■各国代表がイスラエルの占領と攻撃を非難 政治移行、経済再建、人道支援への国際的関与を訴える
【ダマスカス:本紙】
国連安全保障理事会の理事国と各国代表は、シリアの主権、統一、領土保全への支持を表明し、国際法の尊重とシリア領に対するイスラエルの占領終結を求めた。一方、クラウディオ・コルドーネ国連事務総長シリア担当特使代理は、すべてのシリア人の必要に応え、信頼を高める包括的な制度を築く現実的な機会がシリアには存在すると述べた。
コルドーネ氏は、シリア情勢の最新動向を扱った安保理会合で、今月は最高憲法裁判所の任命や人民議会の活動開始など、制度面での進展がみられたと説明した。これら二つの機関は、2025年3月に公布された憲法宣言が定めた移行プロセスにおける重要な節目になると述べた。
また、この敏感な時期にシリア政府と国民への支援を継続する必要があるとし、信頼の強化と包括的制度の構築が、すべてのシリア人の必要に応えるための入り口になると指摘した。さらに、シリアの主権を尊重し、さらなる緊張激化を防ぐ重要性を訴え、イスラエルに対して1974年の兵力引き離し協定への違反を終わらせるよう求めた。
コルドーネ氏は、シリア南部におけるイスラエルの軍事活動への懸念が続いていると述べる一方、シリア国境を越えた麻薬取引も差し迫った脅威になっていると説明した。
さらにシリアがテロ支援国家の指定から解除されたことは、同国の復興に対する国際的信頼の高まりを示し、回復に向けた前進になるとした。また、アントニオ・グテーレス国連事務総長がシリア政府の招待を受けて同国を訪問する予定であり、その際、シリア政府と国民を支援する国連の姿勢を改めて示すと明らかにした。
国連人道問題調整事務所(OCHA)で活動・アドボカシー部門を率いるエデム・ウォスルヌ氏は、シリアは長年にわたる経済危機を経て、現在、重大な岐路に立っていると述べた。そのうえで、シリア人が緊急援助への依存から復興へ移行するのを支援する現実的な機会があるとした。
またシリア人の帰還は、自らの生活を再建し、祖国の未来に投資しようとする強い意思を反映するものだと指摘した。ただし、帰還は終着点ではなく、帰国した各家庭にとっての出発点だと説明した。
同氏によると、2024年12月以降、約170万人の難民と190万人の国内避難民がシリアに帰還した。一方で、人道上の必要は依然として極めて大きく、約1,560万人が人道支援を必要としているという。
また人道支援団体は援助を続けているものの、資金はシリアにおける需要の規模に追いついていないと述べた。帰還を妨げる障害も残っており、持続可能な解決策が必要だとしたうえで、予測可能で継続的な人道資金を確保し、緊急支援と復興をつなぐ橋を築くよう求めた。
パキスタンのターリク・ファーティミ首相特別補佐官兼国務相は、シリア国民との揺るぎない連帯を表明した。シリア指導部は、長年の戦争を経た国家を安定へ導く決意を示しており、シリア国民には過去の一頁を閉じる機会があると述べた。
またシリアの主権と領土保全を尊重する必要があるとし、新人民議会の会合は政治移行における重要な一歩だと評価した。さらに、制裁解除は経済復興とシリアの再統合に向けた基本的な措置だとした。
一方シリア領に対するイスラエルの占領は、同国の安定を妨げる課題だと指摘し、ゴラン高原の占領は国際法違反に当たると述べた。
デンマーク代表は、シリア支援への自国の関与を確認し、シリア国民の復興に向けて国連の取り組みを継続する必要があると述べた。また、テロ対策におけるシリアの努力を評価し、最近ダマスカスで起きた攻撃は、同国が依然としてテロの脅威に直面していることを示していると指摘した。
ロシア代表は、すべてのシリア国民の権利を守るシリア政府の取り組みを支持すると述べ、国家の統一回復と国家機関の強化に向けたダマスカスの進展を歓迎した。
また政府の努力にもかかわらず、シリアと国民はなお多くの課題に直面していると説明した。イスラエルの攻撃的政策は最も重大な課題の一つであり、その攻撃は緊張を悪化させ、シリア南部の安定化に向けた努力を脅かしているとした。
米国代表は、シリアが政治、人道、安全保障の各面で進展を続けていると述べた。シリアをテロ支援国家の指定から解除し、各種制限を取り除くことは、復興に向けた貿易と投資の機会を拡大すると指摘した。
