レバノン:ラッジー外相が戦争終結に向けた直接交渉を模索
2026年06月10日付 Al-Nahar 紙


■レバノン外相:イスラエルとの交渉が戦争終結に向けた政府の選択肢…直接交渉を「唯一の道」と説明、ヒズブッラーの武装独占にも言及

【ベイルート:本紙】

レバノンのユースフ・ラッジー外相は、レバノン政府とイスラエルの直接交渉が、包括的解決に到達し、戦争を終結させる唯一の道であると述べた。そのうえで、軍事的選択肢は、続く危機の処理において有効性を示せなかったとの見方を示した。

ラッジー外相は今日、フランス国民議会の外務委員会で行われた聴聞会で、レバノン国家は直接対話を、未解決の問題を処理するための最も現実的な道とみていると説明した。また、衝突の継続は現場で具体的な成果をもたらしていないと指摘した。

同外相は、続く紛争におけるヒズブッラー民兵の役割を批判し、同組織が「抵抗」と称するものは、掲げていた目標を達成しなかったばかりか、レバノンをさらなる暴力とイスラエルの占領へ引きずり込むことに寄与したと述べた。そのうえで、武器をレバノン国家の手に限定することは、国家機関を強化し、レバノン全土に権限を及ぼすことを可能にするための国民的要求であると説明した。

レバノン外相の発言は、イスラエルによるレバノン戦争の影響が続くなかで出された。国連人権高等弁務官フォルカー・テュルク氏は、今年3月2日以降に行われた人権侵害と国際人道法違反を調査するため、独立した中立的な評価団をレバノンへ派遣する意向を明らかにした。

テュルク氏は、同評価団が、イスラエルとヒズブッラーに帰される違反に関する情報と証拠を、レバノン政府との調整のもとで収集すると説明した。

レバノン保健省は、今年3月2日以降のイスラエルの空爆による死者が3,666人、負傷者が1万1,321人に増加したと発表していた。これは、4月17日に停戦が発表されたにもかかわらず、軍事作戦が続くなかでの数字である。

同じ文脈で、国連開発計画(UNDP)は、ベイルートとレバノン山地で建物に生じた直接被害が3億6,500万米ドルを超えたとする初期推計を明らかにした。7,600戸以上の住宅が被害を受け、3,000戸以上の集合住宅が全壊したほか、約65万立方メートルのがれきが積み上がっているという。

現地情勢が悪化するなか、国境なき医師団は、イスラエル軍がティール市とその周辺地域を含む広範囲に避難命令を出したことを受け、南レバノンの複数地域で医療活動と移動診療を一時停止すると発表した。

同団体は、住民が強制移動にさらされていることに懸念を表明した。また、医療チームをサイダー市へ退避させたとしたうえで、治安状況が改善され次第、活動地域へ戻り、被害を受けた人々への医療サービス提供を再開する用意があると説明した。

こうした展開は、続くイスラエル戦争のもとで、レバノンが政治的・人道的課題に直面し続けていることを映し出している。人的・物的損失が拡大するなか、緊張の激化を止める政治的解決を求める声も高まっている。

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( 翻訳者:国際メディア情報センター )
( 記事ID:62273 )