの人々が飢餓やイスラエルによる殺戮と戦っている中で、ダボス会議で「ニュー・ガザ」の夢が売り出された。米国は人道危機に目を向けず、投資プランを打ち出した。詳細は次の通りだ。

2年間にわたるイスラエルの爆撃で壊滅的な被害を受けたガザ地区について、イスラエルへの弾薬の供給を止めない米国は、「再開発」という題目で準備したプランをスイス・ダボスで世界に向けて示した。

■瓦礫の上に高層ビル

「ニュー・ガザ」と銘打ったこのプレゼンでは、現在瓦礫と集団墓地で埋め尽くされている土地を高層ビル、観光エリア、投資エリアにすることが提案されている。

■空き地であるかのように示される

米国のドナルド・トランプ大統領が推進し、ガザ平和評議会による署名のすぐ後に示されたプランでは、地中海に沿った形で数十の高層ビルが、またラファには新しい居住エリアと200万人の住民向けの農業・工業エリアもある。地図上では戦争の痕跡は消され、ガザ地区はまるで空白の土地であるかのように描かれている。

■「プランBはない」

プレゼンを行ったトランプ大統領の娘婿ジャレッド・クシュナー氏は、ガザ地区で起きている人道危機には言及せず、不動産プロジェクトを称賛した。クシュナー氏は「ハマスが武装解除の協定に合意し、我々もそれを履行する。人々は我々にプランBが何なのかと問う。我々にプランBはない」などと述べた。ガザ地区で瓦礫の下に今なお取り残されている数万もの命には、この説明では触れられなかった。

■180棟の高層ビルが建設

示されたプランでは「沿岸ツーリズム」に割かれたエリアで180棟の高層ビルが建設される。これに加えて居住エリア、複合産業エリア、データセンター、工場、公園、農業・スポーツエリアが建設される。エジプトとの国境に近い南部では新しい港と空港が建設され、エジプト・イスラエルとの国境が交わる地点には「3国間通行地点」が設置される計画だ。

■「イスラエルは空白地帯に留まり続ける」

再建は、壊滅的な被害を受けた南部のラファから始まり北に向かって進められると明らかにされており、初期プランではエジプト・イスラエル国境に沿って延びる広大な「空白地帯」が強調された。この地域は、トランプ大統領が20ヵ条からなる停戦プランで「治安境界」とされている。件のプランでは、イスラエルは「ガザ地区の治安が完全に保障されるまで」この地域に留まると予想されている。

■戦前には28万人が居住

別のスライドには「ニュー・ラファ」と呼ばれる地域に10万戸以上の永住住宅、200の教育施設と75の医療機関が設置されるとある。しかし、ガザ地区の南端にあるラファ市には戦前は約28万人が居住していた。同市は10月7日以降、イスラエルの空爆や破壊によりほぼ壊滅し、現在イスラエルの支配下にある。

クシュナー氏は「ニュー・ラファ」を2〜3年で完成させることが可能であると主張し、瓦礫の撤去作業を開始したと述べた。「そして、後にニュー・ガザは…希望になりうるし、目標になりうる」と言うクシュナー氏は、ガザ地区を多くの産業が拠点とする投資エリアとして発表した。今後数週間で、ワシントンでは各国の費用負担を決める会議が開催されるとも発表された。

■「中東のリヴィエラ」

トランプ大統領はというと、2025年2月の声明で、パレスチナ人は隣国に恒久的に移住することができるとしたうえで、米国が同地域を管理しガザ地区を「中東のリヴィエラ」に変えることができると主張した。この発言は世界中で大きな反応を呼び起こした。

■「安全がなければ投資はない」

ガザ地区の現状に言及したクシュナー氏は、武装解除のプロセスが始まったと明らかにし「安全がなければ誰も投資をしない」と述べた。またクシュナー氏は、ガザ行政国家委員会(NCAG)がハマスの間で武装解除に向けて動いていると述べた。

■死者は71000人超

しかし、地上の絵図はプレゼンで描かれた輝かしい未来からは程遠い。ガザ保健省によると、2025年10月に宣言された停戦は脆弱だ。ここ3ヶ月で、イスラエルの攻撃により少なくとも477人のパレスチナ人が死亡し、死者数の合計は71562人となった。国連は、ガザ地区での人道的状況はいまだ破滅的な状況だと強調する。約100万人もの人々が基礎的な避難の機会を奪われ、160万人が深刻な飢餓に直面している。

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( 翻訳者:神谷亮平 )
( 記事ID:61527 )