またシリア人には平和、安全、尊厳の中で暮らす機会が与えられるべきだと表明した。兵力引き離し協定の履行に戻ることは、情勢の沈静化に寄与するとし、継続するテロ活動に対処するため国際社会の取り組みを統一するよう求めた。さらに、武器輸送を阻止し、ヒズブッラー民兵への流入を防いだシリア政府の対応を評価した。
コロンビア代表は、シリアの主権、独立、領土保全への支持を表明し、テロ支援国家指定の解除は新たなシリアの建設に寄与すると述べた。
またシリア政府は恒久的な平和に向けて包括的な制度の再建を進めており、政治、人道、安全保障面での進展は復興の流れを反映するものだとした。
ラトビア代表も、シリアの主権、独立、領土保全を支持する揺るぎない立場を改めて示し、シリア国民は甚大な惨禍に耐えてきたとして、支援の必要性を訴えた。
さらに最近ダマスカスで発生したテロ攻撃を非難し、犠牲者とその家族に連帯を表明した。シリアで相次ぐテロ攻撃は、テロ対策を続ける必要性を示していると述べた。
中国代表は、シリアが地域の主要国であり、地域の緊張緩和にも寄与することから、同国の平和と安定を強化する必要があると述べた。また、最近シリアで発生した攻撃を踏まえ、テロ対策の重要性を指摘した。
さらにゴラン高原は占領地であり、イスラエルは占領したシリア領から撤退しなければならないと述べた。そのうえで、中国はシリアの平和、安定、発展の実現を支援するため、国際社会と協力する用意があると表明した。
ソマリア代表は、ここ数カ月、シリアの政治改革と安定化の過程に新たな勢いが生まれたと述べた。これまでに達成された進展を維持するため、継続的な国際支援が重要だとした。
また、人道支援を拡大し、シリアの経済的再統合を支えることは復興に向けた基本的な措置だと指摘した。すべてのシリア人に利益をもたらす具体的な経済的前進なしに、持続的な平和は実現できないと述べた。
ギリシャ代表は、シリアの安定を維持することがこれまで以上に重要だと述べた。新人民議会は政治移行における重要な一歩であり、主権を有する安定したシリアは、東地中海地域と中東の安全保障に寄与するとした。
またシリアの復興を支える国際協力の重要性を指摘し、すべてのシリア人が安全と保護を享受できなければならないと述べた。
パナマ代表は、シリアにおける最近の政治的進展は、より包括的な段階に向けて前進を続ける重要な機会だと述べた。新人民議会の設置は、有望な制度的段階の始まりになると指摘した。
また移行期正義、説明責任、行方不明者の捜索、法の支配の強化における進展は、政治移行に対するシリア人の信頼を高めると説明した。現段階では、国連の支援とシリアに対する人道的取り組みが引き続き不可欠だとした。
英国代表は、シリアの安定、平和、安全を強化する取り組みを支持すると述べ、すべてのシリア人にとって繁栄した未来を築こうとする人民議会との協力に期待を示した。
またシリア人民議会は国内の政治的解決に向けた重要な一歩だと指摘した。テロ対策を支援するためシリア政府と緊密に協力し続けるとしたうえで、イスラエルに対し、シリア南部で占領した地域から撤退するよう求めた。
バーレーン代表は、シリアの安全と安定につながるあらゆる取り組みに対する連帯を表明した。選挙手続きや人民議会の初会合を含め、シリアの制度構築過程でみられた進展を評価した。
また移行期正義を進めるシリア政府と国家移行期正義委員会の努力を評価し、行方不明者問題に対応するシリア国家行方不明者委員会の取り組みにも謝意を示した。
フランス代表は、シリア政府が全土に権限を広げることは、国内の安定を実現するために不可欠だと述べた。また、すべてのシリア人のために正義を実現するには、不処罰との闘いが必要だとした。さらに、フランスが以前差し押さえていた5,000万ユーロをシリアに返還すると明らかにした。
トルコ代表は、新たなシリア人民議会が社会のさまざまな層を結集したと述べ、シリアの復興と再建に向けた取り組みへの国際社会の支援を増やす必要があると訴えた。
またシリアをテロ支援国家の指定から解除することは、復興と再建の取り組みに寄与すると指摘した。化学兵器禁止条約の枠組みで停止されていたシリアの権利が回復されたことも前向きな措置だとし、シリアはこの問題に関する国家的取り組みで成果を上げていると述べた。
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( 翻訳者:国際メディア情報センター )
( 記事ID:62515 )