ホルムズ回避の石油輸送、南北パイプラインも検討?
2026年04月02日付 Cumhuriyet 紙
湾岸諸国は、増加する安全保障上のリスクによりホルムズ海峡への依存度を減らすため、新たな石油パイプラインを検討している。サウジアラビアは現在の東西ラインを拡張し、代替の輸出ルート創出を計画している。
湾岸諸国は、高まる地政学的な緊張と安全保障上の脅威により、石油輸出において重要なホルムズ海峡に対する依存度を減らすための新たなパイプラインプロジェクトを再び検討している。
エネルギー分野の専門家らによると、可能性のある石油停止を乗り越えるために一番効果的な方法が代替の地上ラインを創出することだという。しかしこのプロジェクトには、高い費用、政治的な難題、長い建設期間など非常に複雑な過程が待っている。
■東西ラインが話題
アル=アラビーヤの報道によると、現在の危機は、サウジアラビアが1980年代に建設した約1200キロメートルに及ぶ東西石油パイプラインの戦略的重要性を再び提起した。
このパイプラインは、1日に約700万バレルの石油を紅海のヤンブー港に運び、ホルムズ海峡を完全に迂回している。アラムコのCEO、アミーン・ナーセル氏は、同パイプラインが依然として「主要な輸出ルート」であることを強調している。
サウジアラビアは1日に1020万バレルの石油生産物をより多くパイプラインを通じて輸出するために選択肢を検討している。
この枠組みで優先的な項目は、東西ラインの許容量の拡大、新たな輸出ラインの建設、海を通るルートへの依存度の削減だ。
■高いコスト
過去には、同様のプロジェクトが高いコストや政治的な障害を理由に何度も棚上げされてきた。しかし専門家によると、湾岸地域では今やその姿勢が変わりつつある。
大西洋評議会のメイソン・カファフィ氏は、「もはや理論上のシナリオから具体的な計画へと移行している」と述べ、地域のすべての関係者が同様のリスク分析に取り組んでいると指摘している。
専門家らによると、単一のパイプラインの代わりに、複数のルートからなる統合ネットワークの方が柔軟な解決策となり得るが、この選択肢は同時に最も困難なものだ。
アル=アラビーヤの分析によると、東西を結ぶようなラインの建設費は少なくとも50億ドルに上る。
複数国にまたがるプロジェクト(イラク、ヨルダン、シリア、トルコを経由するルート)の場合は、150億~200億ドル程度になると見込まれている。
■安全保障上のリスク
アラブのメディアによると、現在の選択肢の一つとして、インドから湾岸諸国を経て欧州へと至るIMEC(インド・中東・欧州回廊)プロジェクトがある。
こうしたルートは、長期的には石油やガスだけでなく、様々な商業製品が輸送される広範な貿易回廊へと発展させることが目的とされている。
しかしこの段階で、ISISのような組織の存在、南部ラインの難しい地形、オマーンの港湾に対するドローンによる脅威など、いくつかの安全保障上のリスクが浮上している。
専門家によると、短期的に実施可能な措置は以下の通りである。
・サウジアラビアの東西パイプラインの拡張
・アブダビ-フジャイララインの強化
・紅海沿岸における新たな輸出港湾の開発
NEOMプロジェクトの一環として建設される深水港も、この戦略の一環となり得る。
全てはホルムズ海峡の将来にかかっている
エネルギー分野の関係者らによると、最終的な投資判断はホルムズ海峡の将来次第となる。
この間、英国の主導のもと、海峡の再開をめぐり35カ国間で外交的な接触が続き、専門家たちは現在の危機がエネルギー政策に恒久的な変化をもたらす可能性があるとみている。
「もはや以前のような状態には戻らない」という見方は、湾岸地域における新たな戦略的方向性を最も端的に表している。
■イギリスによる新たな計画
一方、イギリスは世界のエネルギー流通の重要拠点であるホルムズ海峡が再開するための国際的な試みを始めている。
会議に35カ国の参加が見込まれる中、アメリカが参加しないことが発表された。
イギリスのイヴェット・クーパー外相を筆頭に開かれる会議にはフランス、ドイツ、イタリア、カナダ、アラブ首長国連邦などの国々が参加する。
会議では、地域での交通安全保障を再び確保するための取り組みが議論される。
会議は、アメリカのドナルド・トランプ大統領による、ホルムズ海峡の安全が他の国々らの責任の下にあるという説明の前提に行われている。アメリカが会議に参加しないことが注目を集めた。
ヨーロッパの関係者らによると、計画の第一段階で海中の機雷の除去、第二段階でタンカーの安全確保が予定されている。
翌週には軍事関係者らも含むより包括的な会議が開催される。
イギリスのキア・スターマー首相は、海峡の再開が「容易ではない」と述べ、軍事力と外交努力で解決する必要があることを強調した。
この記事の原文はこちら
( 翻訳者:岸本成美 )
( 記事ID:61895 